連合ニュース 2023年

 
2023年08月13日
2023平和行動in広島を開催
~語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう~
広島から長崎へのピースフラッグリレー
 連合は、8月5日から世界で初めて原爆が投下された日である6日にかけて、現地・広島市において「2023平和行動in広島」を開催しました。
 
<8月5日(1日目)>
【被爆78年2023平和ヒロシマ集会】16:00~18:00
 広島市・上野学園ホールにおいて「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう」をテーマに、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)の共催のほか、広島県、広島市、平和首長会議や全国のNPO・NGOなど多くの団体から後援をいただき開催しました。
 コロナ禍前の2019年以来、4年ぶりに参加人数に制限を設けず、全国の構成組織・地方連合会から1,735名が参加しました。

 冒頭、開会挨拶として大野真人・連合広島会長より「私たち連合広島は、戦争を経験された皆さまと共に、同じ時代を生きる者の責任として、二度と悲劇を繰り返してはならないこと、そして平和の大切さを広く社会に訴え、未来へ繋げていく行動を継続しています。核兵器のない世界に向けて、決して諦めることなく、全国の仲間の皆さんの先頭に立てるよう頑張る。その決意を申し上げておきます。78年前の広島で何が起きたのか。是非、広島平和記念資料館に足を運んでいただき、被爆の実相を心に刻んでください。そして、見て感じたことをそれぞれの地域、職場での取り組みに活かしていたいただきたいと思います。」と述べました。
 戦没者に対して参加者全員による黙とうに続いて、主催者代表挨拶として芳野友子・連合会長から「今なお私たちは核兵器の脅威にさらされ続けています。本年5月、ここ被爆地・広島で開催されたG7サミットでは、『核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン』が発表されましたが、核兵器数の削減努力の継続を柱としているものの、『核兵器のない世界』の実現に向けた具体的な道筋は示されませんでした。核兵器による抑止力を事実上肯定したことは非常に残念だと言わざるを得ません。核威嚇をする為政者がいる中で、抑止論が成り立つとは到底思えません。今回のサミットでは、核兵器保有国を含む各国首脳が、広島平和記念資料館を訪れました。各国首脳には、核兵器使用の恐怖と悲惨さ、実相を強く胸に刻むとともに、核兵器廃絶に向けたリーダーシップの発揮を強く求めます。また、G7サミットに先立つ本年4月には、働く者の主張をG7サミットに反映させることを目的に、「L(レイバー)7サミット」が東京で開催されました。L7・2023声明として、『G7首脳は、広島で会合することの象徴的な意義を念頭に置き、核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければならない。』と表明し、サミットで議長を務めた岸田首相にも、要請を行いました。日本政府には、唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向け、核軍縮と核不拡散の強化に向けた外交努力を粘り強く続けるよう求めていきたいと思います。 私たち一人ひとりが運動をけん引していくうえで、核兵器の非人道性を決して忘れてはなりません。私たち連合は、平和首長会議やITUCとも連携・連帯し、国内外の世論喚起に向けて、活動をより一層強化していきます。誰もが心の底から願い続ける「核兵器廃絶」と「恒久平和の実現」に向け、ともに頑張りましょう。」と述べ、改めて核兵器廃絶、そして世界の恒久平和の実現に向け、取り組みを進めていく決意を示しました。
 次に、来賓として玉井優子・広島県副知事、村上慎一郎・広島市市民局長からご挨拶をいただきました。また、国際労働組合総連合(ITUC)を代表して、郷野晶子会長から「労働運動にとって、平和はその根幹であり、平和無くして運動は成り立ちません。ITUCは原則の宣言において、『平和の維持と強化を熱烈に支持し、大量破壊兵器のない世界と全面的軍備縮小のために全力を尽くすことを誓う。』と謳っています。これまでの長年にわたる連合の平和運動に敬意を表するとともに、今後とも、戦争のない世界、核兵器のない世界、平和実現のために、連合や関係団体の皆さんともに活動を続けてまいります。」とご挨拶をいただきました。
 学習会として、中国新聞ヒロシマ平和メディアセンターの水川恭輔様より「G7サミットと広島」のテーマでご講演をいただき、広島の原爆被害の実相に触れるとともに、核兵器の非人道性と核兵器禁止条約について説明をいただきました。また、G7サミットにおいて、各国首脳が何を見て何を発信したのかについて話がありました。
 被爆体験証言として、広島県原爆被害者団体協議会の箕牧智之様より、ご自身の体験を踏まえた当時の様子をお話しいただくとともに、「被爆者が生きているうちに核兵器を無くしてください。今生きているヒバクシャ114,000人の訴えです。」と、涙ぐみながら想いを語られました。
 若者からのメッセージとして、第25第・第26代高校生平和大使の皆さんから活動報告と決意表明が行われました。続いて、連合平和行動旗・ピースフラッグが大野・連合広島会長から、平和行動次開催地の岩永洋一・連合長崎事務局長へ引き継がれました。最後に亀井美砂子・連合広島女性委員長により平和アピール(案)が読み上げられ、満場一致の拍手で採択され閉会しました。
 
 平和ヒロシマ集会の様子は、後日、連合公式YouTubeチャンネル「RENGO TV」にアップいたします。

 なお、平和ヒロシマ集会に先立ち、広島市役所において連合代表団と松井一實・広島市長/平和首長会議議長との懇談を実施しました。

【ピースウォーク】13:00~15:30
 連合広島の青年委員会・女性委員会のメンバーが「ピースガイド」として案内役を務め、広島平和記念公園内の慰霊碑や記念碑を巡る「ピースウォーク」を実施し、全国から474名が参加しました。
また、受付周辺では原爆パネル展を併設し、原爆の悲惨さを多くの参加者に伝えました。
 
【被爆路面電車乗車学習会】13:30~15:00
 原爆の被害を直に受けた2輌の路面電車が「歴史の生き証人」という大きな使命を背負い、現在もなお営業用車輛として使用されています。沿線の被爆建物や遺構を巡り、連合広島青年委員会がガイドを務める「被爆路面電車乗車学習会」を実施し、87名が参加しました。
 
【連合・原爆死没者慰霊式】18:45~19:15
 平和ヒロシマ集会終了後、原爆ドーム前にて、原爆死没者に対する追悼と恒久平和への願いを込めて「連合・原爆死没者慰霊式」を実施し、約800名が参加しました。
 冒頭、出席者全員による黙祷を行った後、福田誠二連合広島青年委員長による誓いの言葉が読み上げられました。芳野連合会長、大野連合広島会長、岩永連合長崎事務局長、郷野ITUC会長による代表献花・献水に続き、各地域からお持ちいただいたお水の献水、参加者一人ひとりによる、献花がおこなわれました。

<8月6日(2日目)>
【長崎平和の鐘打鐘式】08:00~08:30
 広島市立大学構内にて「長崎平和の鐘打鐘式」を開催し、原爆が投下された8時15分に黙とうを捧げました。
「長崎平和の鐘」は、被爆50年の節目に連合長崎から連合広島へ送られ、その後広島市へ寄贈されたもので、参加者全員で鐘を打鐘し、平和への想いを一つにしました。
 
【平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)】08:00~08:50
 広島市主催の平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)が平和記念公園の広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)前で開催され、組合員を代表し、連合からは、芳野連合会長、大野連合広島会長、岩永連合長崎事務局長と郷野ITUC会長が参列しました。
 
以 上
  • 1.松井一實・広島市長との懇談の様子
  • 2.大野真人・連合広島会長による開会あいさつ
  • 3.芳野友子・連合会長による主催者代表あいさつ
  • 4.玉井優子・広島県副知事による来賓あいさつ
  • 5.村上慎一郎・広島市市民局長による来賓あいさつ
  • 6.郷野晶子・ITUC会長による来賓あいさつ
  • 7.箕牧智之・広島県被団協による被爆体験証言
  • 8.第25・26代高校生平和大使からのメッセージ
  • 9.岩永洋一・連合長崎事務局長によるピースフラッグを受けてのあいさつ.JPG
  • 10.亀井美砂子・連合広島女性委員会委員長による平和アピールの提案
  • 11.被爆路面電車乗車学習会の様子
  • 12.福田聖二・連合広島青年委員長による連合・原爆死没者慰霊式誓いの言葉
  • 13.連合・原爆死没者慰霊式代表献花の様子
  • 14.藤井則正・連合広島事務局長による長崎平和の鐘打鐘セレモニー開会のあいさつ