連合ニュース 2023年

 
2023年10月31日
「2024春季生活闘争中央討論集会」を開催
全国から552名が集結し、2024春季生活闘争方針策定に向けて活発に議論
会場・ウェブ合わせて総勢552名が議論
 連合は10月30日、浦安ブライトンホテル東京ベイにおいて2024春季生活闘争中央討論集会を開催しました。

 構成組織、地方連合会および関係団体などから552名(会場:215名、Web:337名)が参加し、第1回中央執行委員会(10月19日)で確認した2024春季生活闘争基本構想にもとづいて活発な討議を行いました。

 冒頭、主催者を代表して芳野会長は、「連合として『未来づくり春闘』を掲げた2年間の取り組みの結果、20年以上にわたるデフレマインドが変化しつつある。2024春季生活闘争の最大のカギは、社会全体で問題意識を共有し、持続的な賃上げを実現することである。賃上げに向けてはその環境整備が重要であり、価格転嫁などの取引の適正化の取り組みを強化する必要がある。2023闘争時にはなかった新たな材料として、政府が年末までに指針を策定するとしている『労務費の転嫁の在り方』がある。連合は、9月末に政府に対し、実効性がある有効な内容となるよう、緊急要請を行ったが、引き続き、働きかけを行っていく」とした上で、「2024闘争はこれまでの単なる延長ではなく『経済・社会のステージ転換の正念場』である。傷んだ労働条件の回復をはかり、生活向上につながる賃上げを実現し、2023闘争を上回る賃上げをみんなでめざす必要がある。連合はこの重大な役割を担い、運動をけん引していく」と、力強く決意の一端を述べました。

 続いてお二方から基調講演をいただきました。
 はじめに、山田久氏(法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科教授)から、「賃金を巡る環境変化と春闘のこれから」というテーマで、賃上げと生産性向上の好循環形成には、①春闘の再建による適度な賃上げ圧力、②時代の要請に応える不断の事業創造・能力開発への労使協力が不可欠であるなど、多くの示唆をいただきました。
 続いて、市川正樹氏(連合総合生活開発研究所長)から「日本経済の現状と見通し」をテーマに、日本経済や雇用情勢や生活の変化、課題等についてご講演をいただきました。

 その後、3つの関係委員会における2024春季生活闘争基本構想についての討議経過について、神保労働条件・中⼩労働委員会委員⻑、石川労働法制委員会委員⻑、山中ジェンダー平等・多様性推進委員会委員長がそれぞれ報告しました。

 そのうえで、仁平総合政策推進局⻑が提起した2024春季生活闘争基本構想にもとづき、全体討論を行いました。
「企業規模間格差是正をめざす観点からは、上げ幅の指標を示すべき。2023闘争より厳しい今次闘争において価格転嫁の重要性は増しており、連合本部には政府への働きかけや世論喚起等により交渉を後押しいただきたい」「安いニッポンからの脱却には、国としての価格転嫁を含め社会構造を転換する施策が必要であり、その観点で連合の役割は大きく、700万人が結集し取り組むことが重要」「男女間賃金差異の公表義務化により、格差が改めて可視化されることを踏まえ男女間賃金格差の是正に向け、一層の取り組み強化が必要」「格差是正に向けて、中小企業が取り残されることのないよう、連合本部が指導性を発揮し、けん引することをお願いしたい」「賃上げに向けては、社会に対して働く者の目線であることを労働者の声として明確に訴えていくことが重要であり、情報発信の取り組みを強化し、日本全体を巻き込んで賃上げの機運を作ることをお願いしたい」等、2024闘争に前向きに臨む積極的な発言が多く出され、活発な意見交換となりました。

 最後に清水事務局⻑が当日の議論を総括した上で、「本日いただいた意見を様々な形で反映し、闘争方針をつくりあげていく。引き続き構成組織・地方連合会の積極的な参画をお願いしたい」と呼びかけ、集会を締めくくりました。
 
  • 芳野会長
  • 山田教授
  • 市川連合総研所長
  • 神保委員長
  • 石川委員長
  • 山中委員長
  • 仁平総合局長
  • 清水事務局長