基本理念

肖像 連合会長

 コロナ禍により、多くの働く仲間とその家族が大きな影響を受け、より弱い立場にある仲間ほど困難な状況に置かれています。また、貧困と格差、加速する人口減少・超少子高齢化、脆弱な社会的セーフティネットなど、社会経済の持続可能性にかかわる課題が山積しています。さらに「カーボンニュートラル」や「デジタルトランスフォーメーション」など、大きな社会変革の波が押し寄せてきています。

 そのためには、格差是正に向けた分配構造の転換とともに、とりまく諸課題を克服し、SDGsの推進、社会経済の包摂的な発展と平和を実現しなければなりません。連合運動もその一翼を担うべく、国際労働運動との連携をはじめ、多様な主体との協働を進めることが重要です。あらゆる活動の基盤は組織の拡大・強化です。集団的労使関係の価値を社会に広げる営みと同時に、コロナ禍も踏まえた新たな運動スタイルを確立し、これまで労働組合・連合運動が接点を持ち得なかった人々との関係づくりを強化するなど、私たちが率先して運動の変革にチャレンジしなければなりません。そして、すべての働く仲間とつながり、連合の政策と運動を広く社会に発信し、共感と参画・行動の好循環を創り出す必要があります。一人ひとりをまもり、地域をつなぎ、人権が尊重され、ジェンダー平等と多様性に満ちた安心社会の構築へ果敢に挑戦していく必要があります。

 「働くことを軸とする安心社会」に向けて、すべての働く仲間とともに「必ずそばにいる存在」としての連合運動を切り拓いていきましょう。

綱領

  1. われわれは、自由にして民主的な労働運動の伝統を継承し、この理念の上に立って労働者の結集をはかり、労働運動の発展を期す。
  2. われわれは、つねに社会正義を追求するとともに、「力と政策」を備え、完全雇用の達成、労働基本権の確立、労働諸条件の改善、国民生活の向上を実現する。
  3. われわれは、あくことなくよりよい未来に希望をもち、国民の先頭に立ち、自由、平等、公正で平和な社会を建設する。
  4. われわれは、労働組合の主体性の堅持につとめ、外部からのあらゆる支配介入を排除し、民主的で強固な組織の確立をはかるとともに、日本労働組合総連合会の強化・発展に努める。
  5. われわれは、日本労働運動の国際的責任を深く自覚し、世界平和の達成と諸国民の共存共栄のために努力する。

連合行動指針

(2005年10月6日第9回定期大会で制定)

序文-「連合行動指針」の目的および意義

労働組合は、経営者・政府・政党等から独立した自主的な組織である。しかし、一方で労働組合は社会の重要な構成員として存在しており、その行動や発言、そして組織運営については、社会に対して説明できるものでなければならない。労働組合の存在意義を広く社会全体に示す上でも、このことは極めて重要な課題である。

連合評価委員会は、今後の「労働運動のあり方、理念の再構築」として、「高い“志”、不公正や不条理なものへの対抗力、それを正すための具体的運動と闘う姿勢」を挙げている。連合は、この間、法令や従業員の権利を無視した企業運営や、社会的格差をもたらす政府の市場万能主義的な政策に対抗する組織的な取り組み、あるいは労働者の権利確立・人権・環境・安全・平和などを求める国内外の取り組みなどを志向し、さまざまな行動に取り組んできた。言い換えれば、労働組合は、経営側の行動に関するチェック機能を果たし、社会正義を追求する運動体である。これらを推進する前提として、労働組合自らが、法令や社会的ルールに基づいた近代的で公正・透明な運動と組織運営を確立し、組合員はもとより未組織労働者や社会全体から「信頼される」存在でなければならない。

私たちは、この「連合行動指針」のもと、日本のナショナルセンターとしての責任と役割を十分に果たしうる運動と組織を構築することをめざす。

第1条
私たちは、「連合の進路」のめざす社会の実現に向け、労働運動の担い手として求められる高い志と倫理を堅持し、行動する。
第2条
私たちは、組合員の視点に立った運動を展開するとともに、全ての勤労者・市民に共感される運動をめざす。
第3条
私たちは、法令や社会的ルール、自らの規約・規則に基づき、民主的な意思決定、適正な会計・財政運営、近代的な事務局運営、信頼される事業活動など、透明・公正な組織運営を行う。
第4条
私たちは、企業や使用者による不正や不公正を見逃すことなく、その社会的責任を全うさせる運動を推進する。
第5条
私たちは、人権を尊重し、人種・性別・身体的特徴・年齢・思想信条・門地等による差別を行わず、またそれを許さない。
第6条
私たちは、組合員や社会に対する積極的な情報公開を推進するとともに、個人情報の保護に努める。
第7条
私たちは、社会の一員であることを自覚し、地域および国際社会において、平和・人権・福祉・環境・教育・安全など、広範な社会貢献活動に取り組む。

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