事務局長談話

 
2015年04月28日
「安全保障法制に関する民主党の考え方」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1. 2015年4月28日、民主党は、「安全保障法制に関する民主党の考え方」を「次の内閣」で決定した。政府・与党が安全保障関連法案の提出を予定しており、国会では来月より安全保障関連法案の審議が開始される。これに先立ち、民主党が政府・与党と対峙する考え方をとりまとめたことによって国民に主要な論点が提示されることになる。安全保障法制は、憲法及び国の基本政策に関わる重要課題であり、国会論戦で論点を明らかにし、国民を巻き込んだオープンかつ徹底的な議論を十分な時間をかけ行うことを期待する。

  2. 「安全保障法制に関する民主党の考え方」では、「安倍政権が進める安全保障法制は、総じて見て、「切れ目のない」という名の下に、「歯止めのない」自衛隊の海外での活動の拡大につながる」との懸念を示したうえで、[1]自衛権に対する考え方、[2]グレーゾーン事態(武力攻撃に至らない侵害)に対処するための法整備、[3]周辺事態法における「周辺」概念の堅持、[4]憲法の範囲内での国際平和活動への積極的な取り組み、[5]国際社会の平和と安全のために活動する他国軍を支援する必要がある場合恒久法でなく特別措置法で対応することなど、わが国を取り巻く情勢の変化を踏まえつつ、政府・与党とは一線を画した考え方を提起している。

  3. 自衛権については、「わが国の主体性を確保しつつ、日米同盟を深化」させるとともに、「専守防衛に徹し、現実的で責任ある安全保障政策を追求する」との考え方を示している。一方、政府の示す武力行使の「新三要件」に対しては、「基準が曖昧で、時の政府の判断次第でいかようにも当てはめが可能であり、我が国の武力行使が許される範囲が恣意的に伸縮・変化することから歯止めがきかない」「立憲主義に反した解釈変更である」「政府の具体例のみで集団的自衛権行使の必要性を導く立法事実は認められない」としている。
    連合「政治方針」では、「自衛権は独立国家の固有の権利であること」「自衛隊は専守防衛、徹底したシビリアンコントロール、非核三原則を前提とする」としており、その点から民主党の考え方は理解できるものである。

  4. 安全保障法制は、この間、政府・与党内のみで既成事実を積み上げ、国民は蚊帳の外におかれてきた。このような議論の進め方では国民的コンセンサスづくりは困難である。連合は、国会における骨太な論議を通じ、今後政府が提出する安全保障関連法案の意義や課題が国民目線で明確になるよう働きかけていくとともに、組織内での議論を深め、国民的議論を喚起するよう取り組む。


以上