連合ニュース 2023年

 
2023年07月21日
デジタル庁および消費者庁に対し、連合の重点政策を要請
 連合は7月20日、デジタル庁および消費者庁に対して、「2023年度 連合の重点政策」に関する要請を実施しました。
 
 冒頭、清水事務局長が大串デジタル副大臣兼内閣府副大臣に要請書を手交し、「働く者、生活者の声を集めて、重点政策を取りまとめた。当面の経済財政運営と来年度の予算編成に反映していただきたい」と挨拶しました。
 
 その後、冨田総合政策推進局長が、主な要請内容(下記7項目)を説明しました。
 
<デジタル庁関係の要請項目>
〇経済や産業の構造変革や、非常時におけるセーフティネットの構築に向け、AI・IoTなどのさらなる活用をはじめ、経済・社会全体のデジタルインフラの整備を積極的に進める。その際、政府の情報システムの安全性を強化する観点で、機密性の高い情報から国産クラウドサービスの採用を進める。
〇いまだ根強く残るマイナンバー制度への不安や誤解を払拭し、マイナンバーカードの普及促進をはかるため、安全性の一層の周知や個人情報管理体制の強化を行う。そのうえで、オンライン申請など利便性の周知を徹底するとともに、さらなる国民の利便性向上をはかるためにも、行政手続きのデジタル化やマイナポータルの活用を促進する。
〇マイナンバー制度への理解を深めつつ、正確な所得捕捉による真に支援を必要とする層へのプッシュ型支援制度の構築と、金融所得課税を含む所得税の総合課税化の実現に向けて、マイナンバーとすべての預貯金口座のひも付けを行う。
 
<消費者庁関係の要請項目>
〇消費者による行き過ぎたクレームや迷惑行為などカスタマー・ハラスメントから労働者を守るため、厚生労働省の指針に定める事業主が講ずべき措置を法律に定める。
○「第4期消費者基本計画」を踏まえ、消費者と事業者との適切なコミュニケーションなど、倫理的な消費者行動を促す消費者教育や、雇用・労働を含む人や社会・環境などに配慮して消費者自らが行動するエシカル消費を促進する。
○改正「特定商取引法」の施行によるダークパターン(消費者を不利な決定に誘導する表記やサイト設計)への対応などについて改善効果を検証するとともに、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売など特定商取引に対して、引き続きICTの進展に対応した消費者保護ルールの整備をはかる。
○社会問題化している各種特殊詐欺(振り込め詐欺など)、個人間取引による消費者同士のトラブル、災害に便乗した火災保険金の請求代行に関する悪質商法などについて、消費者に対する情報提供・注意喚起を行い、被害の未然防止をはかる。
 
 これに対し、大串副大臣は、「マイナンバーに関する一連の事案についてご心配をおかけし、お詫び申し上げる。要請内容を受け止め、マイナンバー情報総点検本部が中心となって個人情報保護体制の強化に取り組み、国民に向けた安全性の周知と利便性の向上にしっかり取り組む」、「カスタマー・ハラスメントは深刻な問題であり、消費者教育の面からも対応が必要。厚労省とも連携して、周知啓発を行いたい」などと回答しました。
 
 最後に、清水事務局長が、「マイナンバーカードを返還するという話も聞くが、連合は、マイナンバーを、持続可能で包摂的な社会構築、税と社会保障の一体改革、セーフティネットの強化に向けて必要なものと位置づけている。個人情報管理体制やシステムの点検・強化にしっかり取り組んでいただき、国民の不安の声に対応していただきたい」と述べ、大串副大臣が、「国民に向け、しっかりと分かりやすい説明を心がけていく」と応じて締めくくりました。
 
  • 要請の様子