連合ニュース 2023年

 
2023年09月26日
公正取引委員会に対し、「取引の適正化」実現に向けた要請を実施
労務費の転嫁の在り方に関する詳細な指針づくり、適切な価格転嫁と公正取引に資する効果的な情報発信、各地域における政府の取り組みの周知など
要請書手交の様子
 連合は2023年9月25日、公正取引委員会に対し、労務費の転嫁の在り方に関する詳細な指針づくり、適切な価格転嫁と公正取引に資する効果的な情報発信、各地域における政府の取り組みの周知について要請を実施しました。
 
 冒頭、清水事務局長から古谷公正取引委員会委員長に「取引の適正化」実現に向けた要請書を手渡した後、「連合の取り組みに日頃よりご理解をいただき、感謝申し上げる。連合は2024春季生活闘争の方針議論に着手したところ。政府が進めている『労務費の価格転嫁の在り方』に関する指針は、2024春季生活闘争できわめて重要な意味を持つと認識している。とりわけ、中小企業の賃上げの実現のためには、2023年12月末までに実効性のある指針が示されることが肝要であると考える。くわえて、8月31日の新しい資本主義実現会議へ公正取引委員会が提出した資料『適正な価格転嫁の実現に向けた取組』には、今後の展開にあたって重要な点がいくつか含まれており、注目している。公正取引委員会の今後のより一層の取り組みの強化をお願いし要請する」と挨拶しました。
 
 具体的な要請内容については仁平総合政策推進局長より、以下の3点を説明しました。
1.労務費の転嫁の在り方について、実効性ある詳細な指針を示す必要があり、原則論を記載することにくわえて、転嫁が進んでいない業種に対しては、より踏み込んだ具体的な指針を示すこと
2.注意喚起した企業へのフォローアップ、改善状況や改善されない場合の理由・要因分析などをとりまとめて公表すること。「コスト上昇分の価格転嫁円滑化の取り組みに関する特別調査」についても、詳細な結果を公表するとともに、関係省庁と連携して適正な価格転嫁と公正取引の実現に向けたデータとして有効活用すること
3.適切な価格転嫁や支援策など政府の取り組みを現場まで浸透させるため、省庁横断的な取り組みを各地域での説明会や相談会での周知を検討すること
 
 要請を受けて、公正取引委員会・古谷委員長からは、「連合の皆様には、日頃より公正取引委員会の取り組みにご理解いただき、感謝申し上げる。2023春季生活闘争では、賃上げ率が3.58%、中小企業においては3.23%と、30年振りの高水準となったと認識している。とりわけ、中小企業の賃上げには労務費の円滑な転嫁が不可欠であると考えている。私どもが実施した特別調査を通じて、労務費の業界ごとの実態を把握したうえで、転嫁の在り方の指針の策定に繋げていきたい。発注者、受注者それぞれにとって明確な指針となるよう努めるとともに、根拠となる資料を示すなど、業界ごとの事例や考え方などを示したい。公表した企業の取引状況のフォローアップや公正取引委員会としての取り組み方針などについて、年内を目途に取りまとめたいと考えている。「取引の適正化」実現に向けて、連合の皆様と見据える方向は同じであり、連携しながら取り組みを進めたい」と発言がありました。
 
以 上