事務局長談話

 
2010年08月05日
2010年度地域別最低賃金引き上げ目安に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  8月4日に、中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(小委員長:今野浩一郎学習院大学経済学部教授)は、2010年度地域別最低賃金の引き上げ目安をとりまとめ、8月6日の中央最低賃金審議会にその結果を報告することとなった。目安額は、A、B、C、Dすべてのランクで10円となった。生活保護水準とのかい離がある都道府県について労働側は早期解消を主張したが、かい離額の大きい6都府県で実質的に1年延長されることになった。この結果、適用労働者による加重平均は15円となる。以上の結果は、低所得層の増大、厳しい生活実態、雇用戦略対話の合意を踏まえると決して十分なものとはいえない。

  2.  景気動向は、地方経済の停滞や消費が低迷しているもののリーマン・ショック後の世界同時不況から急速に回復しつつあるなかではあったが、C・Dランクの底上げを早期に行なうため、Dランクを3年で800円に到達させることや、生活保護とのかい離解消を一気に進めることはできなかった。しかし、地域における経済・雇用情勢のバラツキが大きい中で、時間額が単独表示(2002年)になって以降、Dランクで初めて2桁となったことの意義は大きい。

  3.  雇用戦略対話の合意には、前提条件として成長率が名目3%、実質2%となっている。また、これに加え中小企業支援策、中小企業の生産性向上があり、これらのことが実績として示されていないことなどから、使用者側は、来年度からスタートすべきと主張し、今年度の引き上げには強硬に反対した。これに対し労働側は、全国最低800円を達成するための道筋を、今年度をスタートの年として示す必要があるとして、最低賃金の引き上げ、中小企業支援策の実施、経済成長は同時並行的に進めていくべきとした。今回の報告は、雇用戦略対話の合意である「できるだけ早期に全国最低800円、2020年までに平均1,000円」の達成に向けた道筋を示したとは言い難いものの、確実に一歩を進めたものと受け止める。

  4.  連合は引き続き、生活できる最低賃金への引き上げをめざし、雇用戦略対話の合意の具体化や生活保護とのかい離を早期に解消するため、水準を重視した引き上げと最賃制度の抜本的な改革をめざして取り組みを強化する。


以上