連合ニュース 2025年

 
2025年04月27日
第96回メーデー中央大会を開催
~次代につなぐ 平和の願い! みんなでつくろう 支え合う安心社会と確かな未来(あした)を!
芳野友子 メーデー中央実行委員長
 4月26日(土)、第96回メーデー中央大会を東京・代々木公園において開催し、29,200人の働く仲間やその家族などが一堂に会し、労働条件の改善、人権の確立、平和への思いなど共有しました。出展エリアでは、70以上の団体が活動紹介や物品販売などを行ったほか、子どもイベントや献血活動、プロ野球選手会の協力によるキャッチボール教室・スピードガン体験なども行われました。また、特設コーナーでは、「能登半島復興支援 出張輪島朝市」、「食料・文房具の寄付受付」、「フリーランスのイラストレーターによるチャリティー似顔絵コーナー」、「平和コーナー」を実施しました。
 
 中央式典は、斉藤千秋中央実行副委員長(連合東京会長)による開会宣言で始まり、芳野友子中央実行委員長(連合会長)が主催者を代表して挨拶しました。芳野中央実行委員長は、冒頭、今年が戦後80年の節目にあたることを踏まえ、「今日ほど、『平和なくして労働運動なし』『民主主義なくして労働運動なし』ということを実感できる日はなく、先人への敬意と感謝を表し、今を生きる私たちが、未来に向かって平和を求め続ける決意を新たにするメーデーとしたい」と述べました。また、2025春季生活闘争については、「昨年に引き続き高水準での賃金改善、とりわけ中小・小規模事業所において前回を上回る賃上げ率となり、確実に格差は縮まっている。働くことが単に生活の糧を得るだけではなく、一人ひとりの人生そのものであり、自己実現の一つとして位置付けられる」と述べました。さらに、平和や人権の侵害、自然災害、世界経済など取り巻く情勢に対して、「混とんとした世界を突き進むには希望という光を常に灯し、一致団結するしかない。80年前に多くの犠牲と引き換えに築かれた平和をこの先につないでいくため、改めて力を合わせ、心を合わせましょう」と呼び掛けました。
 
 来賓挨拶では、政府を代表して石破茂内閣総理大臣が、「わが国における経済政策の最重要課題は賃上げであり、『賃上げこそが成長戦略の要』との認識の下、物価上昇に負けない賃上げを必ず実現をする。きちんと賃金が上がり、下請けの方にも適切に代金が払われ、新しい商品・サービスを開発するための投資は決して惜しまない付加価値向上型の経済をめざす」と述べました。また、「2025春季生活闘争では、中小組合を含む33年ぶりの高水準の賃上げとなったが、統計上の数字だけではなく、働く人々、一人ひとりの実感に変えていかなければならず、未組織労働者や非正規雇用の方々の賃上げをめざす」述べました。さらに、16年ぶりの開催となった政労会見にも触れ、「『2020年代に全国平均1,500円』の最低賃金の実現に加えて、地方創生の重要性や、一人ひとりが尊重される『人財尊重社会』の実現に向けて今後とも最大限の努力をする」と決意を述べました。
 
 労働行政を代表して福岡資麿厚生労働大臣は、「今年の賃上げは労使の真摯な交渉により、昨年超えを含む高い水準の回答が相次ぐなど、賃上げの力強い動きが出ている。厚生労働省としても、地方連合会をはじめとした政労使のトップに参画いただき、全都道府県で『地方版政労使会議』を開催したほか、令和7年度予算において『賃上げ支援助成金パッケージ』を取りまとめるなど、賃上げに向けた環境整備に取り組んでいる」と述べました。さらに、「多様性の尊重は、社会の持続的な発展の基盤であり、女性や高齢者をはじめ、国民一人ひとりが、その能力を十分に発揮し活躍することが、我が国の活力維持・向上には不可欠である。 働く方々の個々のニーズに応じて、多様で柔軟な働き方を選択することができる社会の実現をめざす」とし、さらに「本格的に少子高齢化、人口減少が進む中で、負担能力に応じて皆が支え合う全世代型社会保障を構築していくことが重要あり、必要な保障が欠けることのないよう留意しつつ、セーフティーネット機能を次の世代にも引き継いでいけるよう、将来世代も含めた全世代の安心を保障する観点から検討を進めていく」と述べました。
 
 東京都を代表して小池百合子知事は、「東京都では、すべての人が輝き、一人ひとりが幸せを実感できる都政の姿を描いた『2050東京戦略』を取りまとめた。最も大事なのは『人』であり、全国で初となるカスハラ防止条例が4月から施行されているが、その理念を浸透させ、実効性を確保するためにも引き続きサポートしていく。DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用による手取り時間確保と、人口の半分を占める女性の力を最大限引き出し、『女性活躍の輪Women in Action(WA)』を広げていくための機運醸成を進めていく」と述べました。
 
 その後、来賓・協賛団体を代表として、中央労福協・南部美智代事務局長、全国労働金庫協会・西田安範理事長、こくみん共済 coop・打越秋一代表理事 理事長、日本生協連・土屋敏夫代表理事会長、日本退職者連合・人見一夫会長が紹介されました。
  
 春季生活闘争の取り組みを続ける現場から、サービス連合の永江光都子中央執行委員より、「ホスピタリティやおもてなしは『タダ』という長年の商慣習にもとづく価格設定や、『お客様は神様』などに示されるサービス提供者が我慢を強いられる暗黙の風潮があるが、産別全体として働くものを守る職場環境の整備に取り組む」、「サービス・ツーリズム産業は平和産業といわれており、国際社会の安定があってこそ、人流・物流を担うことができる。平和産業である私たちも、みなさんとともに働くものの立場から運動を展開していく」と訴えました。
 
 国際連帯・人権尊重の現場から、JAM組織グループ組織化推進局、在日ビルマ市民労働組合のミンスイ会長が、「日本国内で介護技能実習生として働く仲間が、勤務先から有給休暇は認めない、すぐに辞めろと言われたが、在日のミャンマー労働者、すべての労働者が、働くものの権利が守られ、安心、安全に働くことができるよう日々取り組んでいる。また、母国ミャンマーでは2021年2月の軍事クーデーから4年が過ぎ、多くの犠牲者や避難者が出ている。さらに先月28日に発生した大地震により、多くの国民が大変苦しい状況に陥っている。メーデー会場のブースで募金活動をしているのでぜひミャンマーを支援していただきたい」と訴えました。
 
 最後に、永渕達也メーデー常任実行委員(情報労連 中央執行委員)が戦後・被爆80年、次代につなぐ平和の特別決議(案)を、さらに横内愛咲メーデー常任実行委員(UAゼンセン 運動推進局)がメーデー宣言(案)を提案し、満場の拍手で採択され、式典は玉那覇仁メーデー常任実行委員(航空連合 副事務局長)のがんばろう三唱で閉会しました。
 
 第96回メーデー中央大会のダイジェスト版は、後日、RENGO-TV(YouTube)にアップいたします。
  • 斉藤千秋 メーデー中央実行副委員長
  • 石破茂 内閣総理大臣
  • 福岡資麿 厚生労働大臣
  • 小池百合子 東京都知事
  • 永江光都子 サービス連合中央執行委員
  • ミンスイ JAM組織グループ組織推進局・在日ビルマ市民労働組合会長
  • 永渕達也 メーデー常任実行委員
  • 横内愛咲 メーデー常任実行委員
  • 玉那覇仁 メーデー常任実行委員
  • がんばろう三唱
  • 第96回メーデー中央大会「イベント広場」
  • 能登半島復興支援「出張輪島朝市」
  • 日本プロ野球選手会「キャッチボール教室・スピードガン体験」