「契約社員として長年働いてきたが、突然契約終了と言われた」「正社員と同じ仕事をしているのに、派遣社員の賃金は正社員の半分で、一時金も出ない」。これらはパート・有期・派遣で働く者から連合に寄せられた切実な声であり、雇用の安定と待遇に関する課題が浮き彫りになっている。
雇用の安定に向けては、有期労働契約が通算5年を超えた際に無期労働契約への転換を申し込むことができるルールが、2012年に導入された。しかし、無期転換申込権が生じる5年以内に更新上限を設定する企業が増加するなど、課題が生じている(図1)。2024年には更新の機会ごとに更新上限を労働者に明示することや、無期転換申込権発生時に権利発生を労働者に明示することが義務化されたが、これらの着実な履行とともに、無期転換申込権発生前の雇止め防止を含め、更なる制度強化が必要である。
また、待遇面では、2020年にスタートした「同一労働同一賃金」を背景に改善が一定進んだものの、雇用形態間格差の解消には至っていない(図2)。そうした中、「同一労働同一賃金」施行5年後見直しが行われ、2026年10月から制度改正が行われることとなった。新制度では、「同一労働同一賃金ガイドライン」の充実や、待遇差の説明の運用改善などが行われる。労働組合としては、新制度を着実に職場に根付かせる取り組みを進めていく必要があるが、同時に施行状況を踏まえた制度面での対応が欠かせない。待遇差の合理性の立証責任の使用者への転換や「同一労働同一賃金ガイドライン」に基づく司法救済の実効性確保など、雇用形態にかかわらない公正な待遇を実現するという「同一労働同一賃金」の本旨を踏まえた法規制が必要である。
パート・有期・派遣で働く者の雇用の安定と待遇改善に向け、政策・運動の両輪の取り組みを進めていくことが求められている。
