事務局長談話

 
2014年02月12日
2014年度診療報酬改定に関する中医協答申についての談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1.  2月12日、中央社会保険医療協議会(中医協/会長:森田朗)は、田村厚生労働大臣に対し、「2014年度診療報酬改定について」を15項目の附帯意見を付して答申した。今次改定は、社会保障・税一体改革が掲げる医療機関の機能分化・連携の強化など、2025年の「地域包括ケアシステム」構築に向けた改革に沿ったものであり、概ね評価できるが、消費税率引き上げに伴う対応などは問題であり、遺憾だ。

  2.  診療報酬は、診療行為や薬剤・医療材料等の価格を決めるものであり、2年に1回改定されている。医療費が約41兆円に上る中、今回改定は、昨年末内閣で決定された改定率0.1%増を前提としている。
     評価する主な内容は、[1]急性期の入院基本料の算定要件を見直し、入院医療の機能分化の推進、長期入院の是正、在宅医療の充実が行われたこと、[2]認知症・精神疾患の超長期入院から地域生活へ早期復帰を促す医療への転換、多剤投薬の抑制、質の高い医療の充実に向けた、入院中の褥瘡対策等の推進、胃瘻造設の抑制等が行われたこと、[3]明細書の無料発行は、2016年度よりすべての病院に義務付けられるほか、不正請求対策の強化、指導内容が不明確な在宅自己注射指導管理料の見直しが行われたこと、である。

  3.  一方、勤務医や看護職など医療従事者の負担軽減につながる方策が講じられたものの、入院基本料の算定要件のうち、看護職員の月平均夜勤時間要件「72時間」の規制緩和が、急性期以外の入院基本料にも拡大された。連合は緩和措置の撤廃を求めたが、診療側の強い反対で実現せず、極めて残念である。今後、72時間要件を満たせない医療機関の原因把握と看護職員の夜勤労働の影響検証を強く求めていく。
     消費税率3%引き上げに伴う対応は、高額機器購入等を考慮した対応を求める支払側と、財源のほぼ全額を初・再診料等の基本診療料への上乗せを求める診療側で意見が対立し、公益裁定が行われた。結果、診療側意見に沿った裁定となり、初・再診料や入院基本料へ一律に上乗せされた。初・再診料は医科・歯科とも3%超の診療報酬引き上げとなり、大きな設備投資が求められる病院より診療所に有利な配分であり、かつ被保険者・患者の立場からは到底納得できず、極めて問題が大きい。

  4.  連合は今次改定に対し、被保険者・患者・医療従事者の立場から、安心と信頼の医療を求め、「今後の社会保障制度改革に対する連合の対応について(その2)」(第3回中執確認)にもとづき対応を進めてきた。連合は今後、改定による影響検証と残された課題への対応を求めるとともに、医療費の有効活用、より質の高い医療の充実、看護職など医療従事者の確保と処遇改善に向け、引き続き取り組みを進めていく。 


以上