くらし・生活

 

税制(「公平・連帯・納得」の税制改革実現に向けて)

税制の役割・機能とは?

  税は、社会保障や各種公共サービスなど、私たちの日常生活に不可欠なものの経費を分担しあう「社会の会費」の側面をもち、誰もが必要な給付やサービスを享受し、安心して暮らしていくために重要な役割を果たしています。また、所得の再分配を通じた経済格差の是正、税財政を通じた経済の安定化、政策誘導などの機能もあります。

日本の税財政の課題について

 現在の日本の税財政は、本来持つべき所得再分配や財源調達などの機能が損なわれ、歳入と歳出が大きく乖離する状況が続き、国民の将来不安を招いています。
 社会を持続可能で包摂的なものとしていくため、ニーズを満たす普遍的な社会保障や教育、雇用セーフティネットの充実をはかると同時に、その負担を社会全体で分かち合う税制改革を実行し、「受益と負担」のバランスを回復させることが重要です。

税財政の改革は、私たちが正面から向き合うべき重要な課題

 人々のくらしと将来への希望をまもり、将来世代が安心して暮らすことができる社会への道筋を付けるためにも、税財政の改革は、私たちが正面から向き合うべき重要な課題です。
 連合は、所得・消費・資産それぞれに対する課税のバランスが保たれた、「公平・連帯・納得」の税制改革の実現に向け、取り組みを進めています。

公平

  • 「公平」は税制を考える上で最も重要な原則の一つです。
  • 社会を維持するための経費は、公平に分担しなければなりません。
  • 税と社会保障による所得再分配機能を強め、格差社会を是正することが大きなテーマであり、世代間の公平に配慮しつつ、所得税や相続税の見直しを中心に垂直的公平を強化し、水平的公平を確保する税制改革が必要です。
  • また、働き方の変化や多様化に対応した税制の見直しも重要な課題です。

連帯

  • 超少子高齢化社会をいかにみんなで支え合っていくべきかが問われています。
  • 負担のあり方に正面から向き合わないままの財政再建は、給付削減の繰り返しによって、より弱い者へのシワ寄せや世代間の対立などを招き、痛税感だけが強調される結果、社会に分断線を引くことになりかねません。
  • 互いに認め支え合い、誰もが必要な社会保障、教育、その他の公共サービスを享受できるようにし、そのための財源確保に向け皆で負担を分かち合うことで、相互の信頼・連帯を構築できる社会をめざすことが重要です。

納得

  • 「納得」できる税制であることが改革を進めるスタートラインとなります。
  • 日本では、「税は取られるもの」との意識が根強く、税制に対する信頼度や負担の分かち合いに対する意識も決して高くありません。
  • まずは、納税者の立場に立った分かりやすい税制とすることが重要です。