4 雇用の安定と公正労働条件の確保

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雇用の安定と公正労働条件の確保
  • 〇労働基準関係法制の見直しについては、労働者保護の基本原則を堅持した上で、労働組合を中核的担い手とする集団的労使関係の強化や、労働時間規制および労働からの解放規制の強化をはかる。時間外労働の上限規制の緩和や裁量労働制の拡充は、「働き方改革」に逆行するものであり、行わない。また、労働監督行政の体制強化をはかるとともに、長時間労働是正のための監督・指導を徹底する。
  • 〇無期転換逃れの雇止め防止や派遣労働にかかる雇用安定措置の実効性確保などを通じ、パート・有期・派遣労働者の雇用安定に向けた環境を整備する。また、「同一労働同一賃金」を徹底し、パート・有期・派遣労働者の待遇改善を進めるとともに、制度の施行状況を踏まえつつ、あるべき法規制のあり方を検討する。
  • 〇現行の外国人技能実習制度および特定技能制度で就労する外国人の就労面に加え、日本語教育などの支援を強化するとともに、適正な受入に関する指導・監督を強化する。また、育成就労制度(2027年4月施行)および特定技能制度の実効性確保に向け、人手不足の状況や賃金水準の動向などを継続的に把握・適正化を行うとともに、制度所管省庁・業所管省庁において十分な予算を確保し、外国人労働者への支援・相談体制を強化する。
  • 〇事業譲渡、合併など、あらゆる事業再編において、労働組合などへの情報提供・協議を義務づけることや、労働契約などの承継に関する規定を設けるなど、労働者保護をはかるための法制化を行う。
  • 〇今後の雇用失業情勢の変動などに対応し得るよう、雇用調整助成金などに必要な予算措置を講じるとともに、労働保険特別会計への一般会計からの機動的な繰り入れなどを通じて財政の安定化をはかる。また、雇用保険制度の国庫負担割合を引き上げ、雇用保険が本来果たすべき機能を強化するとともに、他の施策などとも連携し、雇用の維持・安定をはかる。
  • 〇就職氷河期世代をはじめ、世代ごとの課題に対応した良質な雇用・就労機会の実現に向け、当事者のニーズを踏まえた中長期的な能力開発を実施し、適切な就職支援・定着支援を行う。また、そのために、ハローワークなどの支援機関の相談体制の強化をはかる。
  • 〇働く者の技術・技能やキャリア向上に向けて、非正規雇用で働く者や障がい者などを含め、誰もが希望する能力開発等の機会を確保されるよう、「人への投資」に関する財政支援を拡充する。あわせて、中小企業等へのノウハウの提供や相談援助の強化、制度の周知徹底をはかる。
  • 〇地域における産業の発展と安定した雇用による人材確保を推進する観点から、国・地方自治体による地域雇用活性化などの事業を強化する。また、ハローワークなどによる職業訓練、相談援助、マッチング機能を強化するとともに、ミスマッチを減らすため、求職者等への職場情報提供の充実をはかる。
  • 〇雇用労働に近い働き方をしているにもかかわらず労働法の保護を受けることができない者について、フリーランス新法にもとづく契約ルールの適正化やハラスメント防止などの実効性を確保するとともに、最低報酬の設定、仲介業者に対する法規制など法的保護の実現をはかる。また、早急に「労働者概念」を見直し、多くの労働者が適切に労働法の保護を受けられるようにする。
  • 〇労働教育の推進を通じて、安心して働くことができる社会を実現するため、「ワークルール教育推進法」の策定をはかる。
  • 〇不当な解雇を拡大しかねない解雇の金銭解決制度は導入しない。
  • 〇最低賃金について、中期的に一般労働者の賃金中央値の6割水準をめざし、早期の実現にむけた一層の引き上げと環境整備をはかる。あわせて、監督体制の強化などを通じ、履行確保を徹底する。
  • 〇ILO「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶」に関する条約(第190号)の批准に向け、職場におけるハラスメントを行ってはならないことの規範意識の醸成をはかり、ハラスメントそのものを禁止する規定を創設する。また、カスタマー・ハラスメント(以下、カスハラ)の対策が、事業主の雇用管理上の措置義務となることを受けて、中小企業を含め、足並みを揃えて一体的に取り組むように厚生労働省が消費者庁、警察庁、業所管省庁などと連携し、各業界や企業の取り組みを支援する。あわせて、取引先の労働者などによるカスハラの相談窓口の整備、求職者等がハラスメントを受けた際の相談体制の整備・周知と事業主への助言・指導などを行う。

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