5.くらしの安心・安全の構築|食料・農林水産政策

2-18-1.「国民一人一人の食料安全保障」の実現に向け、食料自給力の向上を戦略的に推進し、安定供給体制の維持・充実をはかる。

  1. (1)国・地方自治体は、食料の安定供給に向けて、食料・農業・農村基本法の「国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと併せて安定的な輸入及び備蓄の確保を図る」との趣旨にもとづき、農業・水産業の持続可能で健全な発展を通じて、食料自給力の向上を戦略的に推進する。あわせて、肥料・飼料をはじめとする生産資材の国内化などによる不測時に強い体制の構築と、安定的で効率的な備蓄・輸入の確保などを着実に進める。
  2. (2)不測時における食料供給困難事態対策法の運用にあたっては、生産転換の要請時に農業者に対し、技術支援、農機具や生産資材の確保などの支援を行い、農業者が協力しやすい生産体制を整備する。
  3. (3)国は、食料システムにおける合理的な価格形成に向けて、生産、加工、流通、販売などの各段階において、コスト上昇分の価格転嫁や付加価値を適正分配する、実効性ある仕組みを構築する。
  4. (4)国・地方自治体は、食料安全保障の確保には国民の理解醸成が不可欠なことを踏まえ、食料システムにおける合理的な価格形成や地産地消・国消国産の推進に資する、食育・消費者教育の取り組みを一層推進する。(「消費者政策」「教育政策」参照
  5. (5)国・地方自治体は、地産地消の推奨など国民運動の展開や、フードチェーンの連携強化などを通じて国産食品の消費拡大を促進する。食料消費は、高齢化や人口減少、ライフスタイルの多様化により食生活および国内市場構造が変化していることから、消費者視点を重視し、介護食品の開発・普及、薬用作物や加工・業務用野菜等の生産、地産地消、食育などを通じ、食品産業の現状を考慮した、きめ細かな新規需要の掘り起こしをはかる。
  6. (6)国は、「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」にもとづき、国産食品の輸出拡大を着実に実施する。(「産業政策」参照)
  7. (7)国・地方自治体は、食品ロス削減を推進すべく、食品関連事業者における消費期限・賞味期限の適切な設定(注2)、流通現場における納入期限・販売期限に関する運用ルール(「三分の一ルール」)の見直しなどを促がす。あわせて、食品ロス削減に向けた国民運動のさらなる推進をはかる。(「消費者政策」参照
  8. (8)国・地方自治体は、食品アクセス問題の解決に向けて、事業者と連携をはかりつつ以下の対策を実施する。

    ①高齢化や人口減少などの影響により食品の入手が困難となっている地域での移動販売や宅配サービスの展開など、事業者などとの連携をはかりつつ対応策を検討・実施する。(「産業政策」「地域活性化政策」「介護・高齢者福祉政策」「交通・運輸政策」参照

    ②フードバンクや子ども食堂などへの食品寄附推進に向けて、公共施設など活動場所の支援や、さらなる備蓄米の活用、寄附した食品に起因する意図しない事故の免責制度や税制優遇など企業の食品寄附を後押しする制度などについて検討する。

  9. (9)国は、輸入相手国のリスク分散や輸入相手国への投資の促進を着実に実施し、食品、原材料、生産資材などの輸入を安定的に確保する。あわせて、遠洋漁業水域における漁場確保に資する施策を推進する。
  1. (注2)消費期限・賞味期限の適切な設定 ~消費期限・賞味期限は理化学試験・微生物試験などを踏まえた客観的指標に、食品の特性に応じた1未満の「安全係数」をかけて設定される。食品ロス削減の観点から、安全係数は0.8以上を目安に設定することが望ましいとされるが、実際に0.8以上で設定している事業者は20.5%にとどまる(令和3年度食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム賞味期限に関する実態調査)。

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