2026年度重点政策|4 雇用の安定と公正労働条件の確保

4 雇用の安定と公正労働条件の確保

雇用のセーフティネットの基盤強化と地域を含めた良質な雇用の確保に向けて

雇用保険制度は、失業時に生活を支えるための給付や、失業の予防や教育訓練などのための助成金の支給など、雇用のセーフティネットの根幹をなす制度である。近年では、コロナ禍において雇用調整助成金が活用され、雇用維持に貢献した一方、その財源である雇用保険二事業の資金は枯渇し、労使が拠出する失業等給付の積立金から貸し出しを行う状況に陥った(図1)。これらを踏まえ、2026年3月、厚生労働省は今後の雇用危機に向け「緊急時における雇用調整助成金の在り方について」を取りまとめた。雇用維持など雇用保険制度の本来の役割を前提としたうえで、報告書が実効性をもって活かされなければならない。また、依然として逼迫している雇用保険財政の基盤強化に向け、雇用保険二事業に対する一般会計からの機動的な繰り入れや、失業等給付の国庫負担割合を四分の一に引き上げるなどの措置を講じることも必要である。
加えて、雇用に関する公的な支援窓口を担うハローワークの機能強化も重要だ。各種手当・助成金の給付や職業訓練、就職困難者に対する支援、求職者の状況に応じた職業紹介などの強化に加え、その効果を高めるため、ハローワーク職員の増員や正規雇用化も含めた待遇改善、研修の充実化など体制強化に取り組む必要がある。
また、地域においては深刻な過疎化や都市部への人材流失などによる人材不足が課題となっている。政府や地方自治体は、UIJターンを含めた人材不足対策を講じてきたが、その効果は限定的であるケースが多いことを踏まえれば、地域資源を活かした新たな産業の成長と良質な雇用機会の創出に向けた取り組みの強化が不可欠だ(図2)。厚生労働省の「地域雇用活性化事業」をはじめ政府の支援策を複合的に活用するとともに、労使を含め地域の関係者との連携強化をはかることが重要である。

注:

  1. 集計対象は、出身地が東京圏外であり、調査時点で東京圏に在住する者である。ここでいう出身地とは、15歳になるまでの間で最も長く過ごした地域を指す。
  2. 東京圏への流入者の移住の背景として挙げられたもののうち、上位五つについて示している。
  3. 回答数(n)は男性:n=261、女性:n=258。
  4. 複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。

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