9月27日、「第22回新しい資本主義実現会議」が首相官邸で開催されました。
今回は「新しい資本主義の推進についての重点事項(案)」について、構成員による意見交換が行われました。
連合からは芳野会長が出席し、意見書を提出した上で、特に、持続的な賃上げの実現、現下の物価上昇への対策、政府の「106万円の壁」に対する支援策について、以下のとおり発言しました。
<芳野会長の発言要旨>
〇持続的な賃上げの実現について
「冷温の」デフレ型・縮小経済から「適温の」成長型経済への転換は、この1年間が正念
場であるとの認識のもと、全力で取り組むべき。賃上げの流れを持続させ、物価を上回
る所得の向上をはかる必要があり、そのためには、地方、中小・小規模企業などに対す
る実効性ある支援策の拡充が重要である。
最低賃金の到達をめざす水準については、1,500円という数字のみならず、その考え
方をしっかり示すことがより重要と考える。
労務費の価格転嫁については、即効性のある指針の策定と策定後の周知や相談対応を
強力に推し進めるべき。
〇現下の物価上昇への対策について
食料品をはじめとする生活必需品は上昇が続いており、低所得者の生活を圧迫し続け
ている。また、高騰が続くガソリン価格は、特に地方の暮らしと中小企業の経営に大き
な打撃を与えている。緊急的に補助金などで対応することも必要だが、誰もが安心して
暮らせる社会とするには、恒久的で実効性ある積極的な対策として税制改正を行うべき。
真に支援が必要な層に対し、購入時に払った基礎的消費にかかる消費税を還付する給
付付き税額控除の仕組みを導入すれば、買い控えなどを抑制できる。また、ガソリン価
格などに上乗せされている、いわゆる「当分の間税率」は、すでに課税根拠も失っている
ため、廃止を検討すべき時期に来ていると考える。「国民の命とくらしを守る」ために
前向きな検討をお願いしたい。
〇政府の「106万円の壁」を乗り越えるための支援策について
政府が公表した暫定的な支援策では「壁」の根本的解消にはつながらないばかりか、
短時間労働者が新たに被用者保険適用となる際の保険料負担を、社会保険以外の財源に
より実質的に穴埋めするものであり、支援策として大きな問題である。
保険料分の負担増なく適用される労働者と、そうでない労働者との間の公平性が問わ
れるとともに、標準報酬の算定対象としない新しい手当の性格も不明確。助成金の財源
に関する議論も不十分であり、社会保険料を雇用保険料で充当することは極めて理解し
がたい。
社会保険を歪める弥縫策を講じるのではなく、雇用形態や勤務先の事業所の規模など
にかかわらず、すべての労働者に被用者保険を適用すべき。
以 上