国際活動

 

国際労働組合総連合(ITUC)

国際労働運動を代表する組織

 国際労働組合総連合(ITUC)は、労働組合のナショナルセンターからなる総連合であり、国際労働運動を代表する組織です。世界中の160ヵ国以上、300以上の組織が加盟し、組合員数は約1億9000万人に上ります。
 連合は、ITUCの前身組織である国際自由労連(ICFTU)に、1989年の結成と同時に加盟しました。現在はITUCの主要組織として、連合の進路に記されるとおり、「世界の労働者との連帯を強めながら、世界の恒久平和の実現、国際公正労働基準の確立、国際経済社会の新秩序形成に向けての活動を積極的に進めていく」ために、各種活動への積極的な参画に努めています。

働く者のための“グローバル化”を追求

 ITUCの最大の課題は、働く者に役立つグローバル化を追求することです。具体的な課題には、中核的労働基準の適用の実現、人権・労働組合権の確保、多国籍企業問題対策、労働災害防止、児童労働撲滅、貧困撲滅などがあります。
 かつて国際労働運動は、グローバル化の負の側面に対峙するため、効果的で強力な機構に力を集結することが求められていました。その中でICFTUは「連帯のグローバル化」というテーマのもと、2004年12月の宮崎での第18回世界大会において国際労連(WCL)や非加盟組織と統合することを確認しました。そして、2006年11月、ICFTUとWCL、そしていずれの国際労働組合組織にも加盟していなかった8つの組織と共にITUCが結成され、オーストリアのウィーンで結成大会が開催されました。現在はベルギー・ブリュッセルに本部が置かれています。

 さらに、2007年9月にアジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、2007年11月にアフリカ地域組織(ITUC-Africa)、2008年3月に米州地域組織(ITUC-TUCA)が結成されました。
 欧州においても、完全な地域組織とはいえないものの欧州労連(ETUC)と共同で汎欧州地域協議会(PERC)が2007年3月に設立され、欧州地域の労働者の意思を吸い上げるチャネルが設けられました。また、2014年10月、複数の地域組織をまたぐサブ地域組織として、アラブ労働組合総連合(ATUC)が結成されました。