女性活躍推進法に基づく事業主行動計画等に関する省令と告示が改正されました。
一般事業主行動計画は2022年7月の改正・施行により、大企業(301人以上規模企業の事業主)には「男女の賃金の差異」の把握・公表が義務化され、中小企業(300人規模以下の企業の事業主)は努力義務となっていますが、2022年12月28日よりパート労働者の人員の算出にあたっては、正規労働者の所定労働時間を参考として換算することが可能となります。
特定事業主行動計画の「男女の賃金の差異」の把握・公表が義務化され、2023年4月1日に施行されます。
ここでは改正項目の概要と労働組合の取り組みのポイントについて示します。
女性活躍推進法を活用し、今回の改正で義務化された大企業はもとより、努力義務となっている中小企業も含め、男女間賃金格差の是正に向けて、取り組みを進めましょう。
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(以下「女性活躍推進法」という)は、男女共同参画社会基本法の基本理念に則り、自らの意志によって職業生活を営み、または営もうとする女性が個性と能力を十分に発揮して職業生活において活躍することについて、国、地方公共団体、国民が担う責務を明らかにし、2016年4月より2026年3月までの時限立法として10年間をかけて集中的かつ計画的に取り組むために、2015年8月に成立したものです。
法律の施行により、企業・国や地方公共団体は、女性活躍の観点から広く職場の状況を把握し、分析、数値目標の設定を含む「一般事業主行動計画」または「特定事業主行動計画」(以下「行動計画」という)を策定することが求められています。あわせて、一般事業主は都道府県労働局に「行動計画」を策定した旨を届け出ること、特定事業主は一般に「行動計画」を公表することが、それぞれ義務づけられました。また、各地方公共団体は、地域の女性活躍を進めるために「推進計画」策定に努力することが義務づけられています。
その後、法の附則にもとづく施行後3年の見直しによる2019年改正を経て、2022年7月には301人以上の民間事業主に「男女の賃金の差異」の把握と公表が義務化する省令の改正が行われました(特定事業主については内閣府令の改正が予定されています)。
行動計画策定に関する労使協議や、推進計画策定への働きかけなど、男女間賃金格差の解消をはじめとする女性活躍に関する課題への理解を深めるとともに、取り組みの促進のため、連合はガイドラインを策定しています。
2016年4月に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)は、附則にもとづく施行後3年の見直しが2018年労働政策審議会雇用環境・均等分科会において検討され、その報告書を踏まえた改正法が2019年5月29日に成立しました。
主な内容は、①一般事業主行動計画の策定義務の対象を常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大、②情報公表義務の対象を101人以上の事業主に拡大、③301人以上の事業主の情報公表項目を2つに区分し、各区分から1項目以上を設定、④特例認定制度「プラチナえるぼし」の創設等です。施行日は、301人以上の民間事業主および公務などの特定事業主の行動計画策定(状況把握・数値目標)の改正事項は2020年4月1日、101人以上300人以下の民間事業主の行動計画策定・情報公表の義務拡大は2022年4月1日、その他の事項は2020年6月1日です。
また、特定事業主についても、改正法および「女性活躍推進法公務部門に関する検討会報告書」を踏まえ、内閣府令において施行規則の一部が改正されました。
連合は、法改正の理由に謳われた「女性をはじめとする多様な労働者が活躍できる就業環境を整備する」こととあわせて、すべての労働者が安心して働き続けられる社会をめざし、構成組織・地方連合会とともに取り組みを進めています。