事務局長談話

 
2010年05月12日
改正健康保険法の成立についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  健康保険法等改正案(医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案)が5月12日の参議院本会議で可決、成立した。全国健康保険協会(協会けんぽ)への国庫補助率の引き上げ、被用者保険の後期高齢者支援金の見直しなどで、協会けんぽの保険料率の引き上げ幅を一定程度圧縮できることとなった。さらに、前日の参議院厚生労働委員会で「高齢者医療制度に公費負担を充実する」など3項目の附帯決議が付けられたことと合わせ評価する。

  2.  新たな高齢者医療制度の在り方について検討を行っている最中に、総報酬制を一部導入することについては、自立的な運営を行っている健保組合から強い批判が出ており、国会での議論でも健保組合の理解を得ることの必要性が繰り返し指摘された。賃金の低下による保険料収入の減少は、協会けんぽ、健保組合双方の財政基盤を揺るがしている。このような問題は被用者保険間の支えあいだけで対応できるものではなく、附帯決議の通り、「皆保険」の維持のため、公費負担の充実を図らなければならない。

  3.  連合は急激に悪化した協会けんぽへの財政支援の強化を、社会保障審議会医療保険部会をはじめ様々な機会を通じて、政府に対して繰り返し強く求めてきた。また、4月27日には、日本経団連、健保連、協会けんぽと共に厚生労働大臣に対し要請を行い、持続可能な「皆保険」制度のためには、高齢者医療への公費負担増が必要であると訴えた。

  4.  現在、後期高齢者医療制度の廃止後の新たな高齢者医療制度について検討が行われている。連合は、高齢者医療への公費負担増が不可欠であること、保険者機能の発揮と効率的な運営の観点から職域保険と地域保険の共存による制度体系とすべきとの4団体要請の基本認識に立ち、退職者を被用者保険が支える仕組みとしての「退職者健康保険制度」の実現による「皆保険」の再構築に引き続き取り組んでいく。


以上