2026年度重点政策|4 雇用の安定と公正労働条件の確保

4 雇用の安定と公正労働条件の確保

働く者のための労働基準関係法制の実現に向けて裁量労働制の拡充阻止、労働からの解放規制の強化を

2019年4月に働き方改革関連法が施行されてから5年が経過したことを踏まえ、厚生労働省は2025年2月から労政審での見直し議論を開始し、時間外労働の上限規制、連続勤務規制、過半数代表制などの論点について検討が続いている。「働き方改革」の出発点は過労死ゼロの実現であったが、2024年度の過労死等の労災請求件数は過去最多を記録するなど、いまだに職場から長時間労働や過労死はなくなっていないのが現状である。
また2026年3月に公表された「総点検」の結果によれば、働く者の労働時間の増減希望では「このままで良い」が59.5%、「減らしたい」が30%となっている(図1)。他方で、10.5%が「増やしたい」と回答しているが、その理由は「たくさん稼ぎたいから」が41.6%、「残業代がないと家計が厳しいから」が15.6%と収入面での課題が多い(図2)。また、「月80時間を超えて働きたい」と回答した者は全体の0.5%と皆無に近い結果である。
いま求められているのは、時間外労働の上限規制の緩和ではなく、働き方改革のさらなる定着・推進に向けた法改正であり、また残業をせずとも安心して暮らせる賃金水準の確保に向けた持続的な賃上げの取り組みである。
加えて、一部の経済団体からは裁量労働制の拡充を求める意見が繰り返されている。しかし、厚生労働省の調査結果によれば、みなし労働時間よりも実労働時間の方が1時間弱長くなっている(図3)など、長時間労働になりやすい実態がある。そのため、2024年に適正運用のための制度改正がなされたばかりである。
長時間労働につながる懸念が大きい制度の拡充や緩和ではなく、改正内容を踏まえた適正運用の徹底とともに施行状況の把握を進めることが重要である。
なお、解雇の金銭解決制度については、今後、有識者検討会が設置されることとなったが、不当な解雇を拡大しかねないことから断じて導入すべきではない。

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