事務局長談話

 
2016年04月07日
公職選挙法の一部を改正する法律案の成立に対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 逢見 直人

  1. 4月6日、参議院本会議において、内閣提出と議員立法による2つの公職選挙法の一部を改正する法律案が可決・成立した。いずれも有権者の投票機会を拡大するものであり、成立を評価する。

  2. 改正法の内容は、内閣提出法案については、[1]「共通投票所制度の創設」として、選挙当日に、既存の投票所とは別に、同じ市町村の区域内のいずれの投票区に属する有権者も投票できる共通投票所を駅構内やショッピングセンターなどに設置できるようにすること、[2]「期日前投票の投票時間の弾力的な設定」として、開始時刻の2時間以内の繰上げおよび終了時刻の2時間以内の繰下げを可能とすること、[3]「投票所に入ることができる子どもの範囲の拡大」として、現行の幼児から18歳未満に拡大すること、である。一方、議員立法については、「洋上投票の対象の拡充」と「要約筆記者に対する報酬支払の解禁」である。

  3. 連合は、従来から、国民の立場に立った選挙制度の実現に向け、頻繁に人の往来がある施設での投票所の設置や洋上投票制度の見直しなどについて、政府・政党に実現を求めてきた。今回の共通投票所の設置、期日前投票時間の拡大は、有権者の利便性向上に資するものと判断するが、いずれも実施は地方自治体の裁量に委ねられていることから、政府は積極的にその促進に努めるべきである。また、子どもの範囲の拡大は、「18歳選挙権」の導入を間近に控える中、主権者教育の機会として十分に活かされるべきである。

  4. 公職選挙法については、インターネット選挙運動の解禁など、これまでも利便性・投票率向上をはかる改正が行われてきた。しかし、国政選挙の投票率は2014年衆議院選挙が戦後最低を記録するなど、低下傾向に歯止めがかかっていない。健全で緊張感ある議会制民主主義を確立するためには、国民の政治への関心を高めることが不可欠である。連合は、労働組合の社会的責任として、引き続き、すべての組合員の政治意識の喚起や政治活動への自発的な参加を促進していくとともに、投票率の向上に取り組んでいく。


以上