連合ニュース 2023年

 
2023年11月20日
厚生労働省に対し、当面の政策課題に関する要請を実施
要請書手交
 連合は11月20日、大島厚生労働事務次官に対し、当面の政策課題に関する要請を実施しました。
 冒頭、清水事務局長から要請書を手交した後、「格差拡大や現下の物価上昇が人々のくらしや中小企業の経営基盤に打撃を与えるなか、雇用と暮らしを支える施策のさらなる充実が求められている。当面の政策課題に関する要請書を取りまとめたので、今後の政策や予算編成に反映いただきたい」などの挨拶を行いました。
 大島事務次官からは、「日頃からの協力に感謝申し上げる。働く人や生活者を大切にするうえで賃上げは最重要課題であり、格差是正や生活困窮者への支援などもセットで進めるべきとの認識。課題解決に向け、連合とも連携しながら進めたい」などの挨拶がありました。

 要請内容について、厚生労働省からは以下の回答がありました。
○中小企業などに対する各種支援策の周知に向けては、リーフレット作成やSNSを活用した広報などにより、支援策の利活用に結び付くよう努めているところ。申請書の簡易作成ツールや解説動画の掲載のほか、手続きの簡素化にも取り組んでいる。
○医療・介護・障害福祉における賃上げをはじめとする人材確保は喫緊かつ重要な課題であり、2024春季生活闘争における賃上げも重要。補正予算案においても介護職員と看護補助者の処遇改善に係る必要な予算を盛り込んでいる。診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定にあたっては、患者・利用者が必要なサービスを受けられるよう対応を行っていく。
○ハローワークの機能強化に向け、「人材確保対策コーナー」を設置するとともに、職員の研修機会拡充の予算を盛り込むなど、マッチング機能の質の向上に取り組む。また、雇調金はセーフティネット機能を堅持しつつ、企業が教育訓練を選択しやすいよう内容を見直すとともに必要な予算を確保する。雇用保険財政の安定化は急務であり、適切な財政運営を図っていく。

 その後、要請項目や2024年問題に関連する意見交換を行いました。
 最後に、清水事務局長から「各都道府県の労働局がしっかりと機能することが、地方の中小企業に良い効果をもたらすこととなる。本省として地方へのさらなる支援をお願いしたい。高齢化により地域医療や介護の人材不足も予想されるなか、マッチング機能の強化などハローワークの機能強化を期待したい」と述べました。