要請書手交の様子(左:保岡大臣政務官、右:神保事務局長)
連合は10月26日、農林水産省に対して「2026年度連合の重点政策」に関する要請を実施しました。
冒頭、神保事務局長から保岡大臣政務官に要請書を手交したあと、双方から挨拶がありました。次に、小原総合政策推進局長から、連合「政策制度 要求と提言」から「持続可能な農業に向けた再生産可能な所得の確保と食料安全保障や農地の多面的機能の発揮に向けた制度の見直し」「食料システムにおける合理的な価格形成に向けた実効性のある仕組みの構築」について説明・要請しました。
これに対して、保岡大臣政務官からは以下の主旨の回答がありました。
〇持続可能な農業に向けては、再生産可能な所得を確保し、生産コストを充分に吸収でき
ている状態が基本だと考える。経営所得安定対策としては、諸外国との生産条件の格差
から生じる不利益を補填するための「ゲタ対策」や、収入減少の影響を緩和するための
「ナラシ対策」を措置している。また、令和7年度から行っている「農業構造転換集中
対策」として、農地の集約化・大区画化等の基盤整備、スマート農業や低コスト技術の
導入・定着、官民での新品種開発など、生産者がより効率的・効果的に営農拡大できる
環境整備を進めている。
〇加えて、農地の多面的機能の発揮の観点では、令和9年度に向けて水田農業政策の見直
しを進めており、条件不利地域だけではなく、その周辺地域まで支援を拡大すること
や、 多面的機能支払制度に関する活動組織の体制強化のための支援を検討している。
また、環境保全型農業支払制度に関して、環境に良い農業に取り組むことで収益が減少
した場合の支援についても新規で検討している。いずれも、生産者の実態に寄り添いな
がら、食料安全保障の確保に向けて農業生産が持続できるよう推進していく。
〇食料品の価格形成は、需給状況や品質の評価が適切に反映され、最終的な取引は当事者
間で決定していくことが基本となる。そのうえで、コストを考慮した取引が行われる環
境を整備することが重要である。本年4月に全面施行された「食料システム法」におい
て、価格転嫁や取引条件に関する協議の申し出があった場合に誠実に協議に応じること
が定められており、合わせて、食品ロスの抑制やサプライチェーン全体での省人化・省
力化につながる商慣行の見直しも積極的に進める必要がある。これら取引実態を監視す
る役割としてフードGメンを配置しており、現時点では指導・助言が必要となる事例は
発生していないが、情報が入ってきた際には誠実に対応していく。
その後、以下の点について意見交換を行いました。
・武部大臣が会見で述べたように、政府備蓄米放出後の平準化(補充)にはミニマムアク
セス米(海外から無関税で最低限輸入しなければならない米)ではなく、国産米の計画
的な生産によって行うべきである。
・食料品の安さばかりが強調され、消費者の短期的なメリットが重視される社会の風潮を
危惧している。日常的に自分が口にする食べ物がどのような環境で作られているのか、
そういった背景を知っている、知ろうとしている消費者が増えれば生産者も手間暇をか
け、付加価値を高める努力をするのではないか。
・高付加価値の食料品が増えていけば、国内で適正な価格で受け入れられ、海外でも勝負
することができるのではないか。食料品の価値や価格転嫁について国民的な議論や意識
改革が進むことが、生産者を守り、持続可能性の向上に繋がっていくと考える。
・農林水産省として、おいしい食べ物・安全な食べ物に付加価値がつくような社会をめざ
し各種政策を推進していきたい。