連合ニュース 2024年

 
2024年04月28日
第95回メーデー中央大会を開催
~連帯の力で 平和と人権を守り 誰もが安心して暮らせる新たなステージへ!  被災地の復旧・復興に向けて みんなで支え合い・助け合おう!~
芳野 友子 メーデー実行委員長
 4月27日(土)、第95回メーデー中央大会を東京・代々木公園において開催しました。28,800人の働く仲間やその家族などが一堂に集まり、労働条件の改善、人権の確立、平和への想いなど共有しました。また、出展エリアでは、70以上の団体が活動紹介や物品販売などを行ったほか、子どもイベントや献血活動、プロ野球選手会の協力によるキャッチボール教室・スピードガン体験なども行われました。また、特設コーナーでは、「連合石川復興支援コーナー」、「食料・文房具の寄付受付」、「フリーランスのイラストレーターによるチャリティー似顔絵コーナー」を実施しました。
 
 中央式典は、斉藤千秋中央実行副委員長(連合東京会長)による開会宣言で始まり、芳野友子中央実行委員長(連合会長)が主催者を代表して挨拶しました。芳野中央実行委員長は、冒頭、1月1日に発生した能登半島地震について、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、被害にあわれた方々にお見舞いを申し上げました。その上で「労働組合や福祉団体も、物心両面にわたって被災地を応援しつづけている。これまでも、大きな災害が発生するたびに、自然の猛威に無力さを感じながらも、働く者の連帯、すなわち「力あわせ」によって困難な状況にある方々に寄り添ってきた。今日も、ここにお集まりの皆さんと、『心は北陸とともにある』という気持ちを現地へ届けたいと思う」と述べました。また、2024春季生活闘争について、大企業から中小企業にわたって高い賃上げが実現していることに触れた上で「デフレ経済の中で背を向けてきた『良い物やサービスには値がつく』ということを改めて確認しましょう。そして、『価格転嫁、価格交渉、環境整備』をすすめ、『労務費を含む適切な価格転嫁』という当たり前の商習慣を根付かせましょう。また、私たち生活者としても、商品やサービスの裏側にいる大勢の労働者に思いをいたし、『安ければ良い』ではなく『良い物には値が付く』ことをきちんと受け入れましょう」と呼びかけました。
 
 来賓挨拶では、政府を代表して岸田文雄内閣総理大臣が「岸田政権では経済、経済、経済と申し上げてきた。長年にわたり染み付いたデフレ心理を払しょくし、賃金が上がることが当たり前との方向に社会全体の意識を一気呵成に変えなければならないという思いで一歩も二歩も踏み込んだ政策を続けている。今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現する。そして来年以降に物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させる。」と述べました。また、「2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであるとの認識のもと、約3.6兆円規模に及ぶ子ども・子育て支援を実施する。長年指摘されながら実現することができなかった施策を盛り込んだ『子ども・子育て支援法等改正法案』の今国会中の早期成立に向けて最大限努力をする」とした上で「今後も連合の皆さま方のご意見に耳を傾け、より連携し、政策を1つ1つ果断に、丁寧に進めていく」と述べました。
 次いで、労働行政を代表して武見敬三厚生労働大臣は「能登半島地震への対応について、厚生労働省としても保険医療福祉の支援強化、雇用調整助成金の要件緩和などを講じている。今後も被災者の声に寄り添いながら被災者の生活と生業の再建に努めていく」とした上で「現在のわが国は人口減少の下、様々な産業で人手不足の状況が生じている。このような社会においてデジタル化等による成長産業における人材育成や生産性向上が必要となる。また、わが国で活躍する外国人の方々との共生社会を創り上げることも必要。こうした社会を見据えるとリスキリングや円滑な労働移動を進める取り組みなど三位一体の労働市場改革を着実に実施することが重要。喫緊の重要課題に対応する為、今後とも連合の皆さんのご意見も伺い、十分な議論を重ねつつ具体的な取り組みを進めていく」と述べました。
 続いて、東京都を代表して小池百合子知事より「連合の皆様には都の施策に対して現場の実情を踏まえた貴重な提言を頂いていることに感謝申し上げる。例えばカスタマーハラスメント防止に向け、連合東京の協力を頂き専門家も交えた議論を始めており、独自の条例化を検討している」とした上で「わが国が長年先送りしてきた構造的課題がいよいよ先鋭化してきている。そこで明るい未来を切り開くのは人である。働く場、就業環境を守っていくことがいかに重要か認識して参りましょう」と述べました。

 次いで、日頃より連携頂いている立憲民主党、国民民主党の両党よりご挨拶を頂きました。泉健太立憲民主党代表は「私たちはまっとうな政治をめざして闘う。綺麗な政治は当たり前。金儲けに熱心になる政治を変えて、皆さんの生活を改善する政治に邁進する。そしてまっとうな政治とともにまっとうな資本主義が必要。今、政治を変える局面が来ている。私たちは全国、国会の中で闘っていく」と述べました。
 続いて、玉木雄一郎国民民主党代表は「国民民主党は結党以来、給料が上がる経済の実現を掲げてきた。今年の春季生活闘争の結果は素晴らしいと思うが、新しいステージにどのように入っていくかが重要である。働く人が希望をもって、安心感をもって働くことのできる未来への希望を持てる社会を創ることをお誓い申し上げる」と述べました。

 次に、来賓・協賛団体を代表として、中央労福協・南部美智代事務局長、全国労働金庫協会・西田安範理事長、こくみん共済 coop・打越秋一代表理事 理事長、日本生協連・土屋敏夫代表理事会長、日本退職者連合・人見一夫会長が紹介されました。
 
 春季生活闘争の取り組みを続ける現場から、JAM東京千葉千代田鋼鉄工業労働組合の加藤雅治執行委員長は、「多くの中小企業ではエネルギー、原料価格、労務費の上昇を吸収できず収益を圧迫している。人材の維持・確保に必要な賃上げ分も含めた価格転嫁が円滑に促進されなければ事業の継続が危ぶまれる。大手企業が下請けや孫請け企業が利益を出せる体質づくりに資する取り組みを展開していることに感謝しつつ、一層のご理解・ご協力があってこそ中小企業が成り立つ。大手企業の働きかけをお願いしたい」と訴えました。
 
 続いて、能登半島地震復旧・復興の現場から、連合石川かなざわ地域協議会の坂本修一事務局長は「能登半島地震に際し、連合本部をはじめ、構成組織、地方連合会、関係組織より温かいご支援を頂くとともに、3月25日よりボランティア派遣も開始され復旧・復興に向け被災地の皆さんの希望となっていること心より感謝申し上げる。今回の震災は中能登、奥能登のみならず県内の広域に渡り、地域の特性により復旧・復興に向けては息の長い取り組みが必要であることを知って頂き、引き続きのご支援をお願い申し上げる」と訴えました。
 
 最後に、山崎卓也メーデー常任実行委員(日教組 組織局次長)がメーデー宣言(案)を提案し、満場の拍手で採択され、式典は、髙谷鮎香メーデー常任実行委員(電力総連 組織局部長)のがんばろう三唱で閉会しました。
 
 第95回メーデー中央大会のダイジェスト版は、後日、RENGO-TV(YouTube)にアップいたします。
  • 斉藤 千秋 メーデー中央副実行委員長
  • 岸田 文雄 内閣総理大臣
  • 武見 敬三 厚生労働大臣
  • 小池 百合子 東京都知事
  • 泉 健太 立憲民主党代表
  • 玉木 雄一郎 国民民主党代表
  • 加藤 雅治 JAM東京千葉千代田鋼鉄工業労働組合執行委員長
  • 坂本 修一 連合石川かなざわ地域協議会事務局長
  • 山崎 卓也 メーデー常任実行委員(メーデー宣言(案)提案)
  • 髙谷 鮎香 メーデー常任実行委員(がんばろう三唱)
  • がんばろう三唱
  • ブース出展(店)の様子
  • 連合石川復興支援コーナー
  • キャッチボール教室の様子