連合ニュース 2024年

 
2024年09月24日
「解雇規制に関する緊急学習会」を開催
講演を行う古川景一弁護士
 連合は9月20日、「解雇規制に関する緊急学習会」を連合会館(オンライン併用)で開催し、構成組織や地方連合会、関係団体、報道関係者など、300名超が参加しました。
 
 昨今、解雇の金銭解決制度の導入や解雇規制緩和に関する意見提起などがなされている情勢を踏まえ、解雇ルールの現状と課題、解雇規制を求める意見の問題点などについて認識を共有することを目的に開催したものです。
 
 冒頭、主催者を代表して芳野友子 会長は、開催趣旨について説明した上で、「判例の蓄積によって形づくられた重要な解雇ルールが政争の具とされた上、ゆがめられることがあってはならない」、「解雇の金銭解決制度も使用者のリストラや退職勧奨の手段として悪用される懸念が非常に大きいため、到底容認できない」と述べました。
 
 講演(1)では、「日本の解雇規制の現状と課題」と題し、古川景一 弁護士が、解雇ルールの内容や解雇権濫用法理の法制化に至るまでの攻防とその成果の解説、諸外国と比べて日本の解雇ルールが厳しくないことにも触れ、緩和など全く必要なく、現在のルールを堅持しつつ労働者保護の観点で発展させるべきとお話しされました。
 
 つづいて、講演(2)では、「解雇の金銭解決制度の問題点」と題し、水口洋介 弁護士が、解雇の金銭解決制度について長年繰り返された議論の内容と経過を説明し、同制度は使用者の新たなリストラの手段となるだけでなく、違法な解雇なら雇用は保障されるべきとの規範が崩れるなど重大な影響を及ぼすため、導入すべきでないとお話しされました。

 閉会挨拶では、清水秀行 事務局長が「日本を、いつ解雇されるか分からないような、安心して働くことのできない社会にすべきではない。私たち働く者はそのような社会を断じて望んでいない」とした上で、「働く者がやりがいをもって働くことのできる社会の実現に向け、共に取り組んでいきましょう」と呼びかけ締めくくりました。
以 上
  • 開会挨拶・芳野会長
  • 古川 景一 弁護士
  • 水口 洋介 弁護士
  • 閉会挨拶・清水事務局長