労働相談

 

労働相談Q&A

32.雇用保険
Q
パートタイム労働者でも雇用保険に加入できるか。
A
31日以上の雇用見込みと週の所定労働時間が20時間以上であれば加入が義務づけられている。
法律のポイント
一部を除き、労働者を一人でも雇っていれば、事業主は労働保険(労災保険・雇用保険)への加入が義務づけられており、要件を満たす場合、パートタイム労働者であっても被保険者となる。
解説
被保険者の要件

 次の要件を満たす者は、被保険者となる。

  1. ① 31日以上雇用されることが見込まれること(※)。
  2. ② 週の所定労働時間が20時間以上であること。
    ※31日以上雇用されることが見込まれる場合
    • (1)期間の定めがなく雇用される場合
    • (2)雇用期間が31日以上である場合
    • (3)雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
    • (4)雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合(当初の雇入時には31日以上雇用されることが見込まれない場合であってもその後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用される。)
被保険者とならない人

 被保険者とならないのは、①週所定労働時間が20時間未満の短時間就労者、②4カ月以内の季節的事業に雇用される者である。
 なお、常時5人未満の労働者を雇用する農林水産の個人経営事業所は、暫定任意適用事業となるため、加入するかどうかは事業主の意思やその事業に使用されている労働者の過半数の意思に任される。

基本手当の受給資格

 週所定労働時間の長短にかかわらず、被保険者期間が離職前2年間に原則12カ月(各月11日以上)必要。ただし、倒産・解雇等による場合、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由により離職した場合は、離職前1年間に6カ月(各月11日以上)で可。

基本手当の受給手続き等

 基本手当を受給するにはハローワークに離職票を提出し求職の申込みをしなければならない。これにより受給資格が決定され、受給資格者証が交付される。受給資格者証には、支給される基本手当の日額、所定給付日数、失業の認定日などが記されている。失業の認定は原則として4週間に1回ずつ行われ、その期間について基本手当が受給できる。

事業主が離職票を交付しない場合

 事業主が手続きを行わない場合、退職した労働者は、被保険者でなくなったことの「確認の請求」をハローワークに対して行うことができる。確認がなされると、管轄のハローワークは、離職者の請求により「離職票」を交付してくれるので、事業主への在籍を証明するもの(給与明細(6か月以上)/健康保険証/社員証/源泉徴収票など、あるものはすべて)と印鑑をもって、事業所所在地を管轄するハローワークへ。

遡及加入と手続き拒否

 加入していなかった時は、2年間を超えて遡及加入ができる(会社が手続きを拒否した時は、自分で最寄りのハローワークに事情を申し出て手続きをすることもできる)。会社の手続きミスによって未加入期間が生じた場合、基本手当受給日数等で将来的に不利益とならないよう注意が必要。

退職理由による給付の制限等

 2020年10月1日以降に離職した場合は、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となる。
 しかし、特定受給資格者や特定理由離職者については、給付制限はない。また、受給資格者が正当な理由なく、ハローワークの紹介する職業につくことまたは指示した公共職業訓練等を拒否したときは、その日から1カ月間は基本手当が支給されない。再就職を促進するために必要な職業指導を拒否したときも、その日から1カ月を超えない範囲内で基本手当が支給されない。

雇用保険料率

[令和5年4月1日~令和6年3月31日の雇用保険料率]

(枠内の下段は令和4年10月〜令和5年3月の雇用保険料率)

出所:厚生労働省HP「令和5年度の雇用保険料率について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001050206.pdf をもとに連合編集

特定受給資格者の範囲

1. 「倒産」 等により離職した者

  1. ① 倒産(破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立てまたは手形取引の停止等)に伴い離職した者
  2. ② 事業所において大量雇用変動の場合(1カ月に30人以上の離職を予定)の届出がされたため離職した者(※)および当該事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える者が離職したため離職した者

    ※事業所において、30人以上の離職者が生じることが予定されている場合は、再就職援助計画の作成義務があり、再就職援助計画の申請をした場合も当該基準に該当する。
     また、事業所で30人以上の離職者がいないため、再就職援助計画の作成義務がない場合でも、事業所が事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる者に関し、再就職援助計画を作成・提出し、公共職業安定所長の認定を受けた場合、大量雇用変動の届出がされたこととなるため、当該基準に該当する。

  3. ③ 事業所の廃止(事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。)に伴い離職した者
  4. ④ 事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した者

2.「解雇」 等により離職した者

  1. ① 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した者
  2. ② 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職 した者
  3. ③ 賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかっ たことにより離職した者
  4. ④ 賃金が、当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(または低 下することとなった)ため離職した者(当該労働者が低下の事実について予見し得 なかった場合に限る。)
  5. ⑤ 離職の直前6カ月間のうちに(1)いずれか連続する3カ月で45時間、(2)いずれか1カ 月で100時間、または(3)いずれか連続する2カ月以上の期間の時間外労働を平均して 1カ月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者。事業主が危険もし くは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、 事業所において当該危険もしくは健康障害を防止するために必要な措置を講じな かったため離職した者
  6. ⑥ 事業主が法令に違反し、妊娠中もしくは出産後の労働者または子の養育もしくは家 族の介護を行う労働者を就業させ、もしくはそれらの者の雇用の継続等をはかるた めの制度の利用を不当に制限したことまたは妊娠したこと、出産したこともしくは それらの制度の利用の申出をし、もしくは利用したこと等を理由として不利益な取 扱いをしたため離職した者
  7. ⑦ 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要 な配慮を行っていないため離職した者
  8. ⑧ 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合 において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者
  9. ⑨ 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示され た場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(上記⑧に該当する場合を除く。)
  10. ⑩ 上司、同僚等からの故意の排斥または著しい冷遇もしくは嫌がらせを受けたことに よって離職した者、事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握 していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者およ び事業主が職場における妊娠、出産、育児休業等に関する言動により労働者の就業 環境が害されている事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかっ たことにより離職した者
  11. ⑪ 事業主から直接もしくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者(従 来から恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は、 これに該当しない。)
  12. ⑫ 事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3カ月 以上となったことにより離職した者
  13. ⑬ 事業所の業務が法令に違反したため離職した者
特定理由離職者の範囲
  1. 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。(上記「特定受給資格者の範囲」の2.の⑧または⑨に該当する場合を除く。)(※補足1)
  2. 以下の正当な理由のある自己都合により離職した者(※補足2)
    1. ① 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
    2. ② 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた者
    3. ③ 父もしくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父もしくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合または常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した者
    4. ④ 配偶者または扶養すべき親族の別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者
    5. ⑤次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
      • (1)結婚に伴う住所の変更
      • (2)育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用または親族等への保育の依頼
      • (3)事業所の通勤困難な地への移転
      • (4)自己の意思に反しての住所または居所の移転を余儀なくされたこと
      • (5)鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止または運行時間の変更等
      • (6)事業主の命による転勤または出向に伴う別居の回避
      • (7)配偶者の事業主の命による転勤もしくは出向または配偶者の再就職に伴う別居の回避
    6. ⑥ その他、上記「特定受給資格者の範囲」の2.の⑪に該当しない企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等
    • ※ 補足1  労働契約において、契約更新条項が「契約の更新をする場合がある」とされている場合など、契約の更新について明示はあるが契約更新の確約まではない場合がこの基準に該当する。
    • ※ 補足2 給付制限を行う場合の「正当な理由」にかかる認定基準と同様に判断される。

    出所: ハローワークインターネットサービスHP「特定受給資格者及び特定理由離 職 者 の 範 囲 の 概 要 」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_range.html)をもとに連合編集

基本手当の所定給付日数

1.特定受給資格者および一部の特定理由離職者(就職困難者を除く)
 特定理由離職者のうち「特定理由離職者の範囲」の1に該当する者については、受給資格にかかる離職の日が2009年3月31日から2025年3月31日までの間にある者に限り、所定給付日数が特定受給資格者と同様となる。

2.1および3以外の離職者

  • ※ 特定理由離職者については、被保険者期間が6か月(離職以前1年間)以上あれば基本手当の受給資格を得ることができます。

3.就職困難者

出所: ハローワークインターネットサービスHP「基本手当の所定給付日数」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html をもとに連合編集

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