記者会見 2020年1月

 

連合記者会見

1月定例記者会見

神津会長・相原事務局長・石田副事務局長・冨田総合政策推進局長(2020年1月23日)

連合記者会見全文
神津会長

 昨日も春季生活闘争に関わるところの記者会見ありましたので連日お越しいただいている方々も多いと思います。ありがとうございます。 今日、春季生活闘争との関わりを先に申し上げるならば、中央闘争委員会第2回目を中央執行委員会の後に開催をしています。経営労働政策特別委員会(経労委)報告に対する見解含めて昨日はかなりいろいろな話もしましたので重複はできるだけ避けて申しますと、すべての働く者のための春季生活闘争、働く者すべてのためということを標榜しているところであります。そういった中で、今日の中央闘争委員会の確認事項の中には2月3日に予定をしております「2020春季生活闘争・闘争開始宣言2.3中央総決起集会です。これも従来とはまた違った要素を加味をしてまさにすべての働く者という概念を世の中にさらにアピールをしていきたいといった取り組みとしておりますので、そこについてはまた一層注目いただければありがたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから、政治課題です。今日直接の議案はありませんが、状況感については口頭で報告もしてきたところであります。立憲民主党と国民民主党との間のいわゆる合流についての協議です。これについてはすでに報道もされています。またこれも報道していただいている通りですが、昨日両党の幹事長がお見えになりまして、これまでの状況と、一方で国会が開会した中での取り扱いについてのご報告を受けているところです。またこの間、両代表からも電話連絡で私のほうにもご連絡をいただいております。状況については、私なりの表現で言えば一旦立ち止まるということではないのかなと思います。これまでの協議内容をすべて白紙に戻すということでもない中で、国会も始まっていますので、共同会派の取り組みはさらに一層強化をしながら今後に向けてということだと思います。それぞれの代表から連絡いただいた際にも、私どもとしてこの間一貫して申し述べていること、すなわち二大政党的運営ということについては私たちも望んでいることではあるということとともに、ただこの取り組みがバラバラ感ガタガタ感を招来するようなことになってはならないと、お互いの立場を尊重して丁寧に進めていただきたいということを言ってきているところでありまして、このことの姿勢は当然のことながら変わることなく、お二人にはそれぞれに粘り強く取り組んでいただきたいということも申し上げたところであります。先ほど申し上げたように、国会の中で力合わせはむしろより深めていただきたいと思いますし、また私どもも今日の議案の中にもありますこの国会においていろいろと要望したいところありますので、そういった政策の実現ということについてはより結びつきを強めていきたいというふうに考えています。そして総選挙というのはいつあるかわからないということでありますので、まだ空白区が非常に多く残っていますし、また一部ではバッティングしているところもあるということですから、そういったところの調整はむしろここは速やかに進めていただくということが肝要だというふうに思っています。
 今日の議案、非常に大事な内容が多くあると思っていますし、私のほうから個々には触れませんが、2月3日の集会などもそうです。これまでにないような新機軸を打ち出す内容もかなりありますので、ぜひ注目いただきたいと思います。運動の持っている力、潜在的な力をもっと表に出していこう、世の中に発信していこうということの中身だと思っています。以上申し述べまして私のほうからとさせていただきます。よろしくお願い致します。

相原事務局長

 第4回中央執行委員会、第2回中央闘争委員会を開催しております。黄色の本冊子の議事次第にもありますとおり、【重点分野-1】連合アクションの具体的取り組みということで<その2>を提起致しました。確認をいただいております。ご案内のとおり「クラシノソコアゲ」ということでここ数年取り組んでまいりましたが、もう1回連合の運動として全体を包含し多くの方たちに労働を基軸としたより良い社会づくりに向けたアクションを、1回見直して進めていこうということで再構成をさせていただいたところです。および通常国会における法案対応もそれぞれ進めていきたいと思いますが、院内集会なども開催しながら取り組みを進めていきます。【重点分野-2】の関係では連合プラットフォームということで、中小企業政策、地域政策、一体的な取り組みに向けて各地域に連合プラットフォームを設定し、その中で多くの皆さんが参加する形の運動を展開していきたいと、このように思っております。ハラスメント根絶に向けた連合の取り組みのガイドラインも本日案として提起をさせていただき確認をいただきました。ベルコ闘争の支援緊急集会、資料の3-1確認事項および若者協議会との意見交換など多面的な取り組みを引き続き進めてまいりますし、核兵器廃絶の1000万署名なども十分に展開していきたいと、このように思います。神津会長が冒頭触れられております2月3日の中央総決起集会、本日お手元のページの一番後ろ、資料ナンバー4-1に関してということで、後ほどの中央闘争委員会の説明の中でも触れさせていただきたいと、このように思っております。私のほうから以上です。

冨田総合政策推進局長

 それでは、私のほうから本日の中央闘争委員会の確認事項について触れさせていただければと思います。緑の合紙めくっていただいたところに確認事項案がございます。Ⅰ.では最近の特徴的な動きということで冒頭の神津会長のご挨拶にありましたが、2020年度版の経労委報告に対する連合見解について改めて内容をご確認いただいたところになります。Ⅱ.以降は当面の闘い方ということで、構成組織組合の対応それから部門別共闘連絡会議、地方連合会などの対応について確認を行いました。Ⅱ.2ページのところの4.のところに社会対話の促進がございまして、経団連との懇談会を1月28日に、それから様々な取引関係の実現に向けては厚生労働省、公正取引委員会、中小企業庁などへの要請行動を2月中に実施する予定としてございます。それから今ほどもありましたが2月3日に「2020春季生活闘争・闘争開始宣言2.3中央総決起集会」を開催する予定としてございます。この資料の4ページをご覧いただきますと今年の中央総決起集会についての概略を載せさせていただいております。Ⅱ.にありますが「連合アクション~みんなの春闘~」を看板に2.3の中央総決起集会で闘争開始を宣言してまいりたいというふうに思います。今年はⅢ.の集会の位置づけにもありますが、2会場で開催をしたいというふうに思います。よみうりホール会場のほうでは組織の結集ということで従来型の集会を行いますが、連合本部のほうにも会場を設置しまして様々な皆様方と一緒にトークセッションなどを進めながらその内容をよみうりホール会場のほうとつなぐという形での同時中継で連合組織内だけではなくすべての働く皆さんにとっての春闘であるということを内外にアピールをさせていただきたいというふうに思います。今日お見えのマスコミの皆さま方には両方の取材をお願いもさせていただきたいというふうに思っておりますので積極的なご参加をぜひよろしくお願いをしたいと思います。それから本冊の方はⅢ.に当面の日程も記載をしておりますのであわせてご確認をいただいたということをご報告申し上げたいと思います。私からは以上です。

質疑応答[1]
Q.(時事通信社・オオツカ氏)

 時事通信社のオオツカです。プラットフォームの件についてお伺いしたいのですが、まずプラットフォームの設置が去年12月から3月までということで、もう47地方連合会で3月までに全部設置してしまうのかという確認です。それとも順次ということになるのか、それが1点と、次の絵を見るとまあ幅広い、産学官金労言、この加盟する人というのは何かプラットフォームというのを組織として、それに明確に例えば何々が入ったっていう形なのか、それとも特に決めずにその時々でいろんな方々に参加していただいてというか、つまり構成員・構成組織みたいなものになるのか、そうではないのか、そういった考え方について教えてください。あと具体的に何をやるかということについて何か考えがあればということで教えてください。長くなってすみません、最後にこの決起集会のところで、全然違う話で、決起集会を分けてやる、なぜ分けてやるのか今一つよく分からないのでその辺もう少し説明をお願いします。

A.(会長)

 足らざる点は、もしあれば補ってもらえればと思いますが、プラットフォームについてはゾーンとしてはそういう設定をしていますが、これまで「地域フォーラム」というのを基本的には単発でやって来ていますが、既に開催を何度もしてきているところもあれば、実はまだ1回もできてないというところがあります。これまでの実績があるところは割と早くできると思いますが、そうでないところは、一応3月と区切っています。もう少し時間がかかるところも多分出てくるだろうと思います。そして2点目にありましたように、それぞれの地方連合会というのは実績も、あるいは状況感も様々だと思いますので、必ずしも一律的にいくかどうかは分かりません。単発でやってきたことをせっかくの中身なので、もう少し定常的に、そういう意識を普段からお互いにそれぞれ産官学金労言が持てるようにしようということなので、そこは定常的なメンバー構成みたいなことが考え方としては望ましいということで進めていくということになると思います。具体的にどういうことをやるのかというのは、これは地方連合会の状況に応じてということになると思いますが、1つはフォーラムということでやれてきたことは実績としてありますので、そこでお互いに披歴した問題意識、そこの重なる部分というのをもう少し膨らましていくというようなこともあると思います。なんといってもそれぞれの地域で、これも本当に中央地方の格差が開いてしまったというのは格差拡大の1つの大きな要素ですから、それをどうやって反転させていくかということは共通するところだと思います。その中でしっかりと雇用が地域において確保されて、若い人たちを含めてそこでしっかりと定着していくということはまず間違いなく1つの大きなテーマになるだろうと思っています。
 それから、2月3日の「2020春季生活闘争・闘争開始宣言2.3中央総決起集会」ですが、まずは我々のこの方針をどうやって実現していくんだということにおいて、実際に交渉をするというそういう組織を持っている立場の人たちが、意思結集をし、大いに雰囲気を盛り上げていこうということでこれはこれで1つ、これまで通りにやっていくということがあります。そこで、そういう組織を持っておられない方々にどうやって波及していくかということですが、1つの集会にいきなり入っていただくということよりも、むしろそういう方々に今後もっとスポットを当てた形というものをまた1つ加えていくということなので、まずはこういう形でやっていく中で今後どういうふうに展開していけるのかということについては、いろんなことを考えていきたいと思いますが、スタートの段階でそういう趣旨はそれぞれありますので、そのことはしっかりと際立たせていきながら、世の中にどうやって広がり持っていけるかというのは従来のインフレ前提の春闘とは違うので、こういった模索をしていかなければいけないなということで、こういう建て付けにしたいと思っています。

質疑応答[2]
Q.(毎日新聞・ハマナカ氏)

 毎日新聞のハマナカです。政治関連で2点あります。今回の両党の協議ですが、見え方によってはやはり会長がいつも危惧されているバラバラ感ガタガタ感があったというように見えるとも思うのですが、会長はどう見ておられるかというのが1点目で、もう1点は両党の今後の協議についてですが、今回の協議の成り行き見た上で、選挙が近づいてきたらすんなりまとまるのではないかという見方もあれば、やっぱり今回のことを見てもなかなか難しいのではないかという意見と両方あると思いますが、会長はどう見ておられますか。

A.(会長)

 2点目のところは、どう見てるかと言われても、予想をするみたいな話とは、特に我々の立場からするとそういう訳にもいかなので、冒頭申し述べた我々としての見方だし、ぜひそういうことに則って話が進められるものであれば進めていただきたいなとは思います。
 それから1点目のところですが、まあ確かにいろいろ伝わってきたところを含めてずいぶんいろんな議論があったことは事実だと思います。ただ、いろいろと議論があるということ自体は、それはそれで党の中でお互いにいろいろ言いたいことがあるのを、自由に言い合うということは大事なことだと思います。かつて民主党政権が瓦解して以降の問題というのは、議論して決めたことを守らないみたいな、せっかく決めたのになんかバラバラになってしまうみたいなことの、まあ1つの政党文化と言いますか、これは与党の取り分け自民党との文化の違いというのは際立ってましたので、今回のところはいろいろあったにしても1つのことを決めたということだと、そこはそう理解してます。むしろそういう意味での政党文化をどうやって育んでいくかということで見守っていきたいなというふうに思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。2点あります。1つが国会対応の中に出てくる労働基準法の改正のところで、賃金請求権の消滅時効のところで、賛成となっていますが、おそらく労働側とすると原則5年だというのが主張だったと思うので、これは何か国会で付帯決議のようなものを求めていかれるような形で何か考えていらっしゃるのかというのが1つと、2点目が少し細かいことですが、去年の11月の末に東京高裁であった、いわゆるマタニティーハラスメントの事件の判決ですが、マタハラかどうかというのは別にして、録音を理由にする雇い止めの有効と、それから記者会見が名誉毀損とされたということで、運動側、労働者側にとって非常にマイナスの影響というのが懸念されていますが、この点について何か連合としての見解はありませんか。

A.(会長)

 まず国会でのその法案、労働基準法の関わりです。これはご承知のように労働に関わる内容というのは労働政策審議会で三者構成です。途中経過いろいろ議論があっても最後はこうやって1つにまとめたということなので、したがって基本的には法案は成立してもらいたいということだと思っています。それで、これもご承知の通り審議会における議論過程としては、要するに今までの民法とそれから労働法との関係がなくなっている訳ですから、民法が変わるのであればそれに合わせて変えるべきだというのは基本的に今でも、私たちの考え方です。さはさりながら使用者側そして公益が間に入っての議論過程でこういうことになったということなので、5年後の見直し措置も含めてそこは理解をしていかなければいけないということだと思います。実際にこれから法案の審議がどういうふうに進んでいくかということの関係を見ながら、おっしゃったように、必要があればそういった付帯決議と言うのでしょうか、そういったことも、審議の状況に見定めながら、審議会でこうやって議論してきたことがどこまで反映されるかということを見定めながら対応を取っていきたいと思います。
 2点目の東京高裁の判決の内容です。語学教室の会社のジャパンビジネスラボは、一言で言って、いま指摘あった録音についてあってはいけないことだとか、会見で主張したことが名誉棄損という、この2点ご指摘がありましたが、いずれもとんでもない話だと思います。こんなことがまかり通ったら労働者の権利を清々と主張することに対してそれを否定するような話ですので、何でこんな判決になったかというふうに全く理解できませんし、これ今最高裁のところで持ち上がってる話ですので、ぜひこういう労働者の基本的な権利を侵害するような結論は、これはもうひっくり返してもらいたいというのが私どもとしての切なる思いであります。

質疑応答[4]
Q.(東京新聞・イケオ氏)

 東京新聞のイケオです。春闘に関してお伺いしたいのですが、今年の春闘は非常に経営側のほうの態度が変わってきていると思います。1つには、日本型雇用がもう変革を迎えていると、ジョブ型の雇用というのが必要になってきているのであって、ということを言っています。一律の賃上げというのはもう時代遅れなんだということを言っていますが、確かに経営側が言っている人々の成果に応じた賃金配分をしないといろいろな革新的な取り組みが出て来にくいというのは、ある程度の説得力はあると思います。それから業種別で、あるいは企業別で非常に格差が開いてるというのもその通りだと思います。そういう中でどういう形でこの横並びの賃上げを正当化していくのかと、そこの点をお伺いします。

A.(会長)

 いろいろ言われていること自体がどこのところを指して、何を言っているのかさっぱり分からないというのが、一言で言えば印象です。制度のこととか、あるいは賃金交渉の実態とか、どこまで分かった上でそういうコメントになるのかということです。いろんなことの要素をごちゃ混ぜにしているような気がしてならないです。あとは何となくイメージっぽいようなものの言い方ではないのかなという気がしていて、したがって経団連をはじめ世の中に数多くいらっしゃる経営者の皆さん方がそういうメッセージというのをどういうふうに受け止めるのかなと思います。それで、心配なのは悪用するということが出てこないかなというのが、私どもの立場からすると1つの懸念材料です。例えば「一律的な賃上げではなくて」ということですが、昨日もそういうことを申し上げました。例えば5,000円定期昇給で3,000円ベースアップします。みたいな時に、定期昇給にしても、3,000円のベースアップにしても個々人にみんなノベタンで5,000円が入ったり、3,000円が入るということではない訳です。だから一律的な賃上げではないと、どっかの企業はもうノベタンでやってたのかなと、そういう錯覚を起こさせます。それは企業によってノベタンでやるというところがあるかも知れません。それはそれで別に労使で話し合って、そうすることがいいということであればそれでいいんですが、みんな労使でお互いに集団的労使関係の中でどういう制度がいいのか、そのことに対してどういう処遇体系がいいのか、ということを綿密に話し合って決めている訳ですから、そういうことの中のどのことを指して言ってるのかということは皆目わからないというのが私の実感です。ですから、経労委報告に対する見解の中でそこのところを文字面で丁寧に表現を今回出していると思っていますので、そこで言っていることが率直な見解として今のところ全てだということです。そもそも足りないのは、20年間これだけ格差を開かせてしまって、そのことを謙虚に反省をして、その上で、大企業の理屈だけではありませんので、大企業の理屈だけでずっと来てしまったのがこの20年間の格差を生んでいるとすれば、そこに対してそうじゃないところにどうやって光を当てていくのかということがやはり今最も大事な、必要なメッセージではないかなと思います。

質疑応答[5]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 労働ジャーナルのシカタです。経労委報告について2点お聞きします。横並びの集団的交渉を実態は経労委報告にもありますので、報告に無い点でお聞きしたいのが、2つあります。1つは要求段階で、一律ベアは無いというのはこれまでもありました。経労委報告を見てもベアだけで6種類出しています。定率、定額とか、評価とか中高年とか、要するに一律ベアでないというのは2、3年前から出していることですが、今年はじめて要求段階で一律の要求は良くないと踏み込んでいると思います。組合の場合は交渉して、交渉の結果5段階評価で査定があって上がる人、下がる人がいる訳です。その結果を、要求段階で要求するのはけしからんというところまで踏み込むというのは、少し踏み込み過ぎではないかと思っています。個々人をバラバラに格差要求をさせて、労働者を競わせて、そんなことを組合に要求しろというのは、要するに要求段階で一律良くないということですから、こういう提起について、これは組合の団結の根幹に関わることではないかという気がするわけですが、そのあたりここまで踏み込んだことについての見解をお聞きしたいということ。2点目は、連合が今回出したのは分配構造の転換です。それにも関わることなのですが、労働分配率の低下で日本の場合はもう景気が良くても悪くても労働分配率が低下という傾向です。今年の経労委報告では、労働分配率というのは付加価値の中の中身で、要するに付加価値の中では経営の取り分とか税金とかある訳ですが、労働側の人件費、その中身を変えろということです。それで、付加価値の中の人件費の中には賃上げと福利厚生だとか一時金も入ります。それに加えて働き方改革の経費とか、それから教育訓練、今IT関係で経営側が非常に教育訓練を大事にしてる訳ですが、組合のほうもその手の関心ある訳です。教育訓練費まで人件費に入れろというあたりで、言ってみればこれまで3項目の人件費を総額労働条件改善のもとに入れようとしてる訳です。組合の中にも賃上げと総合労働条件を合算していこうという動きもあります。分配構造の強化に関わって付加価値の中の人件費をそんな形で歪めていいのかということがあり、これは由々しき問題ということで、労働組合なんかにも合算しようという動きもありますので、そのあたりについて見解を聞きしたいと思います。

A.(会長)

 1点目はやや繰り返しになるところもあるかもしれませんが、シカタさんだったら分かっていただけると思いますが、これらのコメントというのは賃金制度のことをあまり扱ったことのない人のコメントじゃないかなというふうに私は思います。だから経営のトップ層は若い時に人事労務を経験したとか、あるいは労働組合役員の経験のある人であれば、多分こんなことにはならないのかなと、こんなふうに思います。要するに制度があって、労使間でそういうものはきちんと確認している訳ですから、要求するということは別にノベタンで配分しろなんて要求をしてる訳ではない訳です。制度に則って賃上げを要求するということであり、かつ、これはベースアップということで得られた回答結果を改めてどうやって配分するのという配分交渉があるという、そういうやり方をしているところも多々あると聞いていますので、本来そういうものなので、だから要求段階でなんか一律でないものというのは、まったく訳の分からない内容ではないかなというふうに思います。
 2点目のところは、分配構造を転換していこうということとも関わる話だと思いますが、私は労働分配率というのは結局どれだけその付加価値が実現したかということによって、実際にこう賃上げがどれだけできているかということよりも、企業はどれだけ儲けているのかということによってもずいぶん左右されます。ですからそこも例えば大手と中小のところの違いというか歪みというのはあると思います。中小企業の中で一生懸命賃上げをやってくれているところというのは、収益が大企業みたいに多く出てる訳でもないのにやってくれてるところは当然分配率が高い訳です。だから日本全体で見ると、どうかということで言うと我々からするとまだまだ全然足りないということの中で、しかしそもそも取引慣行の問題なども含めて、どうも得られる富が大企業に偏っているのではないのかということも含めて言えば、分配率ということも含めて分配構造の歪みを転換をしていくということではないかなと思います。

質疑応答[6]
Q.(共同通信・ナカタ氏)

 共同通信のナカタです。立憲民主党と国民民主党の合流について伺います。昨日、立憲民主党の枝野代表は記者団のぶら下がりに、今回一旦合流が見送られたことに関しまして、残念だというふうにおっしゃっています。神津会長は今回の一旦見送りとなったことについて率直にどう思われるかというのが1点と、今日社民党の又市党首は立憲民主党と合流協議が今月の29日にも党内の意見集約をする予定がずれ込んだというお話を記者会見でされました。立憲民主党と合流協議していて、全体の合流協議に関しましてスケジュールの遅れですとか、はたまたもしかしたら合流自体が見送られるかもしれないというような流れにもなりつつあると見られます。その野党合流全体への影響と言いますか、今回の見送りがどのような影響を及ぼすかということに関する見解を伺いたいのですが、以上2点お願いします。

A.(会長)

 私自身はまだ現在進行形の話だと思っていますので、したがって今の断面で残念だとか、良かったとか、そういう価値判断的なコメントは差し控えておきたいなと思います。先程、申し上げたように私はむしろ粘り強く取り組んでもらいたいというふうに思っています。先程申し上げた3項目を前提にして粘り強くやっていただきたいなというふうに思いますし、それは社民党を含めて1つの大きな塊ということに到達するのであれば、それは望ましいことではないのかなというふうには思っています。

質疑応答[7]
Q.(朝日新聞・ヨシダ氏)

 朝日新聞のヨシダと申します。春闘について伺わせてください。こちらにも書いてある通り、経団連側の経労委報告で春闘が主導してきた業種横並びによる集団的交渉は実態が合わなくなっているというふうな、これはもう春闘そのものを否定しているような発言にも見えますが、私見で構わないのでなぜ経営側がこういうことを主張しなければいけない状態になっているのかということを教えていただきたいです。

A.(会長)

 こう言っては身も蓋もないかも知れないですが、経営側が何で主張しているかということなので経営側に聞いてもらったほうがいいかなとは思います。しかしながら、心配なのは合成の誤謬に陥らないかなということです。昔ほど使われなくなった言葉かもしれませんが、部分部分で物事を組み立ててしまうと大事なところがどんと抜けてしまうということにならないかなというふうに思います。ですから、確かに置かれている状況というのは産業ごとにも、またその中の企業ごとにもぴったり一緒じゃないと思います。ぴったり一緒じゃないから、それは話し合いの中身も様々かもしれません。月例賃金というのは社会性を持っているものなので、僕らからするとどっかが抜け駆けしてディスカウントして安くできるのならしてしまおうなんていうことは困ります。それは競争条件ということからしても公正さを失うということになるので、それはもう当然のこととして経営側のほうでも分かっておられる話のはずだということは申し上げておきたいと思います。それと、交渉というのは、何もそういう労働条件、金目の話含めてそこをどうするこうするという綱の引っ張り合いだけの話ではありません。産業の持っている課題をどうやって共有するのかということもある訳で、いろいろ経営側がおっしゃるのはいいですが経営側の皆さん方だって業界団体というものを持ってる訳ですから、それではもうそんな横並びなんか無しだと言ったら業界団体も解散されるのかなと思ったら別にそういう話を聞く訳でもありません。そこに固有の課題を労使で話し合って認識を深めて、ある意味共有できるところはそれはもし必要があれば行政に対しても足並み揃えていろんな主張をするということがある訳ですから、そういう中で労働条件の問題だということと全然関係ないという話ではないはずだということはあるだろうというふうに思っています。

質疑応答[8]
Q.(時事通信・コンドウ氏)

 時事通信のコンドウです。野党合流協議についてお伺いします。神津会長は今回の協議がうまくいかなかった理由についてどういった要因があるとお考えでしょうか。

A.(会長)

 繰り返しなってしまいますが、上手くいかなかったとは過去形というふうに思っていません。まだ現在進行形だと思っていますので、これは両党からも話がされているようですが、これまでの協議の内容を全て白紙に戻すということではないということだと思います。ただ国会開会したばかりで国会対策含めてむしろそこに注力していこうというのもこれも筋の通った話だと思いますから、そういう中で今後を見守っていきたいと思います。
 そもそも政党が一緒になるということはそんなに簡単な話だと思いませんので、元々私は昨年のこの場で、年内なんて話も一部に取り沙汰されているがそんなバタバタとやる話じゃないということは申し上げていましたし、したがって期限を区切るということ自体が、意味ありの区切り方でないといけないと思います。それは何も国会に臨むにあたって、話が折り合ってないにも関わらず1つの政党になるということは、私どもが懸念をしているバラバラ感ガタガタ感につながりかねないと思いますから、むしろこの間の状況というのはある意味納得的なことではないかなと思います。

質疑応答[9]
Q.(労働新聞社・ヒラノ氏)

 労働新聞のヒラノです。経団連の報告についてお伺いします。こちら日本型雇用システムの転換点の話で、かつての三種の神器の年功制とあと終身雇用というところはよくやり玉に挙がっていると思いますが、企業別組合というところは中々話が出てこないなというふうに思いますが、その点についてどのように考えていらっしゃるのか、もしお考えあればお聞かせいただければと思います。

A.(会長)

 企業別のところについて何か経団連が発言しているということではありません。日本の場合は企業別の労使関係というものがある意味主軸になっているということだと思います。これは私自身もそこに身を置いてきた人間ですから、その良いところというのは非常に私はあると思っています。ただ良いところがあるということは反面、長所と短所というのはだいたい表裏をなすものでありますから、それもあるだろうと思います。ヨーロッパの場合は産業別の成り立ちが主なので、これも一長一短だと思います。いろんな課題認識を共有できるという意味では、企業別というのは非常に優れた形だと思います。先ほどから出ているような話ともあるいは重なるかもしれませんが、産業別ということは、それはそれで大事です。産業で括っての課題がゼロだったらそんなものなくていいかもしれませんが、むしろ今日そういうところというのは、まあ確かに同じ産業の中でもいろいろ合従連衡もあったりするから、昔のように産業別というのとは少し性格は違うかもしれません。その中でまた業種の括りというのも非常に大事になっているかもしれませんが、それも含めてそれぞれ毎では解決のつかない、企業別の労使関係だけでは課題解決が進まない事柄というのが昔に比べてこれもずいぶんと多くなっていると思います。より深まっているということもあると思いますから、産業別の労使関係ということの重要性もまた高まっていて、だけど日本の場合はそのことを意識しながら企業別がどれだけ話をきちんと、産業別の視点も持ちながら深みを持っていけるかということが課題ではないのかなと思います。

質疑応答[10]
Q.(NHK・ナミキ氏)

 NHKのナミキと申します。話が戻って恐縮ですが、野党合流協議に関して今後の選挙における対応ですが、状況が変わっていないので従前と変わらないと思いますが、1つの政党の下でやはり選挙をやったほうが当然やりやすいことは多いかと思います。そのことに対する今の段階でのお考えと、また今後衆院選等々あるのであれば野党共闘なり選挙区調整というのは必要になってくるかなと思いますが、そういったところで政党に対しての連合の要望と言いますか、お考えというのはどういったところにあるかお尋ねしたいと思います。

A.(会長)

 まあ両方とも関わっている内容だと思うのでまとめて申し上げます。有権者にとってわかりやすい、その形姿を求めたいということだと思います。ですからその1つの政党というのも確かにそういう意味では分かりやすいということは事実ですが、ただ理念政策を置き去りにして1つの政党になったとすると、これはかえって分かりにくいということになりかねないので、そこがよく考えていく必要があると思います。一方手前のところで選挙ということで言えば、今の与党政権の状況については、また週刊文春で新しい話も出ているようですが、何これという話が日々出てきます。したがって、これだけ長く続くと劣化している、あるいはそのモヤモヤとしたことが全て置き去りになってしまいます。それでそのまま置き去りにして構わないみたいな感じになっています。これではいけないと思っている有権者というのは相当私はいると思います。そう思いますが受け皿がないということなので、私は1つの政党にならずとも、今のこの政治状況を変えるためには総選挙は小選挙区制ですから、バラバラのままで野党が乱立しても、これ有権者の思いに全く答えないということになりますので、そこはしっかりと話し合いをして1つに絞っていくということは、ある種有権者の期待に応える、そういう責任を果たすということではないかなというふうに思います。

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