連合ニュース 2024年

 
2024年03月13日
一般社団法人日本BPO協会と連合が共同宣言を確認
派遣労働者・有期雇用労働者が安心して働くことができる環境整備のために
共同宣言
連合は、2010年以降断続的に、派遣・請負労働者の処遇改善や派遣・請負事業の適正かつ健全な運営に向けて、一般社団法人日本BPO協会との間で、意見交換会や共同宣言の確認を行ってきました。

雇用・労働環境が大きく変化する中、すべての労働者の処遇改善など、安全・安心で、多様な働き方を実現する就業環境の整備と人への投資の重要性は一層増しています。そうした中、日本BPO協会、連合が各々の立場で、派遣労働者・有期雇用労働者が安心して働くことができる社会の構築に向け、取り組む課題などについて意見交換を行い、以下のとおり共同宣言を確認しましたのでご報告いたします。
 
一般社団法人日本BPO協会と日本労働組合総連合会との共同宣言

一般社団法人日本BPO協会(以下、「BPO協会」という)と日本労働組合総連合会(以下、「連合」という)は、2010年以降断続的に協議の場を持ち、派遣労働者・有期雇用労働者が安心して働くことのできる環境整備に向け、取り組むべき課題について意見交換を進めてきた。

超少子・高齢化の進展にともなう生産年齢人口の減少により、雇用・労働環境が大きく変化する中、高齢者や女性、障がい者などの就業促進、育児・介護に携わる人々をはじめとしたすべての労働者の処遇改善など、安全・安心で、多様な働き方を実現する就業環境の整備と人への投資の重要性は一層増している。

また、「ビジネスと人権」の観点から、企業は、雇用形態にかかわらず事業活動に関わるすべての労働者の人権を尊重しなければならない。労働関係法令の遵守はもちろんのこと、労働者との対話を通じ、より働きやすい職場作りに取り組むことが求められる。

派遣労働者・有期雇用労働者については、改正労働者派遣法による雇用安定措置、改正パートタイム・有期雇用労働法や改正労働者派遣法にもとづく、いわゆる「同一労働同一賃金」の法整備の施行状況を踏まえ、雇用の安定や労働条件向上に向けた取り組みを推進し、法改正等を実効あるものにしていく必要がある。また、賃金も物価も経済も安定的に上昇する経済社会へとステージ転換をはかる正念場を迎えた今、賃上げを中心とする人への投資を一層積極的に進めることが重要であり、派遣労働者や請負現場で働く有期雇用労働者を含め、すべての働く人を視野に入れた社会全体での持続的な賃上げを実現しなければならない。そのため、「労務費の価格転嫁」が確実に行われ、賃上げに向けた適正な原資が確保されるよう、共に協力していかなければならない。

加えて、健全な労使関係のもと、雇用安定と均等・均衡処遇の実現、請負・派遣労働に関する適正な需給調整という重要な社会的機能を担うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)・派遣業界の健全な運営、人への投資による雇用のミスマッチ解消やキャリア形成支援など、派遣労働者・有期雇用労働者が安心して働くことのできる環境を不断に整備していかなければならない。

今後も、BPO協会はBPO・派遣の使用者団体として、連合は労働組合のナショナルセンターとして、相互の対話を深めつつ、それぞれの組織もしくは共同で、上記で指摘した諸課題の解決や達成のための取り組みを実践し、派遣労働者・有期雇用労働者が安心して働きくらすことができる社会の構築をめざし努力を重ねていく。
 
2024年3月12日
一般社団法人日本BPO協会
会 長  清水 竜一

日本労働組合総連合会
会 長 芳野 友子
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