連合北海道から連合沖縄へのピースフラッグリレー
連合は、9月7日から8日にかけて「2024平和行動in根室」を現地・根室市で開催しました。なお、この「2024平和行動in根室」については、これまでと同じく、外務省、内閣府(北方対策本部)、独立行政法人北方領土問題対策協会からの後援を受けました。
<9月7日(1日目)>
【北方四島学習会】13:30~16:30
北方領土問題に対する理解を深め、北方領土返還要求運動を進めるため、北方領土問題の経緯や現状、課題と展望について学び、元島民が故郷・北方四島に寄せる想いを聞く「北方四島学習会」を実施し、計470名が参加しました。
Aコース(計198名)
場所 北海道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)2階「交流センター」
内容 (1)「海から見た北方領土問題」
講師 山田吉彦氏(東海大学海洋学部海洋理工学科教授)
(2)「ふるさと北方四島への想い」
講師 鈴木咲子氏(元島民、択捉島出身)
児玉泰子氏(北方領土返還要求運動連絡協議会事務局長、
元島民、歯舞群島・志発島出身)
Bコース(計71名)
場所 北方四島交流事業船「えとぴりか」(根室港停泊)
内容 (1)「ロシアによるウクライナ侵略 今 北方領土を考える」
講師 石川一洋氏(ジャーナリスト)
(2)「北方領土の自然と日露関係の打開策」
講師 本間浩昭氏(毎日新聞記者、
特定非営利活動法人北の海の動物センター理事)
Cコース(計201名)
場所 根室市総合文化会館1階「小ホール」
内容 (1)「北方領土をめぐるこれまでの議論と
北方領土根室研究会のこれまでの取り組みについて」
講師 北海道立根室高等学校 北方領土根室研究会
(2)映画『ジョバンニの島』上映
<9月8日(2日目)>
【2024平和ノサップ集会】11:00~12:00
「2024平和ノサップ集会」を、望郷の岬公園で、「北方領土(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)の返還! 日ロ平和条約の締結を!」をテーマに開催し、全国の構成組織・地方連合会から計728名が参加しました。
冒頭、主催者挨拶として清水秀行・連合事務局長は、「平和を求め、平和を守る。今も昔も、そしてこれから先も、平和は、連合が労働運動に取り組む上で大きな柱となっている」と平和の重要を指摘しました。また、ロシアによるウクライナ軍事侵略をめぐるについて、「ロシアがウクライナへの軍事侵略を開始し、大きな衝撃を受けるとともに、未だ解決の道筋さえ見られず、無辜の市民や子どもたちの犠牲が拡大する現状を鑑みれば、改めて平和の尊さを痛感させられる」とした上で、「これまで日露平和条約締結に関わってきた両国関係者の努力を蔑ろにするにとどまらず、両国の関係を1956年の日ソ共同宣言締結にもとづく国交回復以降、最悪の状況に貶めるものだと言わざるをえない。北方四島の一括返還と日ロ平和条約の締結を通じて、北方領土問題を早期に解決し、真の意味での戦後を迎える必要がある」と述べました。そして、「元島民の方々は、ふるさとに戻れず、自由に訪れることもできず、79年が経過し、平均年齢は88歳を超えた。残された時間は決して長くない」「日本政府には、日露関係の改善、そして、その先にある1日も早い北方領土問題の解決に向けて、粘り強い外交努力を求めたい」と語りました。最後に「世界の恒久平和の実現に向けて、一緒に平和運動の輪を広げていきましょう」と集会参加者に呼びかけました。
続いて須間等・連合北海道会長は地元地方連合会を代表しての挨拶の中で「根室に近い自衛隊矢臼別演習場では、今年2度目となる日米共同訓練が9月12日より23日まで行われる予定です。このような訓練はロシアへの軍事的緊張を高めるものであり、平和は武力ではなく対話による平和外交でしか創り出すことは出来ません。連合北海道は先週、釧路市で演習反対の集会・デモ行進を行い、その中で『沖縄の在日米軍基地の整理縮小』と『日米地位協定の抜本的見直し』を強く訴えてきました」とした上で、「本日の集会を契機に元島民のみなさんの悲願である北方領土を一日も早く取り戻すため、私たちは北方領土返還の取り組みを仲間の皆さんに伝え、そして次の世代にしっかりとつなげていきましょう」と集会参加者に呼びかけました。
次に、来賓挨拶として、天沼宇雄・北海道公営企業管理者より、「洋上慰霊に参加し、元島民の切実な思いを受け止めた。一日も早い返還に向けて、全国一丸となって取り組みを進めることが重要である。世論喚起をはかっていく上で、連合の力は欠かすことができない。引き続きのお力添えをお願いしたい」との鈴木直道・北海道知事の挨拶が代読されました。
続いて、石垣雅敏・根室市長より「連合の皆様には毎年根室市にお越し頂くとともに、真の平和運動として返還要求運動において大切な役割を果たされてきたと考えている。また、元島民をはじめとする返還要求運動原点の地である根室の市民に大きな勇気と力を与えて頂いている。我々根室市民、ここに返還要求運動の原点の地の責務として語り続けること、訴え続けることを通じ、返還要求運動に邁進することをお誓い申し上げる」との挨拶を頂きました。
また、山本茂樹・北方領土問題対策協会理事長より「平和行動in根室をはじめ、2月7日の北方領土返還要求全国大会では主導的な役割を担い、12月1日の北方領土返還要求中央アピール行動に参画するなど、連合の皆様には強い団結力を活かし、返還運動を強力に推進頂いており大変心強く感じている」との挨拶を頂きました。
その後、元島民の訴えとして鈴木咲子氏(択捉島出身)は「海の向こうに見える近くて遠い故郷が1日も早く返還されるよう運動を継続してきたが返還は実現されず、さらに墓参の道も閉ざされ、途方に暮れている。しかし、故郷に戻ることが叶わなかった同胞たちの墓前に良い知らせを報告するまで返還要求運動の灯を消すことなく取り組みを進めていく」と語りました。
この後、特別報告として神田真哉・連合島根中部地域協議会大田地区会議議長より連合島根、連合中国ブロック連絡会が取り組んでいる「竹島領土権確立に向けた取り組み」について、特別報告を受けました。続いて、2025平和行動in沖縄に向けて連合平和行動旗・ピースフラッグが須間・連合北海道会長から知花優・連合沖縄事務局長へと引き継がれました。その後、阿部秀子・全道庁根室総支部組合員による集会アピールが満場一致の拍手で採択されたあと、淺野康敏・連合北海道釧根地域協議会会長の発声による「がんばろう三唱」で閉会となりました。
なお、「2024平和ノサップ集会」の様子は、後日連合公式YouTubeチャンネル「RENGO TV」にアップいたします。
また、連合の「北方領土返還要求運動」は、下記をご覧ください。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/kizuna/peace/hoppou.html
2024年の平和4行動(沖縄、広島、長崎、根室)はこれですべて無事に終えることができました。これからも平和を求める連合の運動をつなげていくため、来年も平和4行動に取り組んでいきます。