事務局長談話

 
2012年08月03日
「労働契約法の一部を改正する法律案」の成立についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  8月3日、参議院本会議において、有期労働契約にかかわる「労働契約法の一部を改正する法律案」が、民主・自民・公明三党などの賛成多数で可決、成立した。有期労働契約は非正規労働問題の中心的な課題であったが、これまで法整備が十分に取り組まれてこなかった。連合が求めていた内容が十分に盛り込まれたものではないものの、有期契約労働者の雇用の安定と処遇改善に向けて法整備が図られる意義は大きい。

  2.  法案の主な内容は、昨年12月26日にとりまとめられた「有期労働契約の在り方について」(労働政策審議会建議)の内容を踏まえ、労働者と使用者の権利義務関係を規律する労働契約法に、[1]有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(第18条)、[2]有期労働契約の更新等(第19条)、[3]期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止(第20条)の3カ条を追加するものである。一方、審議会で労働側が主張した有期労働契約の締結事由規制である入口規制の導入は見送られた。

  3.  連合は、国会審議を通じて明らかにされるべき事項として、以下の点を指摘してきた。[1]18条の無期化に際しての労働条件は、本条の立法趣旨からすれば、従前を下回らないようにすべきであること、[2]19条の雇止め法理については、確立している判例法理の内容を忠実に条文化するものであること、[3]20条の期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止については民事的効力がある規定であること、などである。これらについては、国会審議を通じて、連合の主張に沿った方向で立法者意思が明確にされた。今後は、施行にあたって、無期転換権の発生とその行使期間の対象者への周知など、改正法の趣旨・内容が広く周知されることが必要である。また、無期転換権の発生する期間(5年超)手前での雇止めや、クーリング期間の濫用的利用など、規制逃れが発生する懸念も否定できない。雇止めの抑制策の検討とともに、無期転換の状況など、法施行後の検証を適切に行い、必要に応じて制度を見直すことが重要である。

  4.  連合は、「雇用の原則は期間の定めのない直接雇用であり、有期労働契約はその例外として位置づけられるべきである」との方針のもと審議会に臨んできた。改正労働契約法の成立は、有期契約労働者の保護に向けた一歩である。有期契約労働者の雇用の安定と処遇改善を達成するためには、職場の非正規労働者の組織化、均等待遇を含めた有期契約労働者の処遇改善など、労働組合の取り組みが不可欠である。連合は、改正労働契約法が非正規労働者の保護に一層資するものとなるよう、現場での取り組みを進め、あわせて、今後提出が予定されるパートタイム労働法改正法案の早期成立に全力で取り組む。


以上