事務局長談話

 
2013年12月25日
「介護保険制度の見直しに関する意見」についての談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1. 12月20日、社会保障審議会介護保険部会(部会長:山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大学名誉教授)は、「介護保険制度の見直しに関する意見」を取りまとめ、厚生労働大臣に対して建議を行った。しかし、連合が問題点を指摘し続けたにも関わらず、介護予防給付の一部を市町村事業とすることが含まれており、問題である。

  2. 意見書の内容は、要支援者(軽度者)の介護予防給付のうち、訪問介護と通所介護を市町村事業に移行するとし、財源は2号(40~64歳)保険料も活用することが提案されている。このことは、保険料を支払うことによって、介護認定を経て介護保険サービスを受ける権利が保障されるという、社会保険制度の原理を逸脱するものである。また、市町村の財政力によってサービスの有無、訪問回数の制限、不十分な人員配置など、サービス提供体制の地域間格差が懸念され、結果として要支援者に対する切り捨てにつながりかねない。

  3. また意見書では、介護人材の確保に向けて、介護労働者の処遇改善の方向やキャリアアップ、研修の受講支援などが明記された。更に、地域包括ケアシステムの構築に向けた地域包括支援センターの機能強化、低所得者の1号保険料の軽減措置などが明記され、これらについての方向性は評価できるものの、財源の確保などの実効性ある取組みが必要である。加えて、認知症施策の推進については、在宅医療・介護連携の推進などの体制整備を急がなければならない。

  4. 政府は、介護保険部会の意見書を受けて、来年の通常国会に、介護保険法改正法案を提出する予定である。高齢独居世帯の増加、認知症の増加などによって、介護と医療の連携、在宅医療・訪問介護、訪問看護など訪問サービスの整備・充実が喫緊の課題であり、そのためにも持続可能な介護保険制度の拡充が求められている。
    連合は、高齢者の尊厳が確保され、安心して住み慣れた地域で暮らすことができる地域包括ケアシステムの確立をめざし、問題点の解決を求め政府、政党への要請、国会対応を強めていく。


以上