TAG LIST

リーダーズボイス

「イギリス・ロンドン」清水事務局長のFree Walk【13】

image_print印刷用ページ

 5月2日~3日にパリで開催されたOECD(経済協力開発機構)閣僚理事会に、OECD-TUAC(労働組合諮問委員会)の副会長として出席し、「社会対話」「人への投資」をキーワードに発言してきた。その前段、在英国日本国大使館に連合アタッシェとして電機連合から派遣中の早瀧亮書記官を訪問した。半日、早瀧さんの案内で、青葉が茂り、鳥がさえずり、花々が咲く公園を巡りながらロンドン市内を散策した。TUC(英国労働組合会議)本部や大英博物館のある通りを抜けて、国会議事堂とロンドンのシンボル「ビッグ・ベン」を訪れた。次に首相官邸のあるダウニング街10番地を経て、ナポレオン軍を海戦で撃破したネルソン提督の記念碑があるトラファルガー広場に行った。

 そこから赤い二階建てバスに乗って、ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式で注目を浴びたウェストミンスター寺院や、バッキンガム宮殿を経て日本大使館に向かった。残念ながら衛兵交代式は行われない日だったが、国王滞在中は王室旗が、不在時は英国旗が掲げられるということで、その日は王室旗がなびいていた。

左:国会議事堂と「ビック・ベン」
右:バッキンガム宮殿

 趣味は何かと問われた時には、映画鑑賞を挙げている。初めての映画は、小学校3年生の1968(昭和43)年、飯田橋駅近くの神楽坂下の「佳作座」で観た『猿の惑星』だ。1966年のSF映画『ミクロの決死圏』との二本立ての上映だった。『猿の惑星』では、私が生まれた1959年にウィリアム・ワイラー監督の歴史超大作『ベン・ハー』でアカデミー主演男優賞を受賞したチャールトン・ヘストンが主役を務めていた。ウィリアム・ワイラーと言えば、1953年の『ローマの休日』だ。オードリー・ヘプバーンは忘れがたい。ジョージ・チャキリスのダンスやナタリー・ウッドに魅了された1961年のミュージカル『ウエスト・サイド物語』も印象深い。

 日本が高度経済成長の真っただ中の1970年には日本万国博覧会(大阪万博)が、1972年には札幌オリンピックが開催され、沖縄返還があり、上野動物園にパンダが来た。そんな1971年小学校6年生の時、イギリス映画でロンドンが舞台となった『小さな恋のメロディ』にはまった。6月に丸の内の「ニュー東宝シネマ」で封切られ、夏休みに11回も観に行った。少年少女の恋を瑞々しく描いた作品で、ダニエル役のマーク・レスターはアカデミー作品賞に輝いた1968年のミュージカル『オリバー』にも主役で出演していた。メロディ役のトレイシー・ハイドが1959年生まれの同い年であったこと、映画の中で流れるビージーズの『メロディ・フェア』『若葉のころ』の楽曲に魅了されたことも、この映画にはまった理由だと思う。二人は2022年、コロナ禍で1年遅れの日本公開50周年の特別上映で来日し、ファンとの再会を果たした。

 市内散策の最後に、『小さな恋のメロディ』のロケ地に足を運んだ。ダニエルが登場する冒頭のシーンに使われたテムズ川沿いのバターシーの教会だ。もう一つは学校シーンのほとんどが撮影されたハマースミスのセント・ポールズ・スクール(現在は2014年にリフォームされセントポールズホテルとなっている)だ。ホテル1階にThe Melodyというレストランがあり、先生や生徒たちが駆け下りた階段やダニエルとメロディが初デートで手をつないで出て行ったアーチなどがそのまま残っている。

左上:『小さな恋のメロディ』のロケ地、バターシーの教会
右上:セントポールズホテル内の『小さな恋のメロディ』のポスター
下:セント・ポールズ・スクール

 ロンドンでの1日を終え、高速鉄道ユーロスターでドーバー海峡トンネルを通ってパリに向かった。始発駅のセント・パンクラスの隣に、『ハリーポッター』に登場するキングス・クロス駅があったので、「9と3/4番線」を見学してイギリスの地を去った。

キングス・クロス駅の「9と3/4番線」

RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

RECOMMEND

RELATED

PAGE TOP