記者会見 2019年3月

 

連合記者会見

3月定例記者会見

神津会長・相原事務局長・内田副事務局長・冨田総合労働局長(2019年3月7日)

連合記者会見全文
神津会長

 今日もまたよろしくお願い致します。
 いくつか冒頭で申し上げておきたいと思います。まず春季生活闘争です。4日月曜日に、1,500人超の大きな集会を行いました。取材していただいた方も多かったと思います。その場でも挨拶の中で申し上げましたが、目下のところの要求の状況においては、後ほどの中央闘争委員会の中で報告した集計状況、数字含めて詳しくご報告をいたします。その段階でも傾向として見えていましたので繰り返しになりますが申し上げます。規模の小さいところが昨年対比で要求額のかなりの増加を図ってきています。規模の小さいところであればあるほどというか、そういった傾向があります。そして率で見るとやはり大手を上回っているというところもかなりあるということだと思います。要求の考え方としては私どもの方針としての、絶対額をしっかりと見据えていこうといったことが如実に反映されている状況だと思っています。非常に心強い状況だと思っています。回答が即連動するというたやすいものではないことは当たり前の話でして、目下情勢認識から始まって、いよいよ今週の重要段階ということでまさに、来週の第一のヤマ場に向けての非常に大変な交渉の真っただ中にあるということです。ただ何度も申し上げている通り、経済状況、世界を見渡すと米中問題であるとか、不安要素があることは事実ですが、そういったところもお互いに交渉の中でマクロ経済の状況なり、それぞれの個別の産業企業の置かれた状況なども綿密に行い、交渉の中で労使の認識の共有を図った上で、組合従業員の努力に報いる意味でどう考えるのか、そしてこの日本の経済の状況にどういう影響を及ぼすのかという事などを意識し、最後のところで具体的な回答は不安な状況があるからということだけに引っ張られたものであってはならないので、なんとか展望を開いていきたいというのが目下の状況だと思います。これは集中回答日に文字通り回答が集中するということでありますが、ご承知のように前段を含めて、あるいは後段ですね、多少の範囲の中で回答を得ていきます。もうすでに大変明るい状況の解答の様子が見えているところもありますので、もちろん楽観は許されませんが、何としてもこの後の長い取り組みにつなぐための土台となるような回答を、第一のヤマ場として引き出していきたいということです。そのことを今日も中央闘争委員会の中でお互い決意として固めたということです。
 それからもう1つは、「Action!36」キャンペーンの展開をしております。今日おいでの方々の中にも多くの方々が取材をしていただいたと思います。昨日、36(サブロク)の日、連合として登録をし、その認可を受けています記念日です。これは昨日のイベントの中でも私の方からも申し述べましたが、当然のことながらそういった登録認可については連合として行いましたが、日本全体の記念日ということの目立たせないといけないので、働く者すべてにとって重要な記念日ということになんとかしていきたいという思いでイベントを開催したところです。4月1日に向けてもう秒読みで、今の改正前の法律においても、残業をしているのにサブロク協定を結んでいないというのは既に法律違反ですので、そんな状況であったことをそのまま引きずってはいられませんから、さらに力を込めてアピールをしていかなければならないと思っています。全国の地方連合会でも、3月6日あるいはその前後で大々的にキャンペーンを展開しています。是非そういったところも含めて注目をいただきたいというふうに思います。
 それからあともう1点、今日の中央執行委員会の議案の中で、政策制度に関わる議案がいくつかありました。そのうち1つは連合30周年に向けたビジョンであり、またそれと連動しながらの政策構想という言い方をしていこうということを含めて、社会保障、教育、それと税制、連合が持っている基本的考え方をさらにブラッシュアップしていく中で、原案を今日提示しています。説明にもあるようなスケジュール感で、6月の中央委員会で取りまとめをしていきたいということです。内容については少し大部のところもありますが、ぜひご参照いただければと思いますし、当然組織の中で議論を展開している途中段階のものですが、いろいろご関心の向きは是非ご質問なり声をお寄せいただければありがたいと思いますので、そのことも申し上げておきたいと思います。
 私の方から冒頭以上とさせていただきます。よろしくお願い致します。

相原事務局長

 第20回の中央執行委員会です。
 メーデー中央大会につきまして今回は1つの節目となります90回を数えますので少し足並みをたどるような、そういう中央大会にもして参りたいということです。政策関係はいま会長からあった通りです。確認事項の7番、資料の3-7になりますが、取引の適正化、要請行動を関係省庁等に対して行い、春季生活闘争を中心とした適正化のサポートに向けた運動を進めたいというふうに思っております。
 私の方からは以上です。

冨田総合労働局長

 それでは2019の春季生活闘争の要求の集計の結果につきましてご報告をさせていただきたいと思います。皆様のお手元に表紙にプレスリリースと書かれた集計の集約したものをお配りさせていただいておりますので、その中から特徴的な点をご報告申し上げたいと思います。
 3ページに要求状況の総括表を入れておりますので、まずはこちらをご覧いただきたいと思います。一番上の上段が要求状況でして、左側が2019年今年の要求、真ん中が昨年同時期、それから一番右が2018年度の対比の表となっています。まず要求状況ですが3月4日時点の要求集計組合につきましては6,770組合で、このうち既に要求を提出した組合が3,613組合、さらにそのうちに賃金改善を含む要求をしたものが3,386組合となっております。要求率につきましては全体で53.4%となっています。右側の2018年との比較を見ていただきたいと思いますが、要求をした組合との比較においては要求が604組合増、うち賃金については595組合増という事ですので昨年との対比においては賃金要求の裾野がさらに広がっていると受け止めています。それから次に具体的な水準についてですが、真ん中のところに月例賃金とあって、上の平均賃金本方式をご覧ください。賃金の峻別ができる組合の集計となっていますので集計組合数については2,993組合、人数にして226万人のデータということになります。引き上げ額については加重平均で9,274円、引き上げの率では3.16%となっています。300人未満の中小につきましては加重平均で額は8,421円、引き上げの率は3.38%となりますので、冒頭会長が申し上げました通りへ中小のほうの引き上げ率が全体を上回るという状況になっています。さらにもう1点ご覧をいただきたいのが引き上げ額の2018年度の対比のところですが、加重平均で見た引き上げ額は74円となっておりますが単純平均1組合あたりで比較をしますと304円となっています。これは中小の組合数のほうが大手の組合数よりも多くなっていますので、単純平均で見れば中小の頑張りの度合いがここに表れていると私どもは受け止めています。
 4ページが非正規労働者の賃上げ要求です。上段の時給の要求になっていますが、要求集計の一番上の左端に、組合数で190組合、人数規模にして54万2,000人強の要求となっていて、昨年対比ですと組合数で約倍、人員では約10%弱の増となっており、こちらも要求の裾野の広がりをご確認いただけるかと思います。具体的な要求の引き上げの幅につきましては、真ん中の組合員1人平均の加重平均は引き上げ幅38.05円で昨年を4円強上回る状況になっています。
 それから最後に働き方に関する労働諸条件の取り組み状況です。6ページ1.の(1)が長時間労働の是正ですが、黒丸で行くと上から3つ目の黒丸のところに年次有給休暇の取得促進に向けた取り組みがあります。こちらは4月から法律が改正されるということもにらんでAとBありますが、職場における取得状況を把握し労働者が全員偏りなく年次有給休暇が取得できるよう取得5日未満者をなくす取り組みを行う、ここに559件、さらには計画付与の導入などの方策について労使間での協議を行うというところに435件で、こちらは今年新たに設問として増やしたところになりますが、ここのところに非常に多くの取り組みが見られるという状況になっています。
 集計についての私からの報告は以上です。

質疑応答[1]
Q.(時事通信・タカハシ氏)

 時事通信のタカハシです。よろしくお願いします。会長の冒頭のあいさつの中でもおっしゃられた事について、もう少し掘り下げて伺えればと思いますが、春闘のところでいよいよ来週の集中回答日に向けて交渉大詰めの段階だと思いますが、去年と比べて交渉情勢の認識で厳しいという感触なのかということと、もし厳しいようであれば、例えば先ほど米中のお話などもおっしゃいましたが、どの辺りで特に厳しさということがあるのかということを改めてもう少し掘り下げて伺えればと思います。

A.(会長)

 多分気になるところは、実際に回答水準がどうかということだと思います。それは当然のこと、私どもとしても大いに気になるところではありますが、そこに直接結びつく形で何かその去年と今年と比べて状況がいいとか厳しいとか、そういう性格で捉えられるということはないかなと思いました。少し回りくどい言い方で申し訳ないですが、要素を見ると個々には様々あるとは思います。冒頭にも申し上げましたが、また今もご指摘あった米中の状況などは、確かにどういうことでいくのかとか、あるいはトランプ大統領もいろいろ思いつきでもおっしゃる方なので、そのことが本当にどういう影響をもたらすかというのがなかなか分かりにくいところあります。日本に対しても何か発言をまた直近でもいろいろしているという事もあるので、そういうことを含めて当然世界経済の動きというのは日本経済ともかなり関わってくると思います。ただ交渉の中で絶対水準という事をしっかりと見るべきだとか、あるいはここ数年私どもが言っているサプライチェーンの中で付加価値を適正配分していくなど、表現は様々ありますが経営側も少なからずそういったものの考え方について受け止め感も出てきていますので、そういうプラスの交渉状況というものもありますし、最初に申し上げたように一概には言えない中で、まあなんとか成果の引き出しに結びつけていきたいという状況だと思っています。

質疑応答[2]
Q.(読売新聞・ヨシダ氏)

 読売新聞のヨシダと申します。毎月勤労統計の質問はこれまでも何回もあったと思いますが、実際に交渉がヤマ場を迎えて、情勢認識を労使でする中で、実際にこれまで出てきた毎月勤労統計の実質賃金のデータというのはどう関わってきているのかというところを、意見としてはけしからんというのはあると思いますが、具体的な例が出てきているのかどうかを伺いたい。

A.(会長)

 交渉状況は、来週以降です。私どもが手にすることのできる回答には、何か直接的な影響をもたらすということはないだろうと思います。特に私どもとしてはここ数年底上げだということを言ってきています。そもそも春闘は社会的な波及効果をもって意味のあることですから、例えば総理がたびたび言及された連合集計や、厚生労働省、経団連の集計というのは、特に厚生労働省、経団連のものというのは大手に限定されています。連合は、傘下の中小の組織も含めてということですが、世の中全体の7割の方々が中小企業で働いていますので、そういった賃金実態がどうかということで言えば、その毎月勤労統計のような本来しっかりした統計に実際どうだったのかというところを反映することがないといけないわけです。そういう意味では、ここ数年の元々のところも問題はもちろん大きいですが、今国会でずっと野党が追求しているここ数年の結果としての昨年がどうだったのかということについては疑惑の中ですから、極めて遺憾です。そういうことを含めて言えば、これを機会に徹底的に立て直していただきたいと思いますし、私は連合として取り組んでいることが確実に広がり持ってきていると思っていますので、そのことがきちんと検証できるように、国の務めとしてきちんと立て直してもらいたいと思います。

Q.(読売新聞・ヨシダ氏)

 実際に実質賃金が少し高めに出ていたということになった場合、組合側は交渉する際に不利になりえるのかなという気はしますが、その点はいかがでしょうか。

A.(会長)

 実際に連合の中の組織が労使交渉をやっている段においては、そのことで左右されるというふうに私は全く思いません。ただ繰り返しになってしまいますが、私ども運動として社会全体にどう広げていくか、私は確実に広がりを見せてきていると思っているだけに、数字は本当微細な変化ですから、それが何か取り方によってかなり違うというのがまったく困った問題だと思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・タキザワ氏)

 朝日新聞のタキザワです。3点伺います。順番に伺っていきたいと思います。まず神津会長が冒頭に絶対水準の方針というのを各単組、特に中小は見据えているのではないかというご挨拶でしたが、そういった絶対水準を重視する方針が広がっているかどうかというのは個別賃金方式での要求をした単組がどの程度増えているのかというところで、データとしては判断されているのかなと思いますが、今回のこの途中経過ですが前年と比べてそこまで増えてない、むしろちょっと減っているという印象もありますので、このあたりはまずどう捉えていらっしゃいますでしょうか。

A.(会長)

 補足があったら冨田さんからお願いしたいと思いますが、おっしゃった要素も1つだと思います。ただ、こう言ってはなんですけど個別賃金要求というのは相当、制度面でそういったことを意識した形が作られてないといけないし、それが労使で共有するということは基盤として成り立っていることが必要なので、一足飛びにそういうところは難しい部分があるのだろうと思います。私のザクッとした印象として持っているのが、絶対水準を意識するからこそ何とかキャッチアップしていかないといけないということの表れが、要求額が上に向いているということのつながりに他ならないと思っているので、そこが一番大きいということです。

A.(冨田総合労働局長)

 私の方から1点補足をさせていただきたいと思います。今のご質問の中で絶対水準を比較する際には要求方式として個別賃金を比較するのではないかというふうなご質問をいただきました。水準を比較した要求をする際には私どもが説明してきた例示を申し上げていましたが、平均賃金の平均をこの平均からこの平均に引き上げるという目指すべき水準を引き上げる方式と、今おっしゃられたようなある特定の個別の銘柄を指定してその銘柄と銘柄の比較において水準を比較するやり方と、実は両方とも賃金水準を意識した取り組みの表れになりますので、一概にどちらかが増えたどちらかが減ったで、その取り組みの濃淡を図ることはまずは難しいということを一言申し上げておきたいと思います。その上で、今回先ほど申し上げましたとおり中小組合においては、非常に大手に左右されずとも自らの賃金水準を意識し、引き上げの幅で見たときに幅の大きな要求を立てている現状もありますので、恐らくそうしたところへの意識の表れではないかというふうに受け止めています。具体的に構成組織の皆さんからのご報告の中でもこれまでは上げ幅のみで要求していたところが、産別として個別の水準を打ち出して目指すべき水準の取り組みをスタートしたとか、より個別賃金要求できるように賃金の実態調査について全単組の調査を今年からスタートしたというようなところの報告も聞いておりますので、足がかりと申し上げたその裾野のまずは土台作りについては意識を持った取り組みをしていただいていると思っています。

Q.(朝日新聞・タキザワ氏)

 関連ですが、2問目は賃上げの世間相場についてですが、昨年厚生労働省が実施した賃上げに関する実態調査というのがあります。いわゆる賃上げした企業に対してどんな点を重視しましたかというのを聞いている調査ですが、そこで世間相場というのを重視したのは5%にとどまっていて、40年前と比べると激減しています。それで、半数以上は企業の業績が個別の業績を重視したというふうになっていて、こうした企業側の姿勢とかの実態というのは今年の連合方針で、上げ幅だけじゃなくて各企業の絶対水準を目指すという点に合致しているようにも見えますが、神津会長どのように感じていらっしゃいますか。

A.(会長)

 その2つが何かリンクがあるとは、私は感じていません。経団連の経労委報告の中でも、要するに賃金だけではなくていろんなものがあります。それと一方で働き方改革という大変大きなテーマが労使ともにあるわけですから、そういう中で賃金を取り上げた時に横並びだというふうには言いたくないという事は、経営側としてはあるだろうと思うし、また事実としてもインフレで物価が上がっていた時代に成熟した春闘という仕組みがあり、その頃は横並びと言いますか、横並び、横にらみ、ほとんど100%そういうことだと思います。したがって、その時とは経営の方も考えなければいけないことがいろいろ多岐に亘っているという事は事実だと思います。ただ、その時に実際に回答は、第一のヤマ場ということに向かってやっている時には、最後に横を気にしないということで成り立つかというと、そこはそうはならないと思います。それと賃金は、どうしても1つの企業活動としての大事な条件ですから、特に我々からするといくらでも安くしてコストの切り下げ競争みたいなところに入っていくととんでもない話になりますので、実際に産業自体もむしろ雇用や採用力を毀損するとか、業界自体としても果たしてそれでいいのかという視点もあるだろうと思います。そこはその数字の変化ほどには、交渉に影響を与えるということではないと思います。

質疑応答[4]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 労働ジャーナル・シカタです。2点ほどお聞きします。先ほどの質問と重複しますが、絶対額という前は個別賃金です。個人別賃金でもなければ平均賃金でもなくて、だから各組合とも銘柄を30歳とか35歳とか職種とかで決めて、一生懸命やっているわけです。今年の場合、連合が足がかりという形で、言ってみれば上げ幅ではなくて水準とか絶対額でいこうというあたりは、個別賃金がどれぐらい増えているかというのは1つのメルクマールになるわけです。それから見れば第1回集計は、去年と比べてA方式であれB方式であれ組合数が減っているというのは問題です。これは足がかりになるかどうか評価に関わる問題ですから、平均賃金で比較する場合には労務構成が全然違うわけです。年寄りが多いところは高く出るし、若いところは低く出るというあたりは、絶対額という場合は35歳で決めていくのは原則で、ここのところは個別賃金できっちり見ていくことで、これは減少していくというあたりは率直に見たほうがいいのではないかというのが第1点です。
 第2点は、平均方式でベアが出ていない、要するに賃金改善額が出ていないのですが、これはぜひ明らかにしてもらいたいと思います。これまでも連合の場合は要求とか回答の時に賃金改善額が出て、賃金改善額のところで中小が大手を上回って、これは率ですが、上回って中小が奮闘しているという効果が出てきているわけですから、ここの賃金改善額の数字はぜひ明らかにしてもらいたいと思いますし、これは春闘評価で実質賃金に関わる中身になるわけですから、もし分かればぜひ明らかにしてください。

A.(会長)

 2点目は冨田さんの方からお願いしていいですか。
 1点目ですが、個別賃金という事を重視しているのはご承知の通りなので、その事は常に言い続けているわけです。ただ先ほど申し上げたようになかなか一朝一夕にいかないということも事実で、まだ今の段階で昨年との対比では、多分顔ぶれが一緒じゃないと思いますので、そこはおっしゃられたように私どもとしては謙虚に分析した上でまたお話ができればと思います。

A.(冨田総合労働局長)

 ご意見いただきましてありがとうございました。回答集計の時には明確に賃上げがわかる組合については回答額についてこれまでもお示しをしてきましたので、要求額の取り扱いについてご意見をいただいたということですので検討して参りたいと思います。

質疑応答[5]
Q.(産経新聞・ヒロイケ氏)

 産経新聞のヒロイケです。お願いします。政治の話題ですが、大阪のダブル選挙についてお伺いします。大阪都構想をめぐって大阪府知事と市長が辞職して入れ替えダブル選挙が行われる見通しになっています。党利党略という批判が多いですが、神津会長のご所感を伺いたいというのが1点と、またこのダブル選への対応について、前回は維新対反維新というような構図で旧民主党も含めて自民党推薦の候補を支援しましたが、今回対抗馬擁立のあり方について何かお考えあればお願いします。

A.(会長)

 おっしゃられたようにかなり批判が広がっていると思います。私は、そういう批判のコメントを目にして、まあ当然じゃないかなというふうに思います。何のためにやるのかまったくよく分かりません。大阪都構想の是非ということですが、一旦結論出ている話ですから、私ども連合大阪中心にこの都構想についてはまったく反対だということで、当時も投票に関わる取り組みは連合本部としても支えてきた経緯があります。それは、府知事と市長を取り替えるのですか、まったく意味がよく分からないなと思います。したがってこれはそれぞれ政党がどういう判断をするかは、まだそこが完結しているわけじゃないので、ただそういう批判をしているところというのが基本的にまとまっていくということではないかというふうに、見通しを私としては持っています。

質疑応答[6]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ファクタのミヤジマです。冨田さんに伺います。1つは、非正規のこの組合数は倍以上に増えていて、これはなんか理由があるのかということと、あまり人数は増えていませんが、UAゼンセンで流通関係とかが加入したのか、ということについて教えて下さい。裾野が広がったという中身で非正規の方です。
 神津さんに伺いたいことは、「Actin!36」というか36協定というのは、この日は非常にタイムリーだし昨日も国民民主党の玉木さんもそれを非常にアピールされていましたが、明らかに36協定無法地帯みたいな業種があって、私が思うのはやはり巨大病院の中には現場が200以上あっても労働組合が1つもないというところもありますし、36協定がゼロみたいなところが現実にありますが、昨日もおっしゃっていました医療ですとか、この36協定無法地帯みたいな違法地帯を、何かやっていかないとこの日自体が世の中にアピールしないのではないかと私は思っていますが、どうしてこれをアピールしていくのかということを含めて、お話を伺いたいです。

A.(冨田総合労働局長)

 私の方にいただいた質問ですが、すみません、今私の手元に明細表を持ってきていないので、具体的に昨年から今年にかけて人数規模が増えたところについては今この場で精査ができないので、後ほどご回答させていただきたいと思います。

A.(会長)

 「Actin!36」との関係で、昨日もお尋ねいただいたようにやはり医療で、とりわけ昨日コメントさせていただいたのは医師です。これは昨日の冒頭でも申し上げたように結局今までそこのところに光が当たっていなかったということで、そもそも例外扱いをしていなかったというのもまったく現実と極めて乖離した、これこそ建前と本音のダブルスタンダードで流してきてしまったということです。日本の社会の悪しき常識を反映しているところだと思います。おっしゃられたように私は最終的には、そういうところにしっかりと労働組合があって、お医者さんはその1つの働く者、労働者の累計であることは間違いないと思います。然るべく同じ問題意識を共有する中で使用者側と対峙をしていく、それで、きちんとした話し合いでもって問題を解決していく、そういう仕組みが本来必要なのだと思います。ただこれもなかなか一足飛びにできるかどうかは、現実を見ればそういう状況にはありませんので、まずはその方々の命を守らなきゃいけないというのが私たちの使命だと思いますし、検討会を何回か開催しています。私どもはそもそも5年後にこういう水準では、地方の医師について提示されている内容がとんでもない中身ですから、こんな内容では絶対だめだという姿勢ですし、おっしゃるようにそのことをしっかりとアピールしていかなければいけません。今度いつ検討会を開催するのか、日程設定を私自身は承知していませんが、厚生労働省の前でアピール行動するとか、当然やっていかなければいけないと思っていますので、そのことも含めてぜひ注目していただきたいと思います。

質疑応答[7]
Q.(朝日新聞・テラモト氏)

 朝日新聞のテラモトです。神津会長に2点伺いたいと思います。国民民主党と自由党の政策合意について、先週の金曜に両党が合意しました。国民民主党の基本政策を自由党が丸呑みするような形での合意で、原発政策に関しては両党温度差があると、かねがね指摘されていましたが合意に至りました。小沢代表は記者団に対して再稼働について、厳しい条件が付いているので結局再稼働はできないと解釈したと述べられました。この政策合意について受け止めを伺いたいのがまず1点、2点目は今後のスケジュール感についてです。政策合意を受けて両党党内手続きに入っているようですが、その期限、統一地方選までという声もあればもっと早く例えば3月14日の党パーティ、3月18日に小沢さんが沖縄に衆院補選の応援入りされると、ここまでだと言ういろいろな声が出ています。神津会長としては、もし仮に政党合流するならばいつまでがいいという考えがあれば教えていただければと思います。

A.(会長)

 まず1点目ですが、こういった場で何度かこれまでも申し上げてきていますが、エネルギーの政策の問題です。どうしても、野党の中の小さな違いが目立ってしまうのが、これは残念なことだなと思っていて、要するに政権与党の考え方と野党とはまず大きく違うということがあります。原子力エネルギーは基本的には使い続けるというのが政権与党で、しかし使い続けると言っている割には、その原子力発電所をここから先どうするのかとか、新増設についての考え方もよく分かりませんので、一方でもともと持っている最終処分場もどうするかとか、あるいは今の状況の中で廃炉技術をしっかり確保しなきゃいけないし、技術者をどうやって確保するかとか、これはもう国策としてしっかり持たなければいけなので、その点が非常に心もとないということだと思っています。そういった政権与党の今持っていることと、野党はどうこう言っても民主党政権時代に福島の事故を経て、大変な議論をして考え方を1つ持った、言ってみればそこから派生しているものだというふうに私は思っていますので、そこの小さな違いについて私の立場としてどうだこうだというつもりは全然ありません。私は電力総連なり、関連する産別もだいたいは私が今申し上げたような感じを連合の一員としては持っていると思っていて、何かといえば、電力総連なり関連産別が取り上げられていますが、そういうことではなく、それは政治の場できちんと議論して、まとめられることはきちんとまとめてもらったらいいという、そういう性格のものだと思っています。連合なり関連産別としての考え方については別にどうだこうだということで政治の状況でどうこう動くという事ではないので、そこはそっとしておいていただきたいなというのが実感としてもあります。それから、国民民主党と自由党と、そういう政策合意が図られているということですが、政策の問題だけじゃないと思いますので、過去の経緯も含めて本当にその両党の全ての方々がそういう気持ちがきちっとなじむということが必要と思います。それとそのことがその後にどういう好影響をもたらすか、何につながっていくのかということが必要ですから、そのことは十分見極められるべきだと思いますので、そのことがかえって棄損するような拙速なことは避けるべきだろうというふうにも思います。いつまでにというのは、私としてはそういうイメージは持っていません。

質疑応答[8]
Q.(連合通信・ダイモン氏)

 連合通信・ダイモンです。また最賃のことで恐縮ですが、本日自民党の最賃議連の第2回会合がありまして、そこで厚労省の担当官が外国人労働力の受け入れ業種について全国適用の特定最賃を新設する方向で、労使で取りまとめをしたいという旨の発言がありました。すでに経団連の方には話があって、いい感触を得ているというお話がありましたが、連合の方にそういう話があるのかないのか、またそういう全国適用の特定最賃というのは今はもう効力を無くしているわけで、最賃の起死回生策にもなるのではないかというふうにも思われるのですが、そのあたりについてお考えありましたらお聞かせください。

A.(会長)

 私自身は、報道で目にした以上のことは無くて、ただ冨田総合局長のところが最低賃金も担当していて、これはしかるべくところの筋に確認をしましたが、報道されているような形で厚生労働省が省として引き取って取り組んでいるという事ではどうもないようです。その場にいた課長さんが、これは報道されている内容もそういうコメントがあったようですが、頭の体操として関係業種との対応ということも考えられるのではないかみたいな話をされたようなので、実際にそういうアクションをとるということで厚生労働省としては考えを持っているということではないと聞きました。さらに今のお話だと経団連に働きかけていい感触っていうのも、本当かなという感じもするし、もし本当であればそれはありがたい話だなと思いますが、ご承知のように三者構成で物事を決めていくっていうことですから、私どもの思いはそもそもランク分けでむしろ格差が広がってしまうようなこれまでの構造がいかがなものかなという問題意識をかねてから持っています。それから特定最賃というのは非常に大事なものであると思っていますので、経団連ということになると経労委報告で特定最賃いらないと言っていますから、にわかには信じがたい話だなというふうに思います。

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