2026年度重点政策|4 雇用の安定と公正労働条件の確保

4 雇用の安定と公正労働条件の確保

ILO第190号条約の批准に向けあらゆるハラスメントの根絶を

ハラスメントは、被害者の人格等を侵害し、就業環境全体を悪化させる問題である。労働者が安心・安全に働き続けるために、国、事業主は、仕事の世界におけるあらゆるハラスメントの根絶に向けた対策を講じる必要がある。すでに事業主に対して雇用管理上の防止措置が法制化されていた職場におけるセクシュアル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、ケア・ハラスメント、パワー・ハラスメントに加え、2025年6月に「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」が成立したことで、職場におけるハラスメントを行ってはならないことを明確にしたうえで、社会における規範意識醸成に取り組むことを国の責務としたほか、カスタマー・ハラスメントと求職者等へのセクシュアル・ハラスメントの防止措置を講じることが事業主に義務づけられた(図1)。また、パワハラ指針の
改正により性的指向・性自認(SOGI)に関するハラスメント対策も強化されている。ただし、望ましい取り組みにとどまったフリーランスに対するカスハラの防止措置義務に加え、特に中小企業などへの防止措置義務の徹底などが求められており、依然として国内におけるハラスメント行為そのものを禁止する規定がない。
厚生労働省の実施した調査によると、64.2%の企業がパワハラ、39.5%がセクハラの相談があったと回答しており、職場での対策や法の実効性の担保にも課題を残している(図2)。
仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する国際労働基準であるILO第190号条約の批准に向け、禁止規定など実効性ある国内法整備を行うことが重要である。

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