くらし・生活

 

2020 年金制度改革に取り組んでいます!

 現在、政府・与党において年金制度改革論議が行われています。来年の通常国会において政府から年金関連法改正法案が提出される見通しとなっており、働き方の多様化に対応した社会保険の適用拡大、高齢期や就労期間の長期化に対応した年金の充実(繰下げ制度の柔軟化、在職老齢年金の見直し)などが検討されています。

 連合は、働き方などにかかわらずすべての労働者が社会保険に適用されるよう適用拡大の徹底に取り組むとともに、すべての人の老後の生活水準向上に直結する「基礎年金」の底上げを求めて、政府の審議会での意見反映などに取り組んでいます。

2020年法改正に向けた連合の取り組み
<連合の考え方>
公的年金制度の見直しに向けた連合の考え方と当面の取り組みについて
公的年金制度の見直しに向けた連合の考え方と当面の取り組みについて(その2)
公的年金制度の見直しに向けた連合の考え方の補強について
<これまでの談話・まとめ>
2019年「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」の公表に関する談話(2019年08月28日)
厚生労働省「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」における議論のとりまとめに対する談話(2019年09月20日)
社会保障審議会年金部会における議論の整理に対する談話(2019年12月25日)
<ニュース・まとめ>
2019年度 連合社会保障講座(年金編)を開催(2019年2月07日)
「公的年金・企業年金等制度勉強会」を開催(2019年8月08日)
神津会長、第3回全世代型社会保障検討会議で意見表明(2019年11月22日)
2020年公的年金制度改革に向けたシンポジウムを開催(2019年12月02日)
社会保険のさらなる適用拡大を!

<社会保険適用の意義>
 働く人には、公的な保険制度により医療と年金が保障されています。この医療保険と年金を総称して「社会保険」と呼ばれています。
 その中で、年金制度は、老齢・障がいなどに対して社会全体で事前に備え、所得保障を行う支え合いの仕組みです。年金制度には1階部分として全国民共通の国民年金があります。2階部分の厚生年金が適用されると自動的に国民年金にも適用され、両方の年金が受け取れる一方で、保険料負担は会社と折半になります。そのため、厚生年金に適用されると給付と負担の両面で国民年金よりも有利になります。

保険料と年金額のモデルケース(40年間)

<社会保険が適用されるとこのようなメリットがある>

  • 原則65歳に達したら、全国民共通の基礎年金に加えて、報酬比例の厚生年金を受給することができ、保障の充実につながります。
  • 障がいがある状況になった場合には「障害厚生年金」、また、死亡した場合には遺族に対する「遺族厚生年金」を受給することができます。
  • 病気やけが・出産によって仕事を休まなければならない場合に、「傷病手当金」または「出産手当金」を受給することができます。

<問題は、すべての働く者が適用されていないこと>
 企業の雇用主には、一定の条件以上で働く労働者を社会保険に適用させる義務があります(※)。しかし、下の図のような5つの要件をすべて満たさなければ適用されないという高いハードルがあり、短時間労働者等を中心に社会保険に適用されていない人が多いのが現状です。

(※)2016年10月から、社会保険の対象者が拡大され、従業員501人以上の企業で、週20時間以上働く方などが対象になりました。 さらに、2017年4月から、500人以下への企業も労使合意に基づき、企業単位で短時間労働者への適用拡大が可能となっています。

短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大の概要
短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大の概要

<社会保険の適用拡大を徹底すべき!>
 社会保険の適用対象者が拡大されることにより、適用となった者の保障が充実するだけでなく、基礎年金の給付水準の改善や年金財政の安定にもつながります。

支え手増えるイメ―ジ

 連合は、雇用形態の違いや企業規模の大小により社会保険の適用の有無が異なることは不合理であると考えます。すべての働く人に社会保険を原則適用させる制度に改める方向での検討を求め、取り組みを進めていきます。

基礎年金の底上げが急務!

<基礎年金が減っていく>
 生活の基礎的な部分を保障するとの考え方で、国民年金から給付されるのが「基礎年金」です。基礎年金は国民年金だけに加入している人も厚生年金が適用されている人も受け取れます。
 しかしながら、2019年8月に公表された「2019年財政検証結果」によれば、基礎年金の給付水準は将来的に大きく低下することが明らかになりました。例えば、経済成長や労働参加の想定が比較的現実的と考えられるケースⅣというシナリオの場合には、基礎年金の給付水準が2019年と比べて約36%も低下する試算結果が示されました。
 就職氷河期世代をはじめとして、将来、無年金・低年金となる恐れのある単身者、基礎年金のみの受給者などにとって基礎年金の給付水準の大きな低下は極めて深刻な問題であり、基礎年金の底上げは待ったなしです。

<基礎年金はこうすれば引き上げられる>
 基礎年金の財源は、厚生年金と国民年金から公平に拠出するという仕組みとなっており、基礎年金の給付水準を引き上げるためには、この拠出金の額を上げる必要があります。具体的には、拠出金の計算対象となっている者(現行は20~59歳)の年齢を引き上げて人数を増やしていくいくことが必要です。そして、基礎年金の2分の1は国庫負担のため、増加した保険料に見合う税財源も追加されることになり、基礎年金の底上げに効果的な方策といえます。
 連合は、基礎年金の給付水準の引き上げによる公的年金の機能強化に向けて取り組みを進めています。