連合ニュース 2023年

 
2023年10月30日
男女が共になってあらゆる分野に女性の積極的な参画をすすめよう!
2023連合ジェンダー平等推進中央集会を開催
2023ジェンダー平等推進中央集会が開会
 連合は、2023年10月27日(金)に2023連合ジェンダー平等推進中央集会を開催しました。集会は対面とオンラインを併用して行い、対面では構成組織・地方連合会等から716名(女性412名・男性354名)、オンラインでは535アカウントがWeb視聴しました。
 
 冒頭、主催者を代表し芳野友子会長が「連合本部の女性役員の女性比率は40.9%となった。今後も着実に取り組みを進めたい。連合は、結成時の基本文書『連合の進路』にも女性の権利向上を明記し、以降、女性の参画促進を進めてきた。さらなる推進をめざし、連合『ジェンダー平等推進計画』フェーズ1を2021年10月から開始し、本年は計画期間の最終年となった。すべてにジェンダー平等の視点を持つことは、人権を守ることにもつながっている。職場のあらゆるハラスメントを禁止を求め、弱い立場にいる人々を守ることが私たち労働組合の使命であることを忘れてはいけない。性別・年齢・国籍・障がいの有無・就労形態などにかかわらず、1人ひとりが尊重される社会をめざし、労働組合が社会を作り替えていく必要がある」と挨拶しました。
 
 以後、永江光都子中央執行委員の司会で集会が進行しました。小原成朗総合政策推進局長より、「ジェンダー主流化を推進しよう!『ジェンダー平等推進計画』次のステップに!」と題し、基調提起を行いました。2024-2025年度運動方針と連合「ジェンダー平等推進計画」フェーズ1をもとに「男性だけでは変えられないことを自覚することが必要。変えていくためには意思決定過程に女性の参画が不可欠であり、今後は皆さんと取り組みを進めていきたい」と述べました。
 
 次に、武庫川女子大学本田一成教授が「クミダンの『壁』-クミジョ・クミダンを科学する」と題して基調講演を行いました。
 
【講演のポイント】
〇労働組合は変革が起こしにくい組織で、男性型の組織で保守的で前例主義になりがち。役員には任期があり新しい事に手が出せない。一枚岩であるために多少の犠牲は我慢するが、その犠牲がどこに向かうのかを考えなくてはならない。
 
〇経験していない事、非日常や緊急事態に対応することが難しい。問題解決優先志向があるのは素晴らしいのだが、解決できない場合もある。なぜ起きたのか、どうしてかをきちんと考えて議論しなくてはならない。
 
〇今後はクミジョの皆さんのネットワークをもっとつなげるべき。既に様ざまな仕掛けが組まれていると聞くが、声が共有され広がって塊ができてくる。他の分野と比べて労働界は遅れているので、全力で取り組んでいくべき。
 
 続いて行われたパネルセッションでは、「クミジョが活躍するための突破口はどこにあるのか?」と題し、井上久美枝副事務局長をコーディネーターとして進行しました。本田一成教授、労働調査協議会後藤嘉代主任調査研究員、運輸労連今井瑞希中央書記次長、全労金深見正弘中央執行委員長、連合和歌山岡本由美女性委員会委員長より、①対策や成果、効果的だったこと、②ぶつかった壁や感じている課題、③今後の抱負と壁を突破するための考察について、データ分析を含め計3ラウンドのディスカッションを行いました。

【パネルディスカッションのポイント】
〇自分一人では活動の中で難しいことも多くあった。数は重要であり、今後は役員の育成にも取り組んでいきたい。また、オンライン活用による女性参画の促進に関し、労働組合の本質とは異なるのではないかと疑問。対面開催でも女性が参画できるように変えていくべき。

〇議論の場ではパリテを達成することが重要ではあるが、難しい。勇気をもって議論に参画することが壁を突破するためには必要。

〇女性役員の選出について、今までは役員としての経験を今後に活かすことが出来ない断続的な役員体制だった。今後は複数人女性役員を選出し、仲間と協力しあうような継続的に安定した役員体制を築く必要がある。女性委員会経験後に単組・産別での活躍を促進する「放流」活動を行っている。
 
 集会アピール採択では、連合神奈川今村玲女性委員会委員長により提案され、採択されました。
 
 閉会の挨拶に立った山中しのぶ副会長は、「今回の集会のスローガンには『男女が共になって』との言葉が入った。これまで開催してきた『中央女性集会』は今回『ジェンダー平等推進中央集会』になった。ジェンダー平等は女性だけではなく、男性と共に行うものであることを誓い、取り組んでいきたい。日本は片働き世帯から共働き世帯が主流となっている。誰もが安心して働き暮らせる社会の実現のためには、長時間労働の是正、男性の育休取得促進やハラスメント対策も進めなくてはならない。労働組合の取り組みが本当に重要となった。労働組合活動への女性の参画は、これまでの慣行やスタイルを変える契機となり、組合員にとって身近な組織となり誰もが参加しやすい運動へ変わるものと思っている。連合『ジェンダー平等推進計画』フェーズ1は残り1年となった。現状の点検を行って、本日参加した皆さんそれぞれの立場で少しでも一歩を踏み出すことをお願いしたい」と述べ、集会を終了しました。
 
【集会のライブ動画】
https://www.youtube.com/watch?v=cBPFO0fcT1o&t=2060s
 
【配布資料】
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/gender/meeting2023/
 
 
 
  • 開会挨拶をする芳野会長
  • 司会の永江光都子中央執行委員
  • 基調提起をする小原成朗総合政策推進局長
  • 基調講演をする武庫川女子大学本田一成教授
  • パネリストの労働調査協議会後藤嘉代主任調査研究員
  • パネリストの運輸労連今井瑞希中央書記次長
  • パネリストの全労金深見正弘中央執行委員長
  • パネリストの連合和歌山岡本由美女性委員会委員長
  • パネルを進行する井上久美枝副事務局長
  • パネルディスカッション
  • アピール提案をする連合神奈川今村玲女性委員会委員長
  • 閉会挨拶をする連合山中しのぶ副会長