芳野会長挨拶の様子
連合は、5月18日、上野厚生労働大臣に対して「2026年度 連合の重点政策」の要請を実施しました。
冒頭、芳野会長が上野厚生労働大臣に要請書を手交した後、「今後の予算編成や政策課題の解決に向け、要請内容について検討いただきたい」と述べた後、神保事務局長から要請事項について、以下3項目を中心に説明を行いました。
(1)雇用保険について、一般会計からの機動的な繰り入れなどによる財政の安定化、本来の役割である「労働者の生活と雇用の安定」に向けた機能強化
(2)職場におけるハラスメントの規範意識の醸成、行所管省庁との連携によるカスハラ対策への取り組み支援、ILO190号条約批准に向けた取り組みの推進
(3)介護人材の確保・離職防止に向けた処遇改善、地域の介護サービス提供体制の維持、ICTやAI活用支援した業務負担軽減、カスハラ対策を含めた安心して働き続けられる環境整備
要請を受けた上野厚生労働大臣は「働く方々、生活者の立場から現場の貴重なご意見をいただくとともに、厚生労働行政の推進にご理解・ご協力いただいていることに感謝申し上げる」と述べました。
その後、上野厚生労働大臣および関係局長等から、以下のとおり回答がありました。
(1)雇用調整助成金はこれまでの実績を踏まえ必要な予算措置を講じているが、中東情勢による今後の影響について注視していく必要がある。現時点では、雇用情勢に大きな影響は生じていないと考えるが、引き続き緊張感をもって状況を見極めていく。国庫負担については、一般会計から機動的な繰入れが可能な仕組みとしており、財政状況を踏まえつつ、審議会で意見を伺いながら対応していく。
(2)昨年の国会で成立した改正労働施策総合推進法等において、職場におけるハラスメントを行ってはならないことを法文上明確化し、国が規範意識の醸成に取り組むほか、カスハラ対策や就活等セクハラ対策を事業主に義務づけた。これらの着実な施行と履行確保に努める。カスハラは業種・業態に応じた対応が必要であることから、関係省庁と連携して取り組みを進める。なお、これらの対応は、ILO第190号条約の批准に向けた環境整備に資するものであり、条約と国内法制との整合性も踏まえ、批准に向けた検討を進める。
(3)介護人材の確保に向けて処遇改善が重要であり、報酬改定に向けて必要な対応を進めていく。地域の実情に応じた多様なサービス基盤の整備に向け、社会福祉法等改正法案を国会に提出している。ICTやAIなどの新技術の利用促進に向け、都道府県を通じた導入費用の補助やワンストップ相談窓口の設置を進めている。介護現場におけるカスハラ対策についても、全ての介護事業者に対する対応の義務付けや周知徹底をはかっていく。
その後の意見交換の中で、連合からは、
(2)連合に寄せられた労働相談の種別ではハラスメント関連が最多である。法改正を機に、地域や企業規模に関わらず、すべての職場でハラスメントを行ってはならないことの規範意識の醸成と実効的な防止措置の徹底および、カスハラについても、関係省庁と連携し、撲滅に向けた取り組みが重要である。加えて、これらの実効性を高める観点からも、ILO第190号条約の批准に向けた取り組みを進めるべき
(3)連合は5月16日に医療・介護で働く者の職場環境などの課題認識を共有する集会(医療・介護フェス2026)を開催し、介護現場で働く人の切実な実態が報告されたところ。介護人材の確保に向けて、2027年度介護報酬改定などを通じた、他産業と遜色のない賃金水準へ引き上げるための処遇改善が待ったなしの状況であり、対応が必要である
ことなどを、改めて指摘しました。
最後に、芳野会長が、「誰もが健康で安心して働ける環境整備が重要であり、今後もこのような意見交換の場を設けていただきたい」と挨拶しました。
これに対し、上野厚生労働大臣は、「それぞれ貴重な現場の状況を紹介いただいた。要請内容はいずれも重要な課題であり、いただいた意見を真摯に受け止め、それぞれの審議会などでしっかりと議論を進めていく」と述べ、締めくくりました。