2021春季生活闘争 第3回回答集計結果記者会見

 

連合記者会見

2021春季生活闘争 第3回回答集計結果記者会見

神津会長・高倉副会長・酒向副会長・松浦副会長・坂田副会長・難波副会長・相原事務局長・石田副事務局長・冨田総合政策推進局長(2021年4月6日)

連合記者会見全文
神津会長

 本日もご対応いただきありがとうございます。また先ほど、中小組合支援共闘推進集会もご取材いただいた方も多いと思います。重ねて感謝申し上げます。後ほど詳しく集計の状況についてはご報告をさせていただきますが、今回非常に大きい特徴としては、第3回目の集計においてもなお中小の賃上げの率が、いわゆる大手のそれを上回るということであり、昨年も2回目はまだその傾向がありましたが3回目はそうはならず、連合として規模別に集計をして以降初めてのことだと思います。これはある意味、かつての常識、今となっては悪しき常識を覆すものであって、何としてもこの傾向を引き続きできるだけ維持していきたいということでありますし、またわずかではありますけれども全体の集計も第2回を上回っていると言いますか、ほぼ維持しているということですので、こういったコロナの足元においてこういう結果を出しているということは、何とかここから先に向けた1つの土台としてお互い組織で確認し合っていきたいと思っています。また今日集会をご取材いただいた方々には直接聞いていただきましたが、ここから先の取り組み、先ほど悪しき常識を覆すということを申し上げましたけども、私どもとして分配構造の転換というこだわりを持っておりますし、やはりなんといってもこの厳しい状況の中で、コロナということの、働く環境としても様々非常に厳しい中にあって、懸命に奮闘している職場第一線の組合員の皆さん、あるいは働く仲間の皆さんのために、我々としてはこの傾向をしっかりと維持し、さらなる賃上げのうねりを日本全体のものに広げられるように、しっかりと取り組んでいきたいということであります。また中小企業の経営者の皆さん方にとっても、ニューノーマルの中でさらに発展していくことにつなげていくためには、人材の確保・育成、それを考えたときには、この格差拡大をどうやって反転させるかというのは、これは私ども労働側と共通の課題だと思っています。そしてなんといっても日本全体が再びデフレの闇に戻らないということのためにも、なんとしてもこの今の流れを日本全体のものに何とかつなげていきたいということを冒頭一言申し上げておきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

冨田総合政策推進局長

 冨田でございます。私から4月2日午後5時時点で集計いたしました第3回の集計結果をご報告させていただきます。お手元にプレスリリースをお配りしていると思いますので、まず1枚おめくりいただきまして3ページ目の「3.要求状況・妥結進捗状況」をご覧いただきたいと思います。2021の現時点における集計対象組合は7,887組合、このうち要求書を提出した組合が5,367組合、このうち月例賃金改善、要は賃上げを要求した組合が4,847組合となり、賃上げの要求率は61.5%となっております。賃上げを要求しました4,847組合のうち、現時点で妥結の内容の分かる組合は2,038組合となっております。一番下の箱をご覧いただければと思います。賃金改善分獲得が666組合、定昇相当分を確保した組合が531組合となり、それぞれ32.7%、26.1%となっております。2,038組合のうち、この要求の解決の状況の分かる組合が合計で1,209組合ありますが、今ほど申し上げました状況を割合に直しますと、定昇を維持した組合が99%、かつ賃上げを獲得した組合は55%となります。それから2ページ目の上段をご覧いただきたいと思います。平均賃金方式での賃上げの状況になります。全体では5,463円、率にして1.82%となり、前回集計の1.81%を0.01ポイント上回る結果となりました。その下、300人未満の中小組合においては、額で4,639円、率で1.84%となり、この、第3回集計において全体を中小が上回るこの結果につきましては、2000年闘争以来初めてという状況になっております。それから真ん中の表が「賃上げ分が明確に分かる組合の集計」です。全体では6,028円、賃上げ額は1,675円で、昨年を285円上回り、かつ第2回集計をも上回る結果となっております。さらに賃上げの率で見ますと、300人未満の次のところに99人以下がありますが、99人以下の賃上げ率が0.64%となり、全ての規模区分で一番高い獲得率となっております。3ページにお戻りいただきまして、上段が有期・短時間・契約等労働者の賃上げとなっております。時給の加重平均は22.52円、平均時給の参考値では1,048.18円となり、昨年を若干下回る結果となりました。月給は加重平均で4,492円、率にして2.07%となっております。先ほど申し上げました時給の22.52円を、参考値ではありますが、引き上げ率に直すと2.2%となりますので、時給・月給ともに先ほど申し上げた平均賃金方式一般組合員の引き上げ率を上回る結果となっております。
 それから23ページまで飛んでいただきますと、労働条件に関する各種取り組みの回答状況と要求状況について更新させていただいております。本年においては、1.の「(1)長時間労働の是正」については、黒丸で3つ下がっていただいたところ「年次有給休暇の取得促進に向けた取り組み」に1,000件を超える取り組みがあり、現時点で400件を超える前進回答が見られます。それから下にさがっていただいた「(2)有期・短時間・契約等で働く労働者の雇用安定や処遇改善の取り組み」については、①雇用安定の2つ目の丸、「無期労働契約への転換促進および無期転換ルール回避目的の雇い止め防止と当該労働者への周知徹底」に300件を超える取り組みがあり、ほぼそれに類する回答の引き出しがなされております。それから次のページ24ページ目の2つ目の箱のところに「60歳以降の高齢期における雇用と処遇に関する取り組み」があります。「b)65歳までの雇用確保に向けた定年引き上げ」については現時点700件を超える取り組みがあり、100件の前進回答が見られております。それからその下「(4)テレワークの導入、および導入済み制度の見直しの取り組み」については200件を超える取り組みがあり、現時点70件を超える回答となっております。それからその下、大きな黒いところ2つ目の「ジェンダー平等・多様性の推進」については「(2)改正女性活躍推進法および男女雇用機会均等法の周知徹底と点検活動」における「男女間格差の状況についての点検やポジティブ・アクションによる改善の取り組み」に400件弱の取り組みがあり、200件を超える前進回答。それから最後になりますが25ページ目、(3)のところに「あらゆるハラスメント対策と差別禁止に関する取り組み」がありますが、一番下の黒丸、「ドメスティック・バイオレンスや性暴力による被害者の職場における支援のための環境整備」に256件の取り組みがあり、すでに256件の回答が出ている状況であり、今申し上げた以外にも今次取り組みにおいては本当に多岐にわたる取り組みの状況と回答の状況がありますので、あわせてご確認をいただければと思います。私からは以上です。

高倉副会長(金属共闘連絡会議)

 金属共闘連絡会議の高倉です。どうぞよろしくお願いいたします。先週の4月2日に連合の金属共闘連絡会議と金属労協で合同記者会見を開催いたしましたので、その時のコメントと大体大筋同じ内容であることを冒頭ご承知おきいただきたいと思います。3月17日の集中回答日以降、中堅・中小労組を中心に精力的に交渉を展開しております。全体では3月末段階、約半数の組合が回答を引き出しておりますが、これはおおむね例年と同様の進捗状況となっております。賃金につきましてはコロナ禍の影響、さらにはデジタル革命をはじめとする産業の大変革に伴う先行き不透明、これが大変強い中においても賃上げによる人への投資の重要性について求めてきた成果が上がってきていると思います。金属産業にふさわしい賃金水準の実現に向けて、継続的な賃上げの獲得にこだわりを持って各組合が粘り強い交渉を行った結果であると受け止めております。規模別で見てみますと、規模の小さい組合ほど賃上げ額が大きくなっており、中堅・中小労組が1,000人以上の組合の賃上げ額の平均を上回る傾向が定着をしてきております。今後回答を引き出す中堅・中小労組が着実に賃上げを獲得し、底上げ・格差是正を実現するよう金属共闘全体で支えていきたいと思っております。企業内最低賃金の引き上げを要求した組合ですが、多くの組合が引き上げ額を獲得しております。企業内最低賃金協定は特定最低賃金の取り組みを通じて、同じ産業で働く未組織労働者や非正規雇用で働く労働者の賃金の底上げ・格差是正に役割を果たしています。今後、労使協議等で取り組む組合においても、労働組合の社会的責任として締結の拡大、さらには水準の引き上げに取り組んでいきたいと思っております。一時金につきましては大変厳しい交渉になっておりますが、この時期の数字としては大いに健闘している結果と受け止めています。引き続き、最低獲得水準としての年間4カ月の確保にこだわって交渉を強化していきたいと思います。その他につきましては、働き方の見直し、60歳以降の雇用・処遇、非正規雇用で働く労働者の賃金などの職場の課題について、各組合で交渉・協議を行い、多くの組合で具体的な前進回答を引き出しています。今後、協議の場を設置して通年で協議を行う組合もあり、今後の協議に期待をしているところです。最後になりますが、まだまだ多くの労組で交渉が続くことになります。引き続き、賃金水準や人材の確保育成、競争力強化など、それぞれの労使が抱える仮題を徹底的に議論し、めざす賃金水準に向けて積極的な賃上げ獲得をめざした取り組みに注力し、金属共闘全体として相乗効果を高めながら交渉を進めてまいりたいと思っております。以上です。

酒向副会長(化学・食品・製造等共闘連絡会議)

 化学・食品・製造等共闘連絡会議の酒向でございます。どうぞよろしくお願いいたします。この共闘連絡会議は7つの構成産別で構成されております。そのうちUAゼンセンは製造産業部門のみの集計になっております。非常に産業は多岐にわたっておりますので、業績等のばらつきも非常に多くなっておりますが、全体感についてご報告を申し上げたいと思います。まず賃金の引き上げの状況につきましては、化学・食品・製造等の集計として、定期昇給とベースアップを合計した額でいきますと5,890円ということで、昨年に比べまして452円ダウンという形になっております。その中でUAゼンセンの製造系の賃上げの額は4,213円、前年に比べて289円のマイナス。JEC連合は賃上げ額が加重平均で7,779円ということで、前年に比べて1,059円のアップになっておりますが、これは実は大手の一部のところで大きな賃上げがあったもので、その辺の影響が大きく出ております。フード連合は5,767円、前年比114円ということで、特に300人未満のところで非常に健闘が目立っておりまして、前回もご報告しましたが、賃金実態の把握の中で10,000円以上のベアを獲得した単組もあったと聞いております。また、ゴム連合におかれましては4,835円ということでマイナス255円、紙パ連合は4,611円、前年比1,048円のマイナス、セラミックス連合は5,358円、マイナス1,094円ということです。印刷労連は合計の数字の把握しておりませんが、主要5組合中3組合は8年連続のベアということで1,000円のベアを獲得したと聞いております。そういった中で、各社、各産別におきまして最低賃金の引き上げまたは非正規で働く人への改善の取り組みを着実に進めており、時給の引き上げや初任給の引き上げ、企業内最賃の引き上げの取り組みを進めており、底上げの取り組みが継続をされていると認識しております。また、長時間労働の是正の関連でいきますと、勤務間インターバルの施行を始めているところやフレックスタイム制度の改善や年間休日増に取り組んだ単組もあると聞いております。その他の取り組みとしましては、65歳定年制を導入されるなど、継続雇用の処遇改善に取り組まれたところもありますし、テレワークの関係ではテレワークの制度の導入についてかなり前進がはかられております。また、賃金の引き上げがなかなか思うようにいかないところにおきましては一時金の取り組みに力を入れて、一部コロナでの特別支給という上乗せを取ったようなご報告も受けております。このような形で、賃金の引き上げにつきましては少し厳しい状況ではありますが、コロナの影響もあり全体としては厳しい中ではありますが、格差是正に向けては中小のほうは健闘しておりますし、賃上げ以外の項目で一時金や長時間労働の是正、高齢者雇用、テレワークやジェンダー平等など総合労働条件の改善に向けて、一定の成果が出ておるものだと認識しております。これから取り組む単組も多くあります。賃上げの流れを日本全体に広げていけますよう、引き続き気を引き締めて取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。

松浦副会長(流通・サービス・金融共闘連絡会議)

 流通・サービス・金融共闘の松浦でございます。前回の記者会見のときにも概略申し上げましたが、我々のこの共闘の産業・業種においても相当にこのコロナの影響というのは幅があります。1つは金融関係、生損保も含めて、全体的にやはり影響を受けている中で厳しい環境下にあるということと、元々こういった業種・産業のところでは交渉時期が若干遅いというところがありました。まだあまり回答が出ているところは少ないところでございますが、そういった中でも様々な賃金以外の部分も含めて、それぞれに現場実態を見た改善の要求、交渉を今、しておられるところです。それからサービスの分野に入れば、ホテル、レジャー、外食はご存知の通り大変にシビアな環境にあるわけです。そういった中で、これはUAゼンセンの加盟組合の外食関係もそうですが、おおむね感触的には定期昇給までは確保の感触は得られていますが、この上の引き上げという部分では相当にやはり難航しているので、少しやはりこれも交渉スケジュールが後ろにずれているところは、サービス連合も含めて、見られているところであります。一方で、周辺で言えば、休日の増加など、そういった年間休日の増加といった取り組みではそういったところでも成果を上げているところが見られているところです。一方で商業・流通の関係ですが、これも全ての業種がいいというわけではなくて、特に百貨店等の業種について、一時期は営業自粛という時期もありましたし、それ以降も含めて多くの方が外出をしない、そういう意味ではいわゆる外出用の服を買うという需要が相当に減っているところも含めて、百貨店業界についてはやはり厳しさがあるというところです。UAゼンセンでもこの流通関係の妥結数が少ないのはこういったところが影響をしていると思います。一方で食品のスーパーですとか、それから家電量販、チェーンドラッグ、こういったところ様々にプラス・マイナスの側面はあっても、大きな深刻な影響という形にはなっていないところについては前年並みあるいはそれ以上の賃上げということで、これはUAゼンセンの流通というところで見てもおおよそ前年比500円ぐらいはプラスになっている状況で3月末まで推移をしてきたというところです。またこの共闘ではUAゼンセンを中心にパート・契約といった方が多く連合集計に登録しております。ここについて先ほど冨田さんからありましたように、正社員を超える形での賃上げ、最低賃金が大きく上がっていないという環境の中で、去年の数字とは大きさそのものは少し低下をしていますが、正社員との比較ではしっかりと正社員以上の賃上げを、という集計が出てきております。やはり職場においてこの間のパートや契約の皆さん、まったくある意味では正社員と同じように、あるいは本当に現場の最前線という中でこのコロナの感染リスクと闘いながら職務を続けてこられた、こうしたことについて交渉し企業としての姿勢を求めたことの結果であろうと思っております。今後ともこうした働き方による格差の是正といったこと、あるいはそれぞれの業種の違いはあっても精一杯の、賃金が取れないとしても、様々な労働環境を含めて改善を取っていく、このような姿勢を共闘として共有をしながら進めてまいりたいと思います。以上です。

坂田副会長(インフラ・公益共闘連絡会議)

 インフラ・公益共闘連絡会議の坂田でございます。どうぞよろしくお願いします。本連絡共闘会議にはインフラ産業をはじめとする民間部門の労働組合、それから公益部門で働く仲間を組織しております労働組合で構成しておりますが、現時点におきましてはインフラ産業の民間労組を中心とした説明になりますことをあらかじめご了承いただきたいと思います。前回のこの記者会見から約3週間が経過しました。この間、前回ご説明しました大手労組に加え中小組合でも一定の回答引き出しが進んでおります。現時点におけます回答状況について、なるべく簡潔にご報告を申し上げたいと思います。まずは賃上げの状況ですが、やはりコロナ禍の影響等もありまして産業・企業ごとに置かれた状況に違いが見られますし、一部には大変厳しい経営環境にある労使もある中、多くの労働組合で定期昇給相当分についてはしっかりと確保ができているということです。また特に、情報通信・建設業の中小組合におきましては、昨年を上回る水準での賃金改善を引き出しておりますし、電力部門における中小組合の賃上げ額は昨年の賃上げ額を上回っておりますし、産業内における格差是正あるいはその働きの価値に見合った水準の実現に向けた取り組みの成果が表れているのではないかと受け止めをしているところです。次に働き方の見直しを含めました労働環境の整備についてです。まず長時間労働の是正におきましては、勤務間インターバル制度の新規の導入、あるいは休憩時間の延長について合意した労働組合が複数あるほか、建設業におきましては時間外の上限規制の適用を見据え36協定の限度時間を引き下げる、このことに合意した労働組合が複数あります。また均等均衡待遇の関係におきましては、有期・契約社員等の賃金水準を改善した労働組合があるほか、傷病休暇さらには時間単位の休暇などについて均等均衡待遇の観点から見直しに合意をした労働組合も複数あります。さらに高年齢期の働き方におきましては、定年年齢を65歳に延長した労働組合、あるいは再雇用者について賃金水準を含めた処遇改善を行った労働組合もあります。テレワークにつきましても新たな勤務制度として導入した組合、あるいはテレワークに対する手当支給について合意をした労働組合もあります。現段階における交渉結果としましては、現在のこのコロナ禍における大きな環境変化の中で、この困難な状況を乗り切るためにどうすべきか、あるいは将来に向けた経営基盤の維持強化はどうあるべきかという労使間の真摯な論議によって導き出された結果であるものと受け止めております。インフラ・公益部門としましては、現在も交渉を重ねております中小組合の仲間の皆さん、そして人事院勧告に基づく公務部門の皆さんへしっかりと波及させられるよう各構成組織の皆さんと緊密に連携を図り取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。私からは以上です。

難波副会長(交通・運輸共闘連絡会議)

 交通・運輸共闘連絡会議の難波です。私のほうから、人流や物流というカテゴリーがありますので、それぞれ人流・物流ごとに報告をさせていただきたいと思います。まず人流です。人流につきましてはやはり3月期末決算においても大幅な減収減益に加えて、赤字決算ということで推移したということです。まずカテゴリーで申し上げると鉄道・鉄軌道ですが、JR・私鉄ともにベースアップゼロの定期昇給のみということに加えて、一時金、臨時給という言い方もしていますが、年間要求に対して半期の回答のみということですから、ここにつきましては冬いわゆる年末の一時金、臨時給の交渉を継続するということで報告を受けています。航空分野です。航空分野につきましても月例賃金については定期昇給のみということでもあり、一時金の水準回答につきましても21年度の事業計画・収支計画が十分に立った時期に交渉するということで継続協議となっています。加えて航空分野つきましては在籍型出向ということで航空分野から異なる産業のほうに出向していますが、現段階では大きな問題・課題は起きていないということを受けています。ただ、やはりこれから今後は出向期間が長期間になったときの不安感を訴える組合員もすでに出ているということは報告を受けています。バス・タクシーでありますが、タクシーにつきましてはやはりコロナ禍で40社が廃業したという国交省の調査もありました。したがって、雇用確保をめざすということで、やはり賃上げ交渉にならないのでありますが、まずはすべての組合で要求書を提出して会社と労使協議のテーブルについて、将来に向けたタクシー事業の議論を行うことに重点を置いていきたいと報告を受けています。やはり交渉も始まったばかりでありますが、長期に及ぶことを想定しています。バスにつきましても、親会社が、鉄道関係が親会社のバス会社が多いわけですが、親会社の妥結内容にも準拠をして定昇のみの回答、ならびに一時金・臨時給につきましても年間要求に対しても半年ということで、交渉継続をしていきたいということと、中小労使については団体交渉も組めずということ、雇用を守ることを第一ということで今進めています。次、物流です。物流につきましては海運とトラックがあります。物流につきましては、やはり高齢化ということで、年齢が非常に高齢になって後継者がいないということです。海運につきましては3月31日に妥結をして賃金改善を実施した上で、後継者の確保・育成に向けた議論を行っていることで報告を受けています。トラックでありますが、これは運輸労連の結果について申し上げたいと思います。45%の組合で解決をしまして、単純平均では283円の前年対比で減額でしたが、加重平均では126円の増となっています。一時金につきましては単純・加重平均ともに9万円程度の増額になったということで、やはり賃金ではなくて一時金で組合員に対して還元をしていきたいということの経営者側の基調が加速度を示しているのかなと思っています。全体の交通・運輸部門の2021春季生活闘争ですが、賃金引き上げ交渉は終結をしても同時要求をしていた一時金回答が示されない等々がありまして、完全な解決を迎えていないということが各モードとも共通している事項だと思っています。したがって継続交渉ということで、また引き続き交渉が続くということでから、今後も中小中堅労使交渉がヤマ場を迎える中にあっても、先行組合につきましても引き続き交渉が続くということです。しばらく春季生活闘争体制は解除ができないだろうということで交通・運輸共闘連絡部門では共通認識に立った上で、今後対応をしっかりと取り組んでいくことで意思確認をしました。以上です。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サトウ氏)

 朝日新聞のサトウです。今日はありがとうございました。回答集計の2ページ目に関するご質問なので冨田さんにお聞きすればいいのかもしれませんが、回答集計を見るといわゆる1,000人以上の大手の組合のほうも賃上げは前年比でプラスになっていまして、もちろん今期中小のほうで非常に健闘されて、前年、例年以上に上っている部分もあると思うのですが、これを見る限りだと大手も上がって、中小も上がって、そうすると連合が掲げていたいわゆる中小大手の格差是正という部分ではどう見られているのか、どう分析されているのかについて、よろしくお願いします。

A.(冨田総合政策推進局長)

 ご質問をいただきましてありがとうございます。こちらのほうですが、今ほどそれぞれの部門の方からも、部門の代表者からもご説明がありました通り、非常に今年、業種・業態によって回答のバラつきが大きい状況になっております。なので、大手の回答の引き出しの状況も、有額を出したところについて非常に大きな回答を出したところもあれば、有額には至ったけれどもその額に幅があるという状況の、今回はその中の集計になっています。なので、同じ業種ごとで比較をすれば当然のことながら大手と中小の関係で業種ごとの関係では、今言ったような大手を中小が上回る状況なども見られるわけですが、集計になってしまうと加重平均でどうしても数字が均されてしまいますので、今のこのフェーズではそういった状況になっていると私どもとしては現時点では受け止めております。

質疑応答[2]
Q.(NHK・ミヤザキ氏)

 NHKのミヤザキと申します。3点ほど、最初冨田さんのほうにデータ的なところで全体の平均賃金式の引き上げの5,463円とか1.82%との数字がこれまでの過去のところでどれぐらいの水準なのか、後でまた個別でお伺いできればと思います。2点目、神津会長にお伺いしたいのですが、中小企業の組合での賃上げ、2000年闘争以降で初めてで、全体とか大手を上回るということで、これの大きな要因ですとか、今後この結果が続くのかを改めてそのお考えを伺いたいということが1つと、あと個人消費のことで昨日厚労省からも発表ありましたが、給与総額について26万円ということで11カ月連続で下がっている数字も2月の現在で出ていますが、個人消費に刺激をということはずっとおっしゃっていると思うんですが、今回の結果を受けてそういった個人消費、国内の個人消費についてどういう影響があるか、またさらに最低賃金の議論も今後出ると思うのですが、そういったところに対する影響・懸念についてお考えがあればお伺いできればと思います。

A.(会長)

 3点目からいきますと、賃上げの流れは維持してきているということで、その断面だけで言えば個人消費、経済の好循環ということについては前向き要素だとは思います。ただ、コロナの問題で、要するにこれが収まらないと、まず人々が自由に往来して飲食も含めて人が集まってということになかなかならないので、この要素があまりにも大きすぎるので、率直に言って、僕らが本当にこれだけやって結果はそれなりのものを出していると思いますが、そのコロナの要素でそこが少し陰に隠れてしまうなというのは正直言ってあると思います。ただ、これをやっておかないと日本全体が転げてしまうみたいなことになるので、そのことは地道にこれをやっておくからこそ、コロナが明けてその先の展望につなげていくことができるんだと思っています。最低賃金も、これ先ほど松浦会長から、いわゆる短時間のところの単価アップ率で、昨年に比べると下がってしまっている。でも最低賃金が「目安示さず」ということの中でよくこれだけ頑張っているな、というのが私の実感ですし、政府がそういう要因を作り出してしまったということですから、これは大いに改めてこの次の最低賃金の議論においては、あまり政府が余計なこと言わずに、しっかりと、これこそ地方の三者構成の審議会で、それぞれの地元の発展のためには最低賃金を上げていこう、という議論をしっかりと形作っていくことが大事だと思いますので、そのことは改めて申し上げておきたいと思います。それから、2点目のほうですが、規模別で集計して初めて、2000年以来ということだから、もう事実上連合として僕は初めてだと思います、こういう結果というのは。2つ申し上げるとすれば、1つはこれ甚だ手前味噌ではありますけど、私どもが分配構造の転換をこれだけ力込めて言っているということは、そこに形となって結びついているということだと思います。それと冒頭申し上げたように、経営の立場においても、人材をしっかり確保しないといけない、今コロナの状況ですから、いわゆる失業率も少し上がって、雇調金があるのでこの程度で済んでいるということはあるでしょうが、しかし有効求人倍率も下がっているということですが、コロナが明けたら元の状況に近づく、あるいはもっと人手不足感は出てくるのではと思いますので、そうすると心ある中小企業経営者からすると、やはり魅力ある労働条件をしっかり持っておかないとこの先の展望に繋がらないという意識はかなりあるんだろうと思います。そういったことも要因となっているのではないのかなと思います。

A.(冨田総合政策推進局長)

 数字の履歴のご質問だと思いますが、お配りしているプレスリリースの4ページ目の下段のところに2013年以降の第3回の回答集計の率の推移は載せております。これより前だとお調べするのに時間がかかりますので、まずはこの数字をご確認いただければと思います。

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