国立印刷局
1871(明治4)年に大蔵省紙幣司として創設以来、日本銀行券(お札)、旅券、郵便切手など公共性の高い製品の製造を行っている。国内6ヵ所に工場があり、東京工場では日本銀行券をはじめ、印紙・証紙、官報、予算・決算書類、国会用製品などの製造を担っている。
(本内容は「季刊RENGO」2024年夏号に掲載した内容を再掲したものです)
今回、職場の紹介をしていただく方は
高品質なお札の供給を担う人に
この7月3日、実に20年ぶりにデザイン刷新となった日本銀行券(千円札・五千円札・一万円札)が発行されます。そのお札製造を一手に担うのが国立印刷局で、東京工場で新しいお札の印刷を行う山根さんは入局5年目の24歳。2年前から、新しいお札の一万円札の裏面の印刷を担当しているそう。
印刷機は凹版印刷とオフセット印刷が同時にできる巨大なもの。「1台の印刷機につき、紙積みからオフセット印刷の色調整、凹版印刷では版面の余分なインキを落とすワイピングなど担当がいくつかあるんですが、全部できないといけない。特に新人は覚えることも多く大変です」。他の工場から届く用紙も「紙の外側と内側で湿度の入り方に違いがあるとシワになる。紙の性質は日によって違うので、紙を送ったり流したりするフィーダーなどの角度も、紙の状態にあわせて細かく調整します」。
山根さんは山口県出身。「国家公務員になりたい」と電子系を学んだ高専から国立印刷局へ。「最初は『お金刷ってるよ!』と思ったけど、すぐに慣れて、今じゃ製品にしか見えません」と笑います。お札に求められるのは高品質かつ安定した供給。「その管理に関われる人って、凄いと思うんです」と、ゆくゆくは管理業務に携わりたいそうで「まだまだ先輩に聞かないと判断できないことが多い。印刷技術をもっと身に付けないといけないと思っています」。
2021年9月の新札印刷開始から3年弱。日々の業務にもやりがいを覚えつつ、「7月3日に発行されたとき、よりやりがいを感じるのかな(笑)」。
(本内容は「季刊RENGO2024年夏号」に掲載した内容を再掲したものです)