子どもの不登校で親が働きにくくなり、休職や退職する割合が4人に1人に上っています。家で過ごす分の出費増、離職による収入減で、親子ともに将来への不安が増して社会とのつながりが断たれる事例が非常に多いです。「普通に大人と話したい」という保護者の声が多く、仕事は相談や交流といった社会とのつながりとしても重要です。私たちは企業向けセミナーやリーフレット制作などで、不登校離職を防ぐ環境整備を推進します。
私たちは普段、フリースクールや家庭訪問を通して不登校の子どもたちの支援をしています。子どもだけでなく保護者への支援として、無料で何度でも相談できる「お母さんのほけんしつ」というLINE相談窓口も運営し、現在全国から4,800名の登録があり、日々30〜50名の相談に乗っています。
保護者の方から「実は仕事を休職して」「子どもの対応のために退職しました」といった声が多くあったため、2024年2月にアンケート調査を実施し、計364名の回答を得ました。結果4人に1人が休職・退職しているということが判明し、夫婦間でうまくコミュニケーションが取れていないことや、学校側の不適切な対応も重なり、親子共に社会から孤立してしまうことがわかりました。保護者の1割がうつ病など精神疾患の診断を受け、15%の方が診断はないが医療機関に通っていると回答、子ども自身も自傷行為や希死念慮を持つ割合は2割を超え、早急な対応が必要なことがわかります。
今回の取組みでは、企業向けに不登校への理解促進や、不登校の子を持つ従業員に対して適切なフォローをできる環境整備を促します。
研修では、不登校離職防止をテーマに、子どもが不登校であるかどうかに関わらず、従業員や管理職向けに不登校保護者の苦労や周りにできることを伝え、学校以外の支援団体や制度について情報提供もします。研修以外にも、個別の相談支援や不登校への理解促進のためのリーフレット制作などに取り組みます。
実は、子どもが不登校になった後も仕事を続けられた方に聞くと、多くが「職場の理解があった」と答えています。不登校への適切な理解を促すことで、保護者が社会とつながり続け、親子が孤立せず幸せな道を歩めると信じています。企業へのアプローチにより、これまでと違った角度で社会課題解決に取り組みます。
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