連合ニュース 2023年

 
2023年10月27日
10月29日は「国際ケア・サポート・デー」
持続可能な社会・経済の維持のため、ケア労働者の処遇改善を加速させなければならない
「国際ケア・サポート・デー」
 2023年7月24日、第93回国連総会において、10月29日を「国際ケア・サポート・デー」とすることが決議されました。この決議は、世界中に対してケアとサポートの重要性、ジェンダー平等の達成、強靭で包摂的なケア経済への投資の必要性に関する認識を高めるためのものです。

 国際労働組合総連合(ITUC)は10月29日の「国際ケア・サポート・デー」を、ケア経済の重要性を再認識し、各国政府に実効ある取り組みを促す啓発キャンペーンを次のとおり展開しています:

1. ケア部門への公共投資の拡大
100万人の新規雇用を創出し、女性の経済参加を高め、質の高い公的医療、教育、ケアサービスへの普遍的なアクセスを保証すること。
2. ケア政策の導入
包摂的な労働市場政策、家族に優しい職場政策、ジェンダーに対応した社会的保護により、ケア責任のより公平な分担を認め、ジェンダーに中立的な柔軟な勤務体制を促進していくこと。
3. すべてのケア労働者のためのディーセント・ワーク
ケアの仕事は、安全な労働環境のもと、適正なものでなければならず、同一労働同一賃金を含め、適切な賃金が支払われなければならない。また、ケア労働者は、ジェンダーにもとづく暴力やハラスメント、あらゆる種類の差別から解放され、団結し、団体交渉をする自由がなければならない。

 連合は、1997年より毎年5月に、安心と信頼の医療と介護の実現をめざす中央集会(医療・介護フェス)を開催しています。本年の集会では、医療・介護を担うすべての労働者の賃金・労働条件の改善を求めるアピール文を採択し、政府へ要請を行いました。また、連合「子ども・子育てサロン」の開催などを通じて、保育等を担うすべての労働者の賃金・労働条件を改善する必要性を訴えてきました。現在、2024年度診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等の同時報酬改定や、政府の「こども未来戦略」および「こども大綱」策定に向けて、審議会等で議論が行われています。今回の国連「国際ケア・サポート・デー」制定の勢いを活かし、連合としてケアを担うすべての労働者のディーセント・ワークの確保と賃金・労働条件の改善を求め、引き続き意見反映に努めていきます。

 また、労働政策審議会雇用環境・均等分科会において、現在、育児・介護休業法の改正に向けた議論が行われています。連合は従来から、男女が共に仕事と生活の調和が実現できる社会の構築が重要であり、長時間労働の是正や仕事と育児や介護等の両立支援に向けた環境整備が不可欠であると主張しています。法改正に向けては、「共育て」の観点から、性別に偏りなく利用しやすい育児・介護休業制度とすることを求め、改正の審議に参画しています。

 連合は、ITUCと緊密に連携し、世界中の仲間とともに、質の高い公的医療・ケア・教育サービスへの普遍的なアクセスを改善し、安全な労働環境のもと、ジェンダーにもとづく暴力やハラスメントがない、同一労働同一賃金を含む適切な賃金が支払われる持続可能なケア経済の実現に向けて引き続き取り組んでいきます。

10月27日、 アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)が「国際ケア・サポート・デー」に対する声明を発出していますので、仮訳を添付いたします。
 
  • INTERNATIONAL DAY FOR CARE: 29 OCTOBER