12月11日、「第2回新しい地方経済・生活環境創生会議」(議長:伊東地方創生相)が中央合同庁舎で開催されました。今回の会合では、「これまでの地方創生の取組の成果と反省について」および「今後の地方創生策の在り方について」意見交換が行われました。
連合からは構成員として芳野会長が出席し、政府の地方創生の取り組みに対して意見表明しました。
<芳野会長発言要旨>
〇「女性の活躍推進」について、男女間賃金格差と地方からの若年女性の流出に「緩やかな相関関係が観察される」ことが指摘されている。男女間賃金格差は性別役割分担意識やジェンダー・バイアスなどを含め、女性が活躍しづらく、働き続けづらい環境にある結果として現れている数字であり、この会議の目的である地方創生のためにも、国が先頭にたって、女性活躍の推進に取り組むべきである。
日本ではいまだ「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という性別役割分担意識が根付いており、このことが、女性の就労意欲や職域経験を狭め、就労継続や管理職登用の妨げとなっていることを、真正面から受け止め、性別役割分担意識の払拭に国として全力で取り組むことこそ、女性活躍の推進につながると考える。
〇「非正規雇用の「正規化」の推進」について、石破総理が「日本創生に向けた人口戦略フォーラムinとっとり」にて話された資料中に「地方自治体の『会計年度任用職員』の処遇改善や地方公務員の兼業・副業の弾力化を図る」と記載されているが、国民にとって住みやすく、魅力のある地方にしていくためには、地方公務員がその地域のために全力で働ける職場環境をつくっていくことが重要と考える。そのため、会計年度任用職員については、処遇改善に加え、正規化をはじめとする雇用の安定こそが必要である。また、地方公務員については、兼業・副業の弾力化ではなく、地域を支えるという働きに見合った処遇の改善が重要である。
〇「地方における人材育成のための環境整備」について、現場からは、「子どもにかかわる支援は重要だが、地方行政では限界がある」「地方は教員不足が顕著となっている」など、地方を支える人材育成の課題を訴える声が多く寄せられている。
特に、家庭の貧困による教育格差が貧困の連鎖を生んでいるとも指摘されており、幼児教育から高等教育にかかる費用を無償化し、社会全体でこどもの学びを支えていくことが必要である。あわせて、人財育成を担う教師が、こども達と向き合いきめ細やかな教育を行う時間を確保するためにも、教職員の定数改善などによる配置増、業務の見直しや週の持ちコマ数減による業務削減、学校の働き方改革による長時間労働の是正が必要である。
なお、教員のメンタル疾患による休職者は2年連続で過去最多を更新しており、教職員の健康と福祉を確保するためにも、労働基準法第37条を適用する、安全配慮義務を課すなど給特法の抜本的な見直しについても検討していく必要がある。
以上