年頭記者会見 2021年1月

 

連合記者会見

年頭記者会見

神津会長、逢見会長代行、相原事務局長(2021年1月5日)

連合記者会見全文
神津会長

 明けましておめでとうございます。ご多用中のところお越しをいただいたことに感謝を申し上げておきたいと思います。年頭ということで少し私のほうから若干の時間いただき、お話をさせていただきたいと思います。
 年末年始は皆さん方仕事柄なかなか普段も、通常の時でも落ち着かない年末年始なのかなと推察もいたしますが、今年の年末年始はいつにも増していろんなことがあった年末年始だったのではないかと思います。緊急事態宣言が、直近の報道ベースでは7日に決定をされて8日から適用されるというふうにもお聞きをするところです。連合として、これはこの間昨年のコロナ禍において、まあいってみれば政労使として認識を合わせながら、この非常事態において対応してきたということだと思っています。ご承知のように西村大臣をはじめ関係大臣と、それから経済団体と連合と、基本的に場の設定も含めて、申し上げたように認識を合わせてから対応してきておりますので、今回のこの緊急事態宣言についても内容をしっかりと確認をしながら、連合としての役割を果たしていくということはまず大前提として申し上げておきたいというふうに思います。その上でですが、やはり懸念をしていたことがいまだに解決されていないということは率直にいわざるを得ないというふうに思います。PCR検査が、普通に受けることができて、症状に応じて医療の体制が万全を期すということをずっと主張してきたわけです。要請もしてきたわけですが、残念ながらそういうことになっていなかったということが、やはり再び緊急事態宣言を出さざるを得ないということにつながっているといわざるを得ないと思います。ただ、足元地域によって医療崩壊寸前というところの事情がありますので、これはまた落ち着いた段階で、そういうことの体制をしっかりと築いていくということにせざるを得ない。今はとにかくこの場をどうしのいでいくのかということにならざるを得ないということだと思います。緊急対応はしっかりとやっていく必要がありますし、私たちの立場からいえば生活の不安、雇用の不安、ここにしっかりと緊急対応としての一段と施策を講じて対応していく、これが必要だということを改めて申し上げておきたいと思います。聞くところでは昨年の4月の緊急事態宣言とはまた異なった、その以降に得られた知見も踏まえて、少し絞り込んだところでということの話を聞いておりますが、飲食関係はもとより、どうしても人流が再びかなり活動水準を低下させるということになってくれば、影響を被る業種業態あるいは働き方の問題で、多様な働き方、有期雇用であるとか、あるいは派遣の形態、短時間就労、そういった方々のところに影響がどうしても色濃く出てくるということも踏まえた対応を求めていかなければならないと思います。そういった緊急対策は、それはそれとしてやっていかなければなりませんが、根本的なところの不安の解消がないと、いつまで経っても同じことを繰り返すのではないのかと。あるいは新型コロナウイルスだからこのぐらいで済んでいるということなのかもしれません。いつそういうまた別の感染症が我々を襲ってくるかというのは全くわかりませんが、さらに厳しい感染症がやってきた時に、このような基盤ではとても耐えられないのではないのかいうことを強く感じざるを得ません。やはり医療の問題のそうですし、生活保障、雇用の問題、ベーシックなところでの枠組みをきちんとこの際作っていくことに向かっていかないと、やはり日本の社会というのは厳しいのではないのかなということをいわざるを得ないと思います。雇用の問題でいえば、やはり生活保障とそれから教育、スキルアップ、それと再就職支援、このマッチングをパッケージにした、そういったセーフティーネットの形を作る、そのことに向かっていかなければ根本的な不安の解消にはならないということを改めて申し上げておきたいと思います。いずれにしてもそういった政策の実現ということに向かって、連合としては、今年は総選挙が間違いなくどこかのタイミングではありますので、新しい立憲民主党との間で切り結んだところの、命と暮らしを守るニューノーマルの実現に向けてしっかりと汗をかいていきたいというふうに思います。
 あと一言だけ付け加えますと、年末、本当に青天の霹靂、痛恨の極みでありましたが、羽田雄一郎立憲民主党参議院幹事長が、本当に残念なことに新型コロナウイルスで急逝をされました。この新しい塊ができたということですが、まだこれは発展途上ということの中で本当に融和ということに人一倍心を砕いておられた羽田さん、改めてご冥福を祈りたいと思いますし、私は彼が本来であればこれから果たしたであろう役割を、残された議員政治家の方々がその思いをしっかりとつないでいただきたいということを改めて感じておりますし、皆さん方にも機会を捉えてそのことは申し上げていきたいなというふうに思っています。私のほうから長くなりましたが冒頭の一言とさせていただきます。よろしくお願い致します。

逢見会長代行

 改めまして本年もよろしくお願い致します。
 連合が加盟していますOECD-TUAC、OECDの労組諮問会議がありまして、毎年6月と12月に総会を開きますが、去年は6月、12月とも、本部がパリにあるということもあってリモートでの会議になりました。12月の総会ではそれぞれの国の労働組合がポストコロナの時代に向かってどういうふうに取り組んでいくかという状況の報告と、あわせて国際協調の中でポストコロナをどう克服し、新たな社会をどう構築するかということの確認をしました。そこでキーワードとして Build back better という言葉が確認されました。これはただ単に回復するということではなくて、より良いものにしていくという意味であります。連合も、単なる回復ではなくて新たなものを構築していくという考え方を出しました。それと軌を一にするものだと思います。まだまだコロナ感染の拡大が止まらない状況ですが、新たなポストコロナの時代に向けたシステム作りということに取り組んでいきたいと思っております。以上です。

相原事務局長

 明けましておめでとうございます。よろしくお願い致します。
 昨年は未知のウイルスの克服への挑戦を続けてきた1年となりましたが、連合運動においても新しい運動様式、行動様式をどのように備えるかということについて模索を続けてきた1年ということで、あっという間に過ぎ去った1年だったなというふうに思います。神津会長からあったとおり、雇用不安、そして生活不安、そしてさらには感染に対する不安も国民心理の中に色濃く年明けから広がっているという現状かというふうに思います。連合として新しい運動様式をさらに追求していくこととあわせて、働く人たちから、そして生活する人たちからの期待を集められるような運動に、模索を一歩脱して、さらにチャレンジしていくという点に力点を置いてこの1年進めていくことができればと思っております。過去と未来のその結節点を、この2021年に確かに作り込むことができるかどうか、連合としてもその一翼を担いたいと、このように考えております。以上です。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。神津会長が触れていらっしゃる話の中で、改めてもう少し、緊急事態宣言が出るということで今後の雇用の情勢についてと、業種も含めての見通しや影響についてどういうふうにご覧になっているのか、もう少し教えてください。
 それと2点目が、新宿で行われた相談会に神津会長が2日いらっしゃったというふうに聞いていますが、なかなか珍しいことだと思います。つまり組織決定をしていないのに会長がああいう場所にいらっしゃるというのは。これはどういうお気持ちからなのかというのをちょっとお聞かせ願えますか。以上2点お願いします。

A.(会長)

 順不同で後の方からお答え申し上げると、珍しいことというか、これはたまたまではありますが、例のリーマンショックの時に年越し派遣村、あの時は日比谷公園で開設されて、あの時もこれは奇しくも同じ2日だったようですが当時の髙木会長が現地を訪れたということがあったと伝え聞いています。今回、当時の経緯は詳しくは実は私も承知はしないのですが、あの時も特に機関決定があってどうこうということではなかっただろうと思います。今回の、年末に話が持ち上がってきて、労働弁護団の棗弁護士が中心になって、ああいったことを始められたということでありますので、これは私どもとしてもそれはもう中央執行委員会が終わった後の話ですので、そういった機関確認を行うようなそういった場面設定はなかったということでありますので、私も最初は行く予定にはしていませんでしたが棗弁護士から、ぜひ様子を見に来てほしい、激励してほしいということもあって、棗さんとはこれまで深い付き合いをしていますし、ご承知のように反ベルコ闘争などを含めて日頃から大変お世話になっていますので、それは他ならぬ棗さんからの話なので、それだったら行ってみようというそういう流れで行かせてもらいました。あの2日の午前中だけでしたが、ただそこでいろんな方とも会話ができて、やはりそういう有志でやっていることの意味合いというのは非常に大きいなと、実際に延べ3日間で相談対応した方というのは300数十人ということですが、そういう形で急遽設けられた場であるにも関わらずそれだけの方が来られてて、私が目にしたその2日の午前中でも待ってる人がずっと絶えなかったということです。年越し派遣村の時とまた違うのは、相談をされた方の2割近くが女性であったということで、総数も、あるいはその今申し上げた2割近くが女性というのも、おそらくは氷山の一角だと思うんです。こういう場があるということを知り得た方、あるいはそれをそこに対して能動的に動いた方がたまたまその人数であったということですから、まだまだ1人で悩みを抱えている方々というのがこの世の中に相当数いらっしゃるというふうに思いますし、そして気づきを持ってもらうということのそういった取り組みがいかに大事なものがあるのかという事です。私は、今日この後のリモートでの新年交歓会の挨拶でもこういういい方をしようと思っていますが、そういうその福祉団体であるとかNPOであるとかそういう共助を、やっている方々の善意だとか力にすがっていて何とか世の中、回っているというふうにはいえないかもしれませんが、なんかその方々の力があって何とか持ちこたえているのか、みたいな感じを改めて強く実感として持ったということです。
 それから1点目のところですが、少し先ほど申し上げたことの繰り返しにもなりますが、今のところ伝わってきている緊急事態宣言の内容というのは、少し絞り込んだ形ですからどうしても飲食の関係の方々、ですからここはしっかりと休業補償してもらう必要があると思いますが、ただ休業補償といっても本当の意味でカバーし得るのかということはなかなか内容を聞いてみないと分からないなと思います。それと実際には、人の動きというのがまたこれでどうしても低下すると思いますので、そういうことによって人流を担っている分野、あるいはイベントの関係も、これまた無観客というようなことを含めて、逆戻りということが避けられないとすると、そういった方々にどうやってその補償といいますかカバーができるのだろうかということを考えると、これは雇用不安、生活不安は、決してその解消されていなかったのにまた逆戻りで不安が高まるということは大いに懸念せざるを得ないと思っています。したがって本来は税制のところで給付付き税額控除であるとか、そういった形でベーシックなところでのカバーをしないと、問題は根本的なところで解決されないのではないのかなというふうに思います。国会は当面のところの対策をまずやっていかなければいけないでしょうが、その先にそういったしっかりとした根本機能、社会のあり方を含めてのところの議論をぜひやっていただきたいなと、いうふうに思っています。

質疑応答[2]
Q.(読売新聞・アマノ氏)

 読売新聞のアマノといいます。よろしくお願い致します。神津会長にお伺いします。新型インフルの特措法の改正で政府が今の罰則を付けることを検討しています。この対応を巡っては野党内でも立憲民主党と国民民主党でスタンスが異なるのかなと思っていますが、会長として罰則を付けることをどのようにお考えか教えていただけますでしょうか。

A.(会長)

 ご指摘があったような形でその2つの党の間で大きく見解が異なるということなのかどうかということについては、よくよくこれからの議論状況を聞いてみないとわからないなというふうに思います。それで、罰則ということについては、私たちの感覚でいえば、順番としてはその休業補償、ここのところがきちんとその当該の方々が納得できるようなものにならないといきなりペナルティといわれても釈然としないっていうことではないかと思います。ですから一般的な国民感情としても、まずそこのところが抑えられるのかどうかという事ですし、単に罰則といっても本当の意味でどの程度のことを課せられるのかということもよく見極めていかないといけないと思いますので、いずれにしても有権者の代表である国会議員の方々がしっかりと意を尽くしていただきたいなと思います。1つの国難をどうやって乗り越えるのかということですから、政権与党も野党のいい分をよくよくしっかりと聞いて1つにまとまった形で、願わくば全会一致で物事が決まるということがベストなのではないのかなというふうに思います。

質疑応答[3]
Q.(産経新聞・ハラカワ氏)

 産経新聞のハラカワと申します。神津会長にお伺いします。よろしくお願いします。先ほどの冒頭のお話の中でも今年は衆議院選挙が間違いなくどこかであるというお話がありましたけれども、この立憲民主党および国民民主党との政策協定は、これは今どういうふうになっていて、どのようなタイムスケジュールで、まだ結んでいないとすればいつ頃までに結ぶお考えなのかというのをまず伺いたいと思います。
 もう1つがですね、これはこれまでの記者会見でも何度も質問に出ていますが、その次期衆議院選挙では共産党がその野党連合政権への合意というのを立憲民主党などに呼びかけていて、その合意ができればそれだけその選挙協力も深くなるというような趣旨の説明を共産党はされていますが、この共産党が加わった連合政権については考えられないということはこれまでも述べられているところではありますが、選挙区調整で、候補者を共産党一本化するところも出てくると思うんですが、そういうところ、この共産党の候補に選挙区の候補に連合として組織として、ここは立憲民主党がいない国民民主党がいないから共産党に入れましょうと呼びかけることというのはあるのでしょうか。この2つをお願いします。

A.(会長)

 2つとも今までこういった場で申し上げていることと基本的に全く変わりありません。したがって少し繰り返しになるところはご容赦いただきながらですが、政策協定については、衆議院の場合解散があって総選挙ということになりますので、今までの例に鑑みてもそれがもういよいよこれはもう間違いないといった段階で政策協定を結んでいるというのが習わしですから、今年のどこかで政策協定を結ぶということに向かっていきたいと思いますし、選挙区調整この2党の間で、調整がかなり進んできたとは思いますが、まだすべて整っているわけでもありませんので、そういったことを含めて2つの党の力を合わせの状況も見据えながら協定を結んでいくということになろうかと思います。
 それから2点目ですが、まず今の共産党の姿といいますか、端的にいうと民主主義の原理原則を共産党という党が、そういった原則に貫かれているのだろうかということについて率直にいって疑問を持っていますので、まあそこが変わっていけば、またこれは大きい歴史の流れの中でも、またそれは1つ見直さなければいけないということなのかもしれませんが、そういった兆しは全く見えませんから、私ども共産党との関係というのは歴史を背負っていますので応援するということはまずありえないということですし、これもこの場でも申し上げてきていることですが野党連合政権というのは、やはりめざす国家像が違う以上、これもありえないだろうと。ありえないというのは別に私らがそんなものはダメとかいう以前に、普通に考えてそんなものは成立するはずがないというふうに思います。ただ、あの政権与党を利するようなことでいいのかというのはそれぞれの党としてあるでしょうから、そのことが候補の一本化ということにつながるということはこれまでも事例として大いにありますし、それが政治の世界の方々がどう判断していくのかということだろうというふうに、そこは見ています。

質疑応答[4]
Q.(NHK・ヨネヅ氏)

 NHKヨネヅです。神津会長にお伺いいたします。先ほどの政策協定のお話に関連することがまず1点ありまして、2党の力合わせの状況を見定めながら今後その締結について検討されるというお話でしたが、2党の力合わせというのが具体的にどういうことなのか。まあ選挙区の調整の話、まだ調整しきれてない部分ありますがそういったことなのか、それとも今月始まる通常国会での会派のあり方ですとか、それも含めた国会運営における連携というところなのか、その点お考えを伺いたいです。会派の話であればその点、改めてその同じ会派ということを求めていらっしゃるのかその点も確認させてください。
 2点目は、東京五輪についてですが、菅総理が昨日の会見で感染対策を万全なものにし実現する決意のもと準備を進めると発言をされて、今日二階幹事長もそうした実現に向けて努力をすることが当然だという趣旨の発言をされています。神津会長としてはこの昨今の経済状況を踏まえて、あと五輪が開催されることで助かる業種というのもあるかと思うんですが、その辺りも踏まえて開催についてどのようにお考えでしょうか。開催すべきか否か、どういう方法で開催するとかお考えがありましたお願いします。

A.(会長)

 力合わせということについては、おっしゃられたように1つにはその選挙区調整です。それで、それはまだ100%終わっていませんので、これはまあ足元こんな状況ですから、とても解散なんて出来ないだろうというふうには思いますが、まあこればかりは分かりませんので速やかに調整が整うということを望みたいと思います。それからこれもお話あったように国会での活動です。これは会派云々以前に、とりわけ連合として求めているようなことにおいて2つの党がしっかりと力を合わせていただきたい。あまり小さな違いを目立たせて喜ぶのは、それは自民党、政権与党しか無いのではないのかなと思いますので、そこのところはしっかりと力合わせしてもらいたいと思いますし、ということであれば普通に考えて会派も共にするということがあってしかるべきではないかなと思いますが、これは当事者の方々がどういう判断をするのかということなのだろうと思います。それと、少し被りますけど、昨年、合流新党が立ち上がる過程において、軌を一にする形で私ども政策論議を当時の立憲民主党と当時の国民民主党とさせてもらいました。それが、命と暮らしを守るニューノーマルという、先ほど冒頭述べたようなベーシックなところの、社会の枠組みを根本的に作り変えなきゃダメだという、そういうその政策の認識を共有したわけです。そのことにおいて力を合わせてもらいたいというふうに思います。合流新党の生成過程において、新しい立憲民主党がそこのところを引き継いだという流れでありましたので、そういうことになっていますが、しかしそこに力を合わせる個々の政治家の皆さん方にもう少しここのところの認識を掘り下げていただいてです。国会議論の中でも、折に触れ命と暮らしを守るニューノーマル、そこに向かっての議論を、力を合わせて進めてもらいたいというところです。
 それから2点目のオリンピック、パラリンピックですが、連合は連合東京中心にパラリンピックの観客席を埋めようということを、東京オリンピック・パラリンピックが決まった段階からもうずっとそれをめざしてやってきています。したがって、本来はやはりこの感染が収まって、あるいは感染対策が万全に行うことができて、整斉とオリンピック・パラリンピックが開催されることを望みます。ただこれご承知のように日本だけでやるわけではありませんから、世界が、今申し上げたように感染を抑え込んだとか、あるいは感染リスクを抑え込むそれが万全の態勢でできるということにならないと実現しないこともこれは冷厳な事実ですから、ここはどこかのタイミングでしっかりと見極めて、あとは少し個人的な希望みたいなことになりますが、この1年延期されて、それでも頑張ろうということでやってきているアスリートの方々のことを考えると、最後はたとえ無観客でもできないものなのかなということは強く感じます。以上です。

質疑応答[5]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ファクタのミヤジマです。今年は神津会長6年間の総決算、選挙もあると。余すところ1年弱、これだけはやりたい、これだけはと思うようなものがあったら伺いたい。あわせて、今の雇用環境を思えば、次にトップになる人はやはり労働界の総意としてやっぱり真価を問われると思うんですが、政府と調整型がいいのが闘う人がいいのか、どのような方に引き継ぎたいというか後事を託したいというか、そういうことも含めて一応年初なので伺いたいです。

A.(会長)

 これは少し重複するところにもなりますが、その社会基盤のところの枠組みを変えていかないとこの国はやっていけないと思います。そこにどうつなげていくのか、だと思っています。選挙結果が、どうだこうだというのもそこに強く影響するからこそ我々はこだわるということだと思っていますので、いや何をいってるのかというと、数が少しというか、数がこれだけ増えてよかったねとか、あるいはそうでもなかったねとか、そういうことに一喜一憂するということよりも、その政策議論がもう少しその有権者全体に意識がされるようなことにしなければいけない、というふうに思っていますので、それは投票率が年々低下するようなこんなことではなくて、そこは有権者の方々が、我々が率先して有権者の代表として、政治がいかに大事なものであって、選挙というのはこういう意味を持つのだということ、そのことにおいて私たちとしてもっと発信力を強化して力を上げていきたい、というふうに思います。実際に、この連合の体制をどういうふうに構築していくのかというのは、別にこれ言い訳がましくいうわけではないですが、役員推せん委員会でもって議論されますので、そこにどういう人物像が求められるかということになってきます。ただ私の立場では役員推せん委員会に対しては、今申し上げたようなこと、あるいは30周年ということでビジョンを策定しました。そのことだとかいろんな組織機構について少し改革を加えていこうということで、我々としては方向性を決めていますのでそのことをしっかり担っていくということが、これは少し気が早いですが、連合の第17期の体制にも求められるということではないかと、そういったことを、問われた時には役員推せん委員会に対しても申し上げると、いうことだと思っています。

質疑応答[6]
Q.(日本経済新聞・マツイ氏)

 日本経済新聞のマツイです。神津会長にお伺いしたいんですけれども、去年の年末までに全トヨタ労連さんがベアの統一要求を見送るということが報道されていまして、近く正式決定されるのではないかという状況なんですが、もともと統一要求いうその枠組み自体が実情に合わなくなっているんじゃないかというところがあって、なおかつ今回のコロナ禍で業種間とか企業間の業績格差というのが広がる中で、労組の上位団体というのが旗を上げて、競争力のある企業というのがその交渉を主導するというそのパターンセッター方式とか、そういったものを含めてすべてその限界というのは見えてきてるんじゃないのかなというふうにも思うんですけれども、その辺のことについて会長はどういうふうに評価されますか。

A.(会長)

 ご承知のように、いわゆる世の中でいう春季生活闘争の営みは1955年にはじまって紆余曲折経ながら、それから相当昔に春季生活闘争終焉論みたいなこともいわれたりしてきましたが、まあしかし今日に至っても、1つの定時にイベントといいますか営みとしてきています。で、ご指摘のようなばらつきといいますか、この長い歴史の中では折々そういったことはあります。だけどその我々はじゃあなんでこのいろんな形での統一、特に最近私たちが力を込めているのは水準です。この20年来の格差拡大が、要するに水準ということにおいて本来賃上げというのはあって当たり前だということが置き去りにされたことの悪影響が、はっきりしています。したがって、私たちはそこにより重点を置きながら、共に連帯して闘っていこうということですので、その性(さが)は、私たちにとってはもうこれは永遠のものでありますのでそこを変えることはありえない。ただその時その時において、どこに重点を置いていくのかということについては、それぞれの産業別組織なり単組においての事情がありますので、そのことはお互いに幅を認め合いながら共に手を携えていこうということだと思っています。私たちは特に自分の連合というその中だけに目を向けていては、それは、これはもういわゆる春季生活闘争として非常に不十分な取り組みだと思います。日本全体にどうやってこの賃上げの流れというものを作っていけるのかということが問われているので、そのことをどうやってしっかりと打ち込んでいくか、世の中に打ち込んでいくのかということが最大のテーマではないのかなというふうに思っています。

質疑応答[7]
Q.(NHK・ヤママス氏)

 NHKのヤママスです。今年もよろしくお願いします。今の質問に関連しますが、春季生活闘争が控える中での宣言という形になったわけですが、すでにもう失業者もおよそ8万人ということになっております、コロナに伴うということですけども。今後さらに賃金、賃下げですとか解雇とかっていうものも見通せる中で、連合としてどういう役割を果たしていくか、今その賃金、賃上げの流れを作っていくのが最大のテーマとおっしゃいましたけれども、こういう情勢の中で連合としてどういう役割を果たしていきたいかと、そこの点ちょっと教えていただきたいと思います。

A.(会長)

 冒頭にも申し上げましたが、問題なのは不安が解消されていない、いやこれ足元の状況からするとむしろ高まってしまうということが最大の問題だと思っていまして、したがって雇用の不安、生活の不安です。この20年間、デフレ的な状況の中で雇用も厳しい、賃金も日本全体で見ると下がってきてしまう。したがって、私はだから日本全体で見た時には雇用と賃金、賃上げというのはこれ二律背反ということではないんだと。両方ともどんどんダメになってきたものを両方とも反転させなければいけないと、いうことだと思っていまして、したがってこれは昨年のコロナ一色だったんですが、私たちとしてはこれを両方ともしっかりとしたものにさせていかなければいけない、ということでずっと考え続けて実践につなげてきたということですので、むしろこういう時だからこそ賃上げの流れを閉ざしてはいけないということだと思います。ここで、賃上げもできませんということになると、これはデフレをなんとか脱却しようとしていたことが、もう今までのこの数年来の取り組みは、ほとんど水の泡みたいなことになってここから抜け出すことはできない、雇用不安、賃金の不安、生活不安、そういった深いところに沈み込んだままになってしまう恐れを持っていると思いますので、ここはですから改めて政労使でそこのところの認識合わせをしっかりとしながら、この春に向かっていく必要があるというふうに思っています。

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