連合ニュース 2024年

 
2024年12月26日
芳野会長、政府「第14回GX実行会議」で意見表明
 12月26日夕刻、政府「GX実行会議」(議長:石破首相)の第14回会合が首相官邸で開催され、連合から芳野友子会長が構成員として出席しました。今回の会合では、武藤GX実行推進担当大臣より「GX2040ビジョン(案)」について、浅尾環境大臣より「GX2040ビジョン(案)における環境省の取り組み」についてそれぞれ説明がありました。
 芳野会長は「めざす社会像の共有」「公正な移行」「排出量取引制度」について意見を述べました。
 
<芳野会長発言要旨>
〇今回示されたGX2040ビジョンは、GX推進法の目的である「国民生活の向上と国民経済の円滑な発展に寄与する」ための具体策が示されたものであると認識している。2050年カーボンニュートラル実現に向けては、今回示された様々な施策を、国民や企業、地方自治体などが理解・納得の上で進めていく必要がある。
〇「めざす社会像の共有」について。本ビジョンをもとに、始動したGXの取り組みを2040年に向けて大きく飛躍させるためには、産業部門はもとより、家庭部門を含むくらしのGX推進も大変重要。くらしを支える国民一人ひとりの行動を変容させていくには、GXが実現した社会像を共通の認識としていく必要があり、政府にはこの点の発信力を強化いただきたい。
〇「公正な移行」について。GXを推進する上で、公正な移行の観点から、新たに生まれる付加価値の高い雇用への移動を適切に進めることは大変重要。特に、サプライチェーンに連なる中小・零細事業者の雇用に対しては、サプライチェーン任せにするのではなく、国による強力な目配りと支援をお願いしたい。あわせて、中小企業は地域経済を支える重要な担い手であり、地域サービスなど地域住民への影響が生じないよう、地域経済の公正な移行も進めていく必要がある。
〇排出量取引制度について。排出量取引制度は、企業、自治体、働く者、生活者など国民全体に影響する施策である。特に、「脱炭素移行コスト」がCO2多排出産業のみに課せられると、生産拠点の海外移転などカーボンリーケージを引き起こし、雇用や賃金に影響が生じる可能性がある。そのため、脱炭素移行コストは、特定の産業だけでなく、便益を享受する国民全体で広く負担することが重要であり、政府には、負担に対する理解醸成に率先して取り組んでいただきたい。あわせて、排出量取引制度を先行導入している自治体制度とのすみ分けやエネルギー関係諸税など既存制度との整理もお願いしたい。

以上