記者会見 2019年10月

 

連合記者会見

10月定例記者会見

神津会長・相原事務局長(2019年10月24日)

連合記者会見全文
神津会長

 多数の方々にお集まりいただきましてありがとうございます。今日は、第1回中央執行委員会ということで、連合の定期大会以降はじめての中執でありました。 今日の議案の中で2つのことについて触れておきたいと思います。1つは、先日来の台風19号に関わるところの状況の集約と、それから連合としてやれることやるべきこと、具体的にどういう形で進めていくかという対応方向、考え方について確認をしたところです。冒頭、会全体で黙祷も捧げさせていただいたところですが、改めて亡くなられた方々に哀悼の意を表し、そして今回の災害、非常に長引くような様相を呈しています。被災されている方々に改めてお見舞いを申し上げておきたいと思います。連合としてやれることということで、カンパの集約、呼びかけを行っています。相原事務局長は先日秋葉原で、呼びかけをしましたが、私は今日この後、御茶ノ水駅頭で呼びかけをしたいと思っています。ボランティアは、福島については現地の行政からの強い要請もあるということで、連合福島としてボランティアの対応をしていこうということです。ついては、本部でボランティアの呼びかけを構成組織に募って編成をするということで、今月末から対応していくということを予定しています。それから長野は、東海ブロックの各県で対応していこうということであります。連合宮城、連合栃木は、それぞれ自分のところでボランティアの対応をしていこうということです。そして、先程申し上げたカンパは、主にそれぞれの都道府県行政を通じて被災者の手元に届くようにしていきたいということであります。連合本部としては、このような災害対応の為に積み立てている資金と、「連合・愛のカンパ」から、それぞれを地方連合会へ、この週末に相原事務局長が支援金として持っていく対応を今考えているところであります。そういった取り組みを今進めていることをご参照いただきたいと思います。災害に対しては、当面こういう形で連合としてやれることを、やるべきことに注力をしていきます。今日の中央執行委員会の中でも若干そういうことについて触れましたが、この間、国土強靭化ということで相当のお金をつぎ込んでハードの対応は取っているはずなのでしょうが、異常気象のせいだけに出来るのだろうかという思いが私自身はあります。この間、地域のコミュニティは、過疎化の中でどういう状況なのか、あるいはこれまで想定していなかったような地域に災害がおき、堤防の決壊などが起きたということを含めて、それに対する対応がどうだったのかということはよく検証していく必要があるのではないかと思います。かなり要員削減をやってきている中で、行政の対応としても本来持ってきていたはずの実力が毀損してるのではないかと思います。そういったところにも、しっかりと焦点を当てていく必要があるのではないかと思います。実際のところをしっかりと検証しながらということになりますから、連合としてある程度落ち着いた状況の中で政策対応も考えていく必要があるということを申し述べておきたいと思います。
今日の議案の中では、この時期非常に重要な議案として春季生活闘争の基本構想を、中央執行委員会として確認しました。この間いまの賃上げの流れというのは、2014年からはじまったということですが、取り分け「底上げ」が大事で、格差是正が必要だということで、デフレからどう脱却するかというのは、「春闘」の長い歴史の中でもある意味はじめてなものですから、放って置くとむしろ格差が開きかねないということで、2016年から「底上げ」ということを取り分け強調してここにまで至っているということです。今年、2019年においては、ご存知のように上げ幅のみならず絶対額にこだわりを持って進めていきたいという取り組みを展開してきたところです。中小が大手を上回るとか、あるいは非正規といわれる方々の賃金アップ率が正規のアップ率を上回るということはかなり定着をしてきたと思います。こだわりが連合の中ではある程度かたちを伴って成果として取ることが出来ていると思います。しかし、問題なのはこれが日本全体にどこまで波及しているのかということを考えますと、はなはだ心もとないというか、従来からの取り組みの延長線上だけでは中々社会全体のものになり得ないと、そういった危機感も思っています。改めてそういったことを基本において、この底上げであるとか、あるいは格差是正であるとか、底支えということの具体的な意味をこれまで以上に深掘りをして、その下でどういう目標設定をしていくのかという建て付けにしておるところでありまして、そういった思いをぜひ読み込んでいただきたいなと思います。具体的な数字については、すでにお手元にもお出しをしている通りでありますし、後程事務局長の方からもこの議案については触れてもらいたいと思います。私の方からは冒頭の発言は以上とさせていただきます。よろしくお願いします。

相原事務局長

 よろしくお願いします。第1回の中央執行委員会、黄色の表紙にあります通り、台風第19号災害に対する取り組みを確認し展開をさせていただいております。内容は、今神津会長からあった通りです。
 春季生活闘争の基本構想を確認致しました。11月6日の討論集会に向けて基本構想を提起出来ましたので、それを持ちまして討論集会でより中身を深めたいと、このように思っております。また例年の通り、マスコミの皆様にとってもオープンの形で進めていきたいと思いますのでよろしくお願い致したいと思います。
 連合フォーラムの関係ですが退会と新規参加がございまして、資料2-2、2-3でご覧いただく通り、全体として153名ということになっております。
 確認事項では、10月29日院内集会を開催しようということでセットアップを進めておりましたが、政策課題の進行状況さらには国会審議の状況を踏まえた上で、一旦延期させていただいて最適なタイミングをもう1回図ろうということで、今日確認をさせていただきました。資料3-3で、COP25に4名態勢で本年も対応いたしたいと思いますし、資料3-8では、ハラスメントの関係で省令指針案が、よろしくない形で提起がされておりまして、連合としても11月18日を定めて集会を行い世論喚起などなどに努めていきたいと、このように思っております。NPT再検討会議に向けた署名なども全力で対応しようということで再確認いたした次第です。
 春季生活闘争の関係が、これは別冊でお手元に入っております。内容については、ご確認いただければと思いますが、「はじめに」ということで3点、日本経済の自立的成長、その内需の拡大の必要性、賃上げの構造転換が進む上での社会全体の広がりの必要性、さらには分配構造の転換につながり得る2020年闘争の意義などについて、その再構築の前進をもう1回確認を致したところです。
 今日はパワーポイントの資料も付いておりますので、細部のところについてはご覧をいただければと思いますが、パワーポイントの資料でご覧いただくところの24ページ25ページ目以降が、連合の方針に関する要求基準の考え方ということでパワーポイントの資料を入れてございます。25ページの上のパワーポイントナンバー2は、先ほど神津会長からありました通り、底上げ、格差是正、底支えにつきまして連合としてのその定義をもう1回再設定し統一の共通感をもった上で進めていこうと、こういう事にしております。パワーポイントナンバー3は、全体の要求の組み立ての1つ目ということになります。底上げに向けた定期昇給相当分と引き上げ率の関係につきましては、定期昇給分2%、構成組織の底上げなどに寄与する観点として2%程度ということで設定をさせていただいております。ページ26、27に今回の春季生活闘争における全体としてのパッケージの記載があります。取り分け27ページの賃金指標のパッケージということでは、ただ今申し上げた底上げと格差是正、底支えに向けた具体的な根元からの高さについて提示をさせていただいておりまして、それぞれこれを全体観として取り組んでまいりたいと、このように思っております。私からは以上です。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。3点ありますが1つは春闘について、先ほど神津会長が格差是正などについてこれまで以上に深掘りしたものであると話されましたが、具体的に今日確認された基本構想は2019年と比べて、なんかこう書きぶりであるとか、あるいは順番とかそういうことでもいいですが、何が変わって、どう深堀りされた、どのへんに深掘りというのが現れてるのかというのを教えてください。
 それが1つと、それから賃金債権の消滅時効について、先日日本経済新聞が3年と政府が考えていると報道して、その真偽のほどは明らかではありませんが、それに反発するツイッターを神津会長がリツイートを盛んにされているので、これは連合として民法と同じ5年を引き続き強く要求していくと、そういう風に受け止めていいのかということを確認させてください。それが2点目。
 それから3点目、これは事務局長の方がいいかもしれませんが、給特法について先日閣議決定がされました。連合としての考え方は9月の中執で確認されていますが、1年単位の変形労働時間制について野党の議員からはかなり反対というか否定的な発言が相次ぎ、先日の院内集会でもそういった状況にありますが、今後連合としてこの今回閣議決定された給特法の改正案に対して何らかの修正なり、あるいは国会の状況を見ながら野党と連携して修正なり付帯決議なり何かを求めていくということを考えていらっしゃるのかどうか。以上3点お願いします。

A.(会長)

 1点目ですが、基本的に連合が持っている考え方というのは、堅持をしています。それ自体を何か大きく変えているということをしていません。というのは、格差がこの20年間すごく開いてしまい、これをどう埋めていくのかということが根底にありますので、そのこと自体は変わっていませんが、ただ、いかんせん世の中に持っていただいている「春闘」のイメージというのは、インフレの時代に出来たものですから、1つを要求額、要求のアップ率というのがあって、それがある程度労使交渉で答えが出て、そうするとそれが日本全体に展開されるという、かつてインフレを前提とした「春闘」の枠組みで物事を考えると中々そのデフレが続いてそこからどう脱却しようかという時に、先程申し上げたように組織の中では何とか盛り返すことが出来ていたとしても、それが社会全体のものに中々ならないというのがある種もどかしさも含めてありました。正直いってそれをどう社会に見せるのか、見ていただくのかということで、試行錯誤しているというのが率直なところだと思っています。先程、事務局長からもありましたし、私も少し触れましたが、今回改めて底上げだ、そして格差是正だ、底支えだといっている、その言葉をどういう性格付けを改めてしていって、そこに数値目標としての役割分担を、どのように持っていこうかとこういう整理をした訳です。ですから、どうしても2%だ、あるいは定期昇給相当分あわせて4%だ、そこの数字ももちろん必要なことなので提示はしますが、より強くその格差是正であるとか、あるいは底支え、世の中を見渡すと賃上とは実は先程申し上げた2014年以降というけど1回も出来てないところは沢山あると思います。それは往々にして労働組合のないところなので、「経営者の皆さん方はよく考えてください。この2014年以来1回も賃上げしてないというのは、あなたの企業は一体どういうことですか」ということを考えてもらいたいと思います。そういうことにつなげていくためにも、今回はそういう整理の仕方をしたと思っていますし、とりあえず基本構想ということですから、これまた討論集会で揉んで肉付けもして、方針ということにしていきますので、その過程も含めてどうやって今申し上げたようなことを含めてアピールしていくかということだと思っています。
 それから2点目の消滅時効ですが、一部報道で何か3年みたいなことが出ましましたが、どこからそんな話が出るのかなということだと思います。これは政策当局に連合事務局から確認しましたが、「そんな話はありません」と聞いていますので、どこからどういう意図で、中身が表現されているのかというのは非常にいぶかしく思います。だいたい元々民法において、不十分だからこそ1年じゃなくて2年ということにしたというのがそもそもの経過だと思いますので、その民放が5年になってそれよりも短い期間で、請求する権利は消えてしまうというのはどう考えても私はおかしいことだと思いますので、それは少なくとも民法がいっていることに合わせるべきだと思います。

A.(事務局長)

 給特法の関係ですが、サワジさんからご指摘いただいた1年変形の関係で、これは1つポイントになっていると認識しています。この教員の働き方については相当長く議論してきまして、2016年の勤務実態調査で、これは文科省実施ですが、学校の教員が平均80時間以上働いている割合が中学校で6割、小学校で3割と、過労死ラインを超えているというところからスタートしているのが実態です。その上で、私たちは本来あるべき姿とすれば給特法を抜本的に見直して、その上で労働基準法37条を適用して時間外には割増賃金を払うべきだと、これが原則的な考えじゃないかということを申し上げてきました。ただ一方で、先程申し上げた3000時間も働いているということからすると、それを全部残業時間に置き直し、手当てに置き直すと、9000億円が必要だというのも現実の実態として見えてきている訳です。したがって私たちが申し上げているところは、教員の業務の削減、さらには教員定数の改善、そして給特法の見直しと、これが3点セットということになっていまして、出てきている1年変形労働時間のところは今の勤務実態を考えた時に本当に適用可能なのかどうかというのは強い課題意識、懸念を持って今まで申し上げてきている点です。必ずしもそれは労働時間の縮減につながるものとはなり得ない方策じゃないのかということも申し上げてきているところであります。9月の連合の中央執行委員会の中でも基本の考え方を申し上げたように、多くのハードルを持って、法律で設定することは仮に進む状況になったとしても労使の段階で、もしくは職場の段階で様々な協議を行って一つ一つこれがクリア出来ているのかどうか、職場実態が導入出来る状況にあるのかどうか、ということが整理点検されるべきだと思います。取り分けタイムカードを持って時間管理出来ているところは現状でも4割に過ぎませんから、その段階で今の変形労働時間を導入するような土台が整っているかどうかということは大変危うい実態にあるということは申し上げていきたいと思うし、今後議論がはじまると思いますが、野党のみならず与野党に向けて連合としての考え方を提起もし、その中でどういうアクションにつなげるかは今後よく定めていきたいと思います。

質疑応答[2]
Q.(フリー・ミヤケ氏)

 フリーのミヤケユキコです。よろしくお願い致します。まず1点目、パワハラ防止法の指針案についてですが、これについて大変ですね労働関係者の方々からとんでもないことだと、よくよく読むとむしろパワハラを防止するというよりは範囲を広げて都合よく企業の側が使えるように見えるかのような文言ではないかということで、大変多くの方々がこの数日はいろいろなブログやコラム記事で反対意見を表明されています。このことについて会長のご意見をお伺いしたいと思います。
 もう1点最後です。大体いつもこの会見の数日前にブログを書かれているように感じていますが、そこには神津会長の思いがかなり強く書かれているように思います。その中にいわゆる連合に対しての報道への不満、不満といったら失礼ですが、思いも書かれておりますし、2017年に連載されていた週刊誌にその時にすでに「SNSを始めようかな」と書かれていました。しかしながら、なぜ2017年から2年間経って今年始められた、やはりそこには直接ご自分の言葉で訂正したい、ご自分の言葉で伝えたいという思いがあったのではないかなと想像します。その気持ちと、それからもう1点、そうであればもうこういう時代ですから連合チャンネルのようなものを作ってそこで組織内候補なり、そして連合の活動なり、いろいろなことを直接配信されて、映像でも配信されたらいかがかなと思いますが、このへんもお聞かせください。

A.(会長)

 まず1点目、ハラスメント対策に関わるところですが、今日の中執の報告の中でも多分ペーパーが皆さんのところにもあると思います。審議会の中での議論経過、それを見ていただければある意味一目瞭然だと思いますが、いま出された案ですか、それは極めて不十分だというのは連合側の委員が一貫して発言している通りです。そこでも述べているとおりですが、せっかく国会でしっかり審議して、付帯決議でいろいろいわれていることが実際に体現されてないということは由々しきことだと思います。国民の代表たる国会議員があれだけ真剣に議論して付帯をつけたということをしっかり受け止めて、そこは最終のところに落とし込んでもらわないと、何のための国会審議だったのかということになりますから、そこはしっかりしたものにしていかなければいけないと思います。どうしてもハラスメントは、グレーなところが出来がちだと思います。それをそのままにすると結局なんか形は作ったけど実際には進まないとか、あるいはむしろよく分からないということで、揉めごとが起きるということになりかねない訳ですから、私は使用者側においてもあまり変にそこにおかしなグレーゾーンを設けるということではなくて、明快なものにしていくべきではないかなと思います。
 それから2点目ですが、必ずしもこの会見の前段と意識している訳ではなくて、正直いってもっといろいろ発信したいのですが、そこはご容赦いただけるかと思います。中々時間が無いものですから、ブログを出した時はたまたま休日があったんだなと思っていただければいいのかなと思っています。フェイスブックは結構前からやっていますが、ただそれもあんまり発信はしていなくて「いいね」が中心です。ツイッターは、6月ぐらいからやっていますが、これも本当はもう少し気の利いた短い言葉での発信が出来ればいいのですが、中々そこは苦手なところもありまして、正直いって文章を書くのは嫌いではないものですから、いろいろ世の中が連合に対しての疑問というのが随分ありますので、それは少し時間が出来た時にはその疑問にはお答えしたいなということで出せる時には、ブログを出しているということが実態です。映像のところというのは少し考えていくべきとところではあるかもしれませんが、中々いま申し上げたような実態なので、すぐどうこうということには難しいのかもしれないなと思っています。

質疑応答[3]
Q.(時事通信社・オオツカ氏)

 時事通信社のオオツカです。沢山ありますが、最低賃金に絞って少しお伺いします。まずこの最低でも到達すべき水準として1100円というのを明記されましたが、これはいつまでにとか、来年の春闘で達成しようというものなのか、つまり現在のあらゆる都道府県の最低賃金を上回っていますし、県によってはかなり大きな開きがありますが、そのへんについての考え方を教えて欲しいのが1点。
 並びに、その1100円というこの1つの基準を出したということで、最低賃金を全国で一律にという動きがありますが、これまで連合は全国一律ということに関しては慎重な話をしてきた中で今後はどのような考えをしていくのか。それを教えて欲しいというのが2点目。
 もう1点最低賃金の絡みで、先程会長は従来の取り組みの延長線上では社会全体のものにはなり得ない、これはもちろん春闘とか労働側の動きのことだと思うのですが、一方で連合が参加している毎年夏の中央最低賃金審議会で、事実上この連合が参加する仕組みの中で、公労使の枠組みで最低賃金が決められる中でこの枠組みについてどう考えるか、この枠組みがだからこのまま続けていくべきなのか格差是正とかそういう観点で、そういった点についても考えがあれば、これはどちらに聞くのがいいのか分かりませんがよろしくお願いします。

A.(会長)

 まずですね1100円といっているところは、春季生活闘争の方針における考え方で、底支えということの中での表記なので、労使交渉、企業内最低賃金というところで少なくともこの水準は、という考え方です。そこは今オオツカさんがおっしゃられたところというのは、世の中の最低賃金の話が大層だったと思うので、そこで一旦区分けして見ていただければと思います。ただ春季生活闘争においても、底支えを実現していきたいということ、この基本構想の中にもそういった記述があったかと思います。2020年の中で到達させたいことは勿論ですが、先程申し上げたようにこの間全然賃上げ出来てないというところからするともの凄い飛びつき感があり、この1100円だけではなくて他の数字も含めてということです。大事なのは、ある程度の年、経験を経て、勤続17年とか、そういうところの人がこの水準は当然持っていないといけないという、この間日本の雇用社会の中で問題なのは、生活にお金が必要で、家庭を持って、というところの年代においても賃金が全然上がっていないのでないかというようなことだと思います。したがって、そういったポイントにおいても数字を出させていただいているということですから、いよいよもってそれは実態に比べるとかなり幅があるということもあると思います。しかし、一挙に到達出来ないとしても計画性を持って、そこに向かってもらいたいというのが今回のこの数字を提示していることの1つの大事なポイントだと思っています。
 それから世の中の最低賃金ということでいえば、これまでずっと結果的に格差が開いてしまうような構造になってしまっています。連合としても、本来県都道府県におけるこのような差というのはあってはいけないと思っています。本来それは、国によっては全国一律というところもありますから、本来そういう姿を目指していくべきではないかと思います。これもただ一挙にということは中々難しいでしょうから、連合としてランク分けということについても従来パターンでいいのかということは常にいい続けてきていますので、やっと20数年振りで、格差がほんの少しだけAランクとDランクとの間で1円だけ縮まったというのがありました。勿論まだまだ全く不十分ですが、そういう形でなんとか反転をさせていかなければいけないと思います。これは与野党ともにそういう意味ではこういう格差を是正しなければいけないし、あるいは全国一律にすべきだという議論があります。方向性としては、連合がいっていることとそんなに違わないと思いますが、そこのプロセスをどのように踏んでいくのかということがないといけないと思います。自民党の中にもそういう議連がありますが、これは党の中でもどういう考え方なのかというのは必ずしも全体で一致しているということではないと思いますから、そこはしっかりとそれぞれの中で議論していただきたいなと思います。三者構成というのは、基本中の基本だと思いますので、その下で連合としてはあるべき主張をいい続けていきたいと思います。ただ、その中でも三者構成において今経済社会、わが国が抱えている問題との関係でどうしていかなければいけないのかということは、さらに議論を深掘りしていくべきだと思いますし、その労使ということが、かたや上げればいいんだ、かたや上げなくていいんだ、ということの綱の引っ張り合いだけでは本来あるべき方向に持っていけない訳ですから、まさに公労使あるいは政労使という三者構成ということの意味があると思っています。以上です。

質疑応答[4]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 労働ジャーナルのシカタといいます。賃金要求ついてお聞きしますが、平均と個別と出されたというのは方向とすればだいたい良い方向踏まえられたと思いますが、個別賃金について聞きします。この30歳で25万6000円、35歳で28万7000円、これと連合の場合は個別賃金というのはこれまで歴史があって、2005年頃から個別賃金要求されている訳です。そのあたりの検証をされたのかどうか、そういうあたりをお聞きしたいと思いますし、もし検証されてないようでしたらかなり低い数字を今度は出されている訳です。何故そのいってみれば個別賃金というのは、社会横断的賃金でそれで水準を引き上げていくというのがありますが、かつてと比べて低い水準を出されたのかどうか、そのあたりの検証が必要じゃないかと思うのですが、それが1点お聞きしたい事です。2点目は、この水準は実は賃金センサスの17年版です。とういうことは2020年で使うには水準が低すぎる訳です。この間連合は、純ベアでも0.5%ぐらいで1300円積んできている訳です。2年間でいけば2300円ぐらい水準を上げてきているにも関わらず、いわゆる賃金センサスから見ればという形で2年前の古い数字を出されているのかについては、連合がこの2年間水準を引き上げてきた成果がどう反映しているのか、このあたりも1つ検証ではないかと思います。それから、あと個別賃金のところについて本文のところの2ページで、賃金闘争に関しては「一定の評価軸が必要で定量的・定性的に把握できる評価軸を新たに設定する」とありますが、個別賃金を評価しようと思えば、取り組む組合の増加とか、あるいは水準がどの程度アップしたとか、そういうものが必要になってくると思います。新たにその評価軸を設定するというあたりはどういうことを考えられているのか、分かればぜひ教えてもらいたいと思います。

A.(会長)

 いつも専門的なご質問をいただいていて、それは本当にありがたいのですが、少し改めて整理して次回のこの場がいいかどうかも含めて少し預からせていただいて、大事な内容だと思いますので、そのようにさせてもらいたいと思います。事務局としてかなり個別賃上げのところも、これまでの実績も把握できる範囲で把握をした上で今回のそういった数字も含めての提示だとは思っていますが、その具体的なところはまた改めてということにさせてください。
 それと賃金センサスとの関係ということでいえば、これも一応責任を持って扱えるものとして2017年のものということで出していると思いますし、これも先程申し上げたこととつながる話なのですが、連合としてこの場でいつも報告しているようにそれなりの実績は出してきている、要求の考え方と比べればまだまだ不満ですが、たださはさりながら一定の実績は出している訳です。それが世の中全体にどうつながっているのかということでいえばこれはまだまだと思っていますので、そこはそういったことも含めて検証していきたいと思います。ですから世の中全体で見ると、2017年、2018年といかほど変わっているのかなというのは実態としてはあるのではないかなと思います。

質疑応答[5]
Q.(朝日新聞・ヨシダ氏)

 朝日新聞のヨシダと申します。2点質問があります。1点目が去年の春闘の基本構想では「2%程度を基準」と書かれておりました。それまで3年連続でそういった表記でした。それで、その「基準」という言葉を外したというところについて連合としてどういったことを考えていらっしゃるのかという点が1点。
 もう1点が、今の景気状況、多分基本構想の中にも書かれていると思いますが、改めて神津会長のお言葉で今の景気現状を踏まえてなぜ2%にされたのか、3%でも1%でもなく2%にされたのかという点ですね、米中摩擦ですとか消費増税などの部分がある中で何故2%程度というように、前回を維持されたのかという点お教えいただければと思います。

A.(会長)

 これ1点目も2点目もですが、やはりこの間一貫して我々として取り組んでいるのは20年間の格差拡大であるとかデフレの状況において賃金が上がらなかったので、賃金が上がらなかったといっても制度上の昇給があるところとそうでないところとは意味が全然違いますし、そのことが20年間繰り返されてしまいました。これをどうキャッチアップしていくのかというのがこの一連の取り組みのもっとも大事なところだと思ってます。したがって時々の経済状況というか、企業収益の変動とか、それはそれで勿論あるでしょう。だけどそんなことで賃上げするしないというような、そういう性格のものではありませんというのが一貫している話だと思っています。2%プラス2%の4%ということで、これを変えるというのはそのことが持つ誤ったメッセージ性を持ってしまうのではないかということがあるので、数字そのものは踏襲をしながらということになるなと思っています。そういう中でご指摘の通り3年間2%程度「基準」としてきていますが、一言でいえば非常にまどろっこしいです。こういっては何ですが基本的な考え方は今申し上げたようなことがずっとつながっていることなので、いってみれば2%程度、2%って言い切れるかというとこれはそれぞれの状況なりその経緯というものもあるので、必ず2%に収斂してくれという縛りをかけるということは中々現実には難しいんです。2%程度の「程度」ということは引き続きそういう表現を取りながら、そこに加えて「基準」ということは、これはむしろもう止めようということです。思いとしては、賃金ですし、こだわりのところは、なんといっても20年間こうやって格差が大きく開いてしまった賃金のところに最大の焦点を当てるのだという思いにより強くスポットを当てていくためにも、ここはよりすっきりとした形で2%程度という表現を取ったと見ていただきたいと思います。

質疑応答[6]
Q.(日刊工業新聞・ヤギサワ氏)

 日刊工業新聞のヤギサワです。少し細かな話ですが、規模間格差是正が35歳は25万8000円で、雇用形態格差是正が28万500円となっていますが、素人考えだと、わずかな違いなので揃えた方が良かったのではないかなと思いますが、あえて目標金額に差をつけた理由何でしょうか。

A.(会長)

 それぞれ算出根拠があっての話なので、パッと見そのように見えるかもしれませんが、今根拠が手元にある訳ではないのでこれもまた必要があれば、冨田総合政策推進局長の方からお答えします。

A.(冨田総合政策推進局長) ※声のみ。映像は会長と事務局長が映っています

 総合政策推進の冨田です。規模間格差の賃金センサスの方は、要はカーブがありますので勤続年数に応じたカーブを計算するということができますので、フルタイム労働者の本当に真ん中のところのカーブを引いていくらになるかという線で算出をさせていただいています。逆に雇用形態格差の方は年齢軸がありませんので、年齢で何歳ではいくらという線が引けません。賃金センサスは同じベースを使ってますが、全体の真ん中を取っています。同じようなところを取っていますが、取る時の考え方を変えている関係で若干数字がずれてるように見えます。考え方はそういう考え方で整理をさせていただいて、いずれにしても勤続17年相当に換算すれば同じような水準を目指していかなければいけないという考え方を置かせていただいています。

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