初めての労働問題でもよくわかるコラム

気がつけば、毎日、残業…

 
何時間残業しても、残業代は固定だけど…?

 上司の命令で毎日終電ギリギリまで働いて、それでも仕事が片付かず土日も出社。その分の残業代がつくかと思いきや、「うちの給料は、残業代込みだから」と上司に言われてしまった…。これって不払い(サービス)残業と同じでは??

 一定額の割増賃金をあらかじめ基本給に組み込んで支給したり、実際の時間外・深夜・休日労働の有無や残業時間数にかかわらず、あらかじめ基本給とは別に固定額を支払ったりするものは「固定残業代」と呼ばれて、問題になっています。後者の場合、実際の残業時間がみなし時間よりも少なくても、使用者は固定額の残業代を支払う必要があります。

 しかし、使用者の中には、法律を正しく理解しないまま、人件費抑制や支払事務の軽減負担から固定残業代制度を導入しているケースがあります。そのため、固定残業代分を超えて残業したとしても、本来支払われるべき超過分の残業代を支払わないといった悪質なトラブルが増えています。

 労働基準法第37条では、「時間外、休日及び深夜の割増賃金」の支払義務と計算方法を規定しています。本来、労働基準法上の時間外労働や休日労働に対しては、割増賃金を支払わなければなりません。

 これまでの裁判例を見てみると、固定残業代制度は

基本給(通常の労働時間の賃金に当たる部分)と、残業代に相当する部分
(時間外労働等の割増賃金に当たる部分)とが明確に区別され、合意されている
固定残業代に対応する残業時間が明示されている
実際の残業時間で計算された残業代が固定残業代の金額を超えた場合は、
別途その差額が支払われている
①~③で挙げられた事柄が、就業規則や契約書に明記されている

といった、法律の趣旨に沿った一定の要件を満たす限りにおいて、正しい運用とされます。
 当たり前ですが、使用者は、固定残業代を支払っていても、労働者の労働時間管理を行う義務や固定残業代を超える分の差額賃金計算をして、その分の差額を支払う義務があるのです。

 このコラムの冒頭にあるようなケースは、残業代の不払いに当たる可能性があります。もし疑問に思ったら、労働組合や連合(フリーダイヤル0120-154-052)に相談してみましょう。