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「納沙布岬」清水事務局長のFree Walk【5】

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「2023平和行動in根室」で北海道に渡った。9月10日には、納沙布(のさっぷ)岬・望郷の岬公園で連合「2023平和ノサップ集会」が開催された。
2022年2月、ロシアがウクライナへの軍事侵略を開始し、私たちは、平和の尊さを改めて痛感させられた。現在、日本とロシアの平和条約の締結交渉や「北方四島ビザなし交流」などは中断している。

平和ノサップ集会の前日には、「北方四島学習会」が根室市内の3ヵ所で開催された。私は、根室港に停泊している北方四島交流事業船「えとぴりか」に乗船し、その食堂で学習会に参加した。「えとぴりか」は、北方四島へのビザなし交流や北方墓参※ などに使用される船であるが、今は国境ぎりぎりの洋上慰霊の形で運用されている。

北方四島交流事業船「えとぴりか」

船名の由来は、根室半島と北方四島の海域等に生息する海鳥「エトピリカ」で、「エト」はアイヌ語で「嘴(くちばし)」、「ピリカ」は「美しい」という意味だ。“ふるさと”の北方四島と日本国土を自由に行き来する美しい姿から船名に選ばれた。元島民の方からは、かつての北方四島での暮らし、ふるさとと北方四島に寄せる切実な想いなどが語られた。ふるさとに、戻りたくても戻れない。自由に訪れることもできず、78年が経過してしまった。孫が今年初めて洋上慰霊に参加することになってうれしいと語る85歳の元島民の方が「生きているうちにもう一度、墓参に行きたい」という言葉が胸に刺さった。

※北方墓参:日露政府間で特例として認められた3つの枠組み(ビザなし交流、北方墓参、自由訪問)の1つ。北方領土問題とは別に人道的観点から、元島民たちが旅券・査証なしの簡単な身分証明書により先祖の眠る北方四島を訪れ、お墓参りすることを目的として実施しているもの。ウクライナ情勢を受け、四島交流等事業が行えない中、元島民の方々の「せめて四島の近くで慰霊したい」という切実な思いに応えるため、現在は公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)、独立行政法人北方領土問題対策協会(北対協)と北海道が協力して「洋上慰霊」を行っている。

納沙布岬に立った。最も近い『歯舞(はぼまい)群島』の「貝殻(かいがら)島」までは、距離にして、わずか3.7㎞だ。改めてその「近さ」を実感した。8月には、貝殻島の灯台にロシアが国旗を掲げたり、外壁を白く塗装したりしていることが確認されている。『択捉(えとろふ)島』『国後(くなしり)島』『色丹(しこたん)島』『歯舞群島』の北方四島の総面積は、千葉県とほぼ同じと知って千葉在住として驚いた。納沙布岬・望郷の岬公園に名寄市出身の医師、坂田文子さんの詠んだ「一億の 切なる願ひ 島帰れ この間近なる 岬に叫ぶ」の歌碑が立っている。

 納沙布岬
「一億の 切なる願ひ 島帰れ この間近なる 岬に叫ぶ」の歌碑


世界の恒久平和への道は容易ではないが、単なる理想や夢で終わらせてはならない。それは私たちの世代が達成しなければならない使命であり、次世代への責任であると思う。平和なくして、私たちの暮らしも、労働運動もない。今は、世界が、平和への歩みを続けることができるか、その分水嶺だ。平和運動の輪を広げるとともに、北方四島返還の早期実現を改めて誓った。

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