連合ニュース 2023年

 
2023年08月13日
2023平和行動in長崎を開催
~語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう~
連合長崎から連合北海道へのピースフラッグリレー
 連合は、8月8に「2023平和ナガサキ集会」を長崎県立総合体育館「メインアリーナ」で、「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう」をテーマに、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)の共催のほか、長崎県、長崎市、平和首長会議や全国のNPO・NGOなど多くの団体から後援をいただき開催し、全国の構成組織・地方連合会から1,174名が参加しました。
 
 冒頭、開催地代表として髙藤義弘・連合長崎会長は、現下の核兵器を巡る情勢に触れた上で、「核兵器使用の脅威はすぐそこにまで来ている。何よりも悔しいのは、被爆者や被爆地の思いが全く届いていないことである。核兵器の使用を示唆するような恐ろしいことを行っているのが人間であるのならば、辞めさせることも同じ人間ができるはずである。本集会の提起として、平和な世界、核兵器のない世界をめざす声をさらに大きなものとしていこう。」と挨拶行いました。
 続いて、主催者挨拶として清水秀行・連合事務局長は本年5月に被爆地・広島で開催されたG7サミットについて触れ「核兵器廃絶は、個々の国や地域の努力だけでは達成できず、国境を越えた連携と相互理解が求められる。平和記念資料館を訪れた各国のトップリーダーは、核兵器の恐怖と悲惨さ、実相を強く胸に刻み、対話と交渉を通じて、核兵器廃絶に向けた道を着実に歩むべきと考える」と述べました。また、「今、世界が、平和への歩みを続けることができるか否かが問われている。核兵器廃絶への道は容易ではないが、単なる理想や夢で終わらせてはならない。それは私たちの世代が達成しなければならない使命であり、次世代への責任である。」と改めて核兵器廃絶、そして世界の恒久平和の実現に向け、取り組みを進めていく決意を示しました。
 来賓挨拶として大石賢吾・長崎県知事は「核兵器のない世界が社会の持続可能性にとって重要であると発信を続けている。現在、広島県とも連携をし、SDGsに盛り込むべく取り組みを続けている。核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現は長崎県・長崎市の共通する目標である。長崎を最後の被爆地にという思いでしっかりと取り組んで参りたい」と述べられました。
 また、鈴木史朗・長崎市長/平和首長会議副議長より「7月31日から開催されたNPT再検討会議第1回準備委員委員会のNGOセッションに参加し、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、ロシアが核兵器の使用をちらつかせ恫喝していることで、「核兵器使用をタブー視する風潮」がどんどん弱まっていることに、被爆地は危機感を強めていることを発言した。今一度、核兵器の使用はあってはならないという意識を呼び起こすためには、被爆の実相を知ってもらうことが重要であるため、是非とも被爆地に訪れ、自分の目で見て、耳で聴いて、心で感じたうえで『核兵器のある世界』と『核兵器のない世界』、未来の子どもたちにどちらを残したいのか、あなたの良心に問いかけてみてくださいと参加国の代表に訴えた。引き続き、連合の皆さまと連携し、国際的な場でしっかりと訴えて参りたい。」との挨拶がありました。
 国際労働組合総連合(ITUC)の郷野晶子会長からは「原爆投下から78年が経つ今も、多くの人々の努力にかかわらず、平和実現からほど遠い状況にある。それどころか、ロシアのウクライナへの侵攻が長期化し、核兵器使用のリスクが高まっている。労働運動にとって、平和はその根幹であり、平和無くして運動は成り立たない。ITUCは、これまでの長年にわたる連合の平和運動に敬意を表するとともに、今後とも、戦争のない世界、核のない世界平和実現のために、連合や関係団体の皆さん共に活動を続けていく。」との挨拶がありました。
 被爆者の訴えとして(公財)長崎平和推進協会・継承部会の山田一美様より、被爆当時の状況をお話いただくとともに「戦争も核兵器もない世界を皆さんの手で作り上げて欲しい。」との訴えをいただきました。
さらに、長崎大学核兵器廃絶センター(通称RECNA:レクナ)の吉田文彦センター長より「核軍縮再起動への挑戦」というテーマで講演をいただきました。
 その後、若者からのメッセージとして、ナガサキ・ユース代表団10期生を代表して猪原彩美さん、後藤歩夏さん、第26代高校生平和大使を代表し長崎県の大澤心春さん、杉原絢乃さんからそれぞれ活動報告と決意表明が行われました。続いて、柳迫美咲・連合長崎女性委員会幹事による平和アピール(案)が満場一致の拍手で採択されたあと、次の連合2023平和行動「平和行動in根室」に向けて、連合平和行動旗・ピースフラッグが髙藤・連合長崎会長から藤盛敏弘・連合北海道事務局長へ引き継がれました。最後に、4年振りに参加者全員で「For The Peace of world」を歌い、閉会しました。
 
 また、平和ナガサキ集会に先立ち、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館において、清水・連合事務局長、髙藤・連合長崎会長、郷野・ITUC会長が原爆によって亡くなられた方々のご冥福を祈り献花を行いました。その後、鈴木史朗・長崎市長/平和首長会議副議長との懇談を実施しました。
 
 なお、長崎に原爆が投下された8月9日に予定していた「ピースウォーク」および「万灯流し」については、台風6号による影響を考慮し、参加者の安全確保の観点から中止としました。
 
 「2023平和ナガサキ集会」の様子は、後日連合公式YouTubeチャンネル「RENGO TV」にアップいたします。

 連合の「核兵器廃絶・被爆者支援に関する取り組み」については、下記をご覧ください。
  https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/kizuna/
  • 髙藤義弘 連合長崎会長による開会挨拶
  • 清水秀行 連合事務局長による主催者代表挨拶
  • 大石賢吾 長崎県知事による来賓挨拶
  • 鈴木史朗 長崎市長・平和首長会議副議長による来賓挨拶
  • 郷野晶子 国際労働組合総連合(ITUC)会長による挨拶
  • 山田一美さんによる被爆者の訴え
  • 吉田文彦 長崎大学核兵器廃絶センター長による講演
  • ナガサキ・ユース代表団によるメッセージ
  • 高校生平和大使によるメッセージ
  • 柳迫美咲 連合長崎女性委員会幹事による平和アピール
  • 藤盛敏弘 連合北海道事務局長による平和メッセージ
  • フィナーレ(For The Peace of World)
  • 連合代表・ITUC会長による献花
  • 鈴木史朗 長崎市長・平和首長会議副議長との懇談