フリーランス法の施行から1年が経過した。同法では、発注事業者に書面による取引条件の明示が義務付けられるなど、フリーランスの就業環境整備が進んだ。しかし、いまだに同法の理解は進んでおらず、法施行後も、発注者とフリーランス間の、報酬支払いや取引条件などに関する問題が十分に改善されていない(図1)。
法の実効性を確保するためには、発注事業者をはじめとする関係者へのさらなる周知および公正取引委員会などによる指導強化を行うとともに、フリーランスをとりまく実態を把握し、同法には盛り込まれなかった最低報酬の設定や仲介業者に対する規制など、さらなる法的保護に向けた検討が必要である。
また、フリーランスで働く者の中には、「労働者」に近い働き方であるにもかかわらず、「労働者性」が認められないため労働法が適用されない「曖昧な雇用」の者も少なくない。現在、厚生労働省の研究会において、「労働者性」の判断基準の見直しの議論が行われている。多くの働く者が労働法の保護を適切に受けることができるよう、早急な見直しが求められる。
加えて、「スポットワーク」も急拡大している。しかし、連合調査によれば、仕事内容や労働条件が違うなど(図2)、経験者の約半数程度がトラブルを経験している。こうした状況に鑑み、厚生労働省は、「求人に応募した時点で労働契約が成立する」などの留意事項を公表した。
このような問題が生じている背景には、企業および労働者双方の働くことに関する知識不足の問題も大きい。労働基準法をはじめとする法規定を整備するだけでなく、双方がワークルールを理解することが重要である。企業や労働者に対し、あらゆる機会を通じたワークルール教育を充実させるとともに、今こそ、「ワークルール教育推進法」を策定し、教育を通して正しい法の理解を促し、労働者保護の実現につなげていくことが必要である。
