連合ニュース 2023年

 
2023年12月07日
全国知事会に対し、「労務費を含む適正な価格転嫁」の実現に向けた要請を実施
地域の中小企業が賃上げを可能とする環境整備の一層の推進を
要請書手交の様子
 連合は2023年12月6日、全国知事会に対し、地域の中小企業等の賃上げを後押しする取り組みの推進、相談体制の整備などについて要請を実施しました。
 
 冒頭、清水事務局長から中島事務総長に「『労務費を含む適正な価格転嫁』の実現に向けた要請書(添付)を手渡した後、「連合は2024春季生活闘争において、格差是正を含む賃上げに積極的に取り組むためには、労務費を含む適正な価格転嫁が不可欠であり、『人への投資』『未来への投資』を通じた生産性の向上などにより、継続的に賃上げできる環境をつくっていく必要があると打ち出している。11月29日に『労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針』が示された。連合が2024春季生活闘争において、賃上げに向けた基盤整備の重要課題の一つとして求めてきたものであり、早期に指針が示された点は評価している。一方で、業種別に踏み込んだ対策が必要であると考えており、調達部門など交渉現場での実効性の確保も課題である。指針は、国と地方が総がかりで周知・相談活動を展開する必要があり、11月15日に開催された政労使の意見交換、この地方版、つまり都道府県の政労使団体が集まって認識合わせする機会を持つことも重要であると考えている。労務費を含む適正な価格転嫁を着実に進め、地域の中小企業などが賃上げを可能とする環境整備の一層の推進をお願いする」と要請しました。
 
 全国知事会・中島事務総長から、「連合の皆様との意見交換の機会に感謝申し上げる。本日の要請内容については、全都道府県にしっかりと展開する。地域経済の担い手はほとんどが中小企業であり、中小企業が元気にならなければ地域経済は活性化しない。大手企業からの発注に対して、十分に価格転嫁が進むよう、中小企業経営者からの声を受け止めなければならない。価格転嫁を進め賃上げにつなげる流れを中断することなく、継続していかなければならない。本日の要請の主旨は、私どもが国に対して提言している内容と方向性は一致しており、一緒になって取り組むことができるよう対応を考えていきたい。経営者団体からも賛同を得たうえで、会員企業に対しても働きかけるよう努めていきたい」と発言がありました。
 
 清水事務局長は最後に、「原材料費やエネルギー価格は価格転嫁が進んでいるが、労務費・人件費については自社の努力で賄うべきという商慣習があり、変革していく必要がある。働きに見合った価格や賃金の実現をめざし引き続き取り組みを進める」と述べました。
中島事務総長から、「好循環を隅々まで行き渡らせ、賃上げできる環境をつくる必要がある。地方公共団体もその流れに後れをとらぬよう、しっかりと対応していきたい」と発言がありました。