連合ニュース 2023年

 
2023年10月27日
核兵器廃絶の実現に向けて各国大使館に要請を実施
~フランス、アメリカ、中国、ロシア、イギリスの大使館に要請~
フランス大使館要請
 連合は、唯一の被爆国のナショナルセンターとして、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現をめざし、核兵器保有国に対して要請や意見交換を継続して行っています。2023年も原水爆禁止日本国民会議(原水禁)、核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)とともに、7月26日にフランス、8月31日にアメリカ、9月22日に中国、9月25日にロシア、9月26日にイギリスの各国駐日大使館を訪問し、「核兵器廃絶」に向けた要請行動を行いました。
 
<フランス大使館>
 連合・内藤靖博総合運動推進局長は「ロシアによるウクライナ軍事侵略が開始されてから1年半が経過する中、今に至っても核兵器が使用されていないことは国際社会の協力があってこその結果である。本年5月に広島でG7サミットが開催され、各国首脳に広島平和祈念資料館を訪れていただいた。核兵器の恐怖と悲惨さは伝わったと思っている。貴国には核兵器廃絶に向けたリーダーシップを発揮していただきたい」と述べました。
 これに対し、フィリップ・セトン駐日フランス大使は「広島でのG7サミットは重要な瞬間であった。 多くの苦しみが展示された資料館の訪問は、すべての首脳に感銘を与えた。「広島のビジョン」は、核軍縮に対するG7のコミットメントを想起させた。また、核軍縮を達成する上でNPTが中心的な役割を果たすことも再確認された。現在の国際情勢において、核兵器の即時廃絶は選択肢にはない。それはさらなる脅威と不安定性の源となるだろう」と応えました。
 
<アメリカ大使館>
 連合・山根木晴久副事務局長は「核兵器廃絶への強い意志を示し核兵器禁止条約の批准に向け歩を進めていくこと、非核化への具体策や期限、プロセスを明確にすること、NPT加盟国の拡大と包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効に向けて対話による取り組みを着実、早急に進めること、この3点におけるアメリカのリーダーシップを求めたい」と述べました。
 これに対して、ダグラス・フリター政治部安全保障政策課課長補佐は「核兵器廃絶へのコミットメントにつき感謝する。国際社会の脅威は非常に複雑だ。NPTのゴールをめざすには、国際情勢の条件が整わなければならない。バランスの取れたアプローチ、安定的で効果的な核軍縮へのコミットメントを改めて明確にしておく」と応えました。
 
<ロシア大使館>
 連合・内藤総合運動推進局長は「昨年の要請では、ウクライナへの軍事侵攻に関わり厳しい内容を申し上げた。現段階においても核兵器が使用されていないことに安堵している。次回のNPT再検討会議は2026年に予定されているが、核兵器保有国間のみならず核兵器保有国と非保有国で対立するのではなく、真摯な対話を重ねることで核軍縮の取り組みを進めていただきたい」と述べました。
 これに対して、マルガリータ・ツィサルク外務政策部アタッシェは「現下の国際情勢もあり核兵器使用のリスクが高まっていることに懸念を表明する。核戦争を許さないという立場を改めて強調する。ウクライナ危機が深刻化し、核兵器使用のデマも広まっているが、ロシアの存立が危機に瀕する事態とならない限り使用はしない。我々は全ての関係国と建設的な対話をする用意がある」と応じました。
 
<イギリス大使館>
 連合・内藤総合運動推進局長は「G7広島サミットで『核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン』が公表されたが、核兵器廃絶に向けた具体的道筋が示されなかったことは残念だった。一方で各国首脳が平和記念資料館を訪問されたことは評価している。核兵器の悲惨さ、非人道性を胸に刻みつつ、核兵器廃絶に向けた取り組みをお願いしたい」と述べました。
 これに対して、マックスウェル・ダゥンマン政治部二等書記官は「核兵器のない世界という長期的展望にコミットし、核軍縮を進めているが、核兵器が存在する間はNATOの安全を保障し、また平和と外部からの攻撃を抑止する手段として最低限の核兵器を保有している。G7広島サミットにおいて各国とともに核兵器のない世界の実現に向けコミットした。悪化を続ける国際状況の中、核兵器廃絶に向けた取り組みを進める」と応えました。
 
<中国大使館>
 連合・内藤総合運動推進局長、原水禁・谷雅志事務局長、KAKKIN・岩附宏幸事務局長の3名が、王琳政治部公使参事官に要請を行い、意見交換をしました。
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